7065 ユーピーアールの業績について考察してみた

7065 ユーピーアールの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1979年3月にパレット(箱型荷台)の製造・販売、レンタルを目的として、ウベパレット株式会社を設立。2002年10月にコネクティッド事業における追跡システムを提供開始。2007年9月にユーピーアール株式会社に商号変更。2009年4月にコネクティッド事業における遠隔監視ソリューションを、2014年アシストスーツの提供を開始。2011年8月にシンガポール法人を設立して以降、タイ、マレーシア、米国、ベトナムと順次海外へも展開している。2019年6月に東証二部に上場。本社は東京都千代田区。物流業や製造業向けにパレットのレンタル・販売業を展開

株主構成

有価証券報告書によると、2021年8月25日時点の筆頭株主は代表取締役社長の酒田義矢氏で50.1% 、次いで創業者で前代表取締役社長の酒田三男氏が5.9%、その他は保有割合5%未満で日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口、株式会社日本カストディ銀行の信託口、創業家一族とみられる酒田加代子氏、第一生命保険株式会社、ユーピーアール従業員持株会、野村信託銀行株式会社の投信口と続く。その他には取締役や国内金融機関が並ぶ。2022年1月25日付のコーポレート・ガバナンス報告書によると外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は8058三菱商事9432日本電信電話三菱UFJ銀行6502東芝等の出身者が揃い、多種多様な経歴を持つ。取締役常務執行役員の3名が、それぞれDX本部とコーポレート本部、物流事業本部を統括する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の酒田義矢氏は1964年5月生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1988年4月に4204積水化学工業に入社。1994年11月に同社の専務取締役を経て、1998年11月に現職に就任した。山口県のJリーグチームを運営する、株式会社レノファ山口の社外取締役を兼任する。

報告セグメント

「物流事業」と「コネクティッド事業」の2セグメントに大別される。2022年8月期第1四半期の売上高3,302百万円の内、物流事業が3,051百万円で92.4%、コネクティッド事業が250百万円で7.6%を占める。セグメント利益率は、物流事業が10%台中盤から後半を推移。コネクティッド事業は期によって偏りがあり、マイナスから一桁台を推移する。

事業モデル

物流事業は、物流機器のレンタル・販売と物流IoTを提供する「物流事業」と、アシストスーツのレンタル・販売を行う「アシストスーツ事業」の2事業に大別される。物流機器のレンタル・販売では木製・プラスチック製のパレットやネスティングラック、カゴ車等を取り扱い、物流IoT分野では温湿度管理付きの追跡端末「なんつい」を販売。物流の管理・保管から輸送までの一連の過程において総合的なソリューションを提供する。通常の木製・プラスチック製パレットに加えて、クラウド上で管理が可能なアクティブタグを搭載したスマートパレットのレンタルも実施。顧客の在庫管理を一元化し、稼働率の向上に資する。2022年8月期第1四半期のレンタルパレット保有枚数は456万枚であり、今後は需要に合わせて保有枚数を増加する方針である。アシストスーツ事業では、作業者向けに腰等の身体的負担を軽減するアシストスーツを取り扱う。物流現場を中心に介護や農業等といった幅広い分野に顧客を有する。
コネクティッド事業は、ICT事業とビークルソリューション事業の2つに大別される。ICT事業では、遠隔監視ソリューションの提供や周辺機器のレンタル・販売を行う。製造業を中心に物流業や農業向けにソリューション提案を行い、新規顧客に対しては短期間でトライアル環境を提供。物流IoT事業の「なんつい」等の自社製品を組み合わせてレンタル・販売する。ビークルソリューション事業では、カーシェアリングの運営やカーシェアリングシステムのレンタル・販売・運営受託を実施。
物流事業では、木製パレット等を国内連結子会社から仕入れ、国内向けのレンタル・販売は同社を通して行う。海外向けのレンタル・販売については、海外連結子会社5社を通して実施する。コネクティッド事業では、製品の仕入れからレンタル・販売までを一貫して同社が担う。
物流業では、ドライバー不足により荷役作業時間の効率化に向けて、パレット輸送化の加速が見込まれる。中でも家庭紙業や菓子業では物流過程におけるパレット導入が本格化する動きがみられ、同社ではターゲット業界に位置付けてシェア拡大を目指す。また、高度な管理が必要となる医薬品輸送を行う物流会社向けに「なんつい」等の物流IoT製品の拡販を進める

競合他社

輸送用パレット国内大手の4690日本パレットプール (2021年3月期売上高6,962百万円)、 物流業向けに製品の販売やカーリースを展開する9368キムラユニティー (同51,782百万円) 、 タンクコンテナを中心に物流サービスを提供する9386日本コンセプト (2020年12月期同12,277百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社6社を持つ。国内1社と、海外ではシンガポール、タイ、マレーシア、ベトナム、アメリカに5社の連結子会社を展開する。

強み・弱み

強みとして全国に顧客網を持つ点が挙げられる。同社では全国14か所の営業所と、パレット等の貸出・回収を行うデポを全都道府県192箇所に展開様々な業種や顧客ニーズに対応するために、パレットの豊富なラインナップを整備する点が特徴である。また2020年8月期時点での顧客数は2800社に及び、保有するパレットを循環的に稼働できる状態を維持する。懸念点としては、プラスチック製パレットの95%以上を三甲株式会社と岐阜プラスチック工業株式会社から仕入れており、特定の仕入れ先への依存が挙げられる。

KPI

KPIには①EBITDA、②レンタルパレット保有枚数、③事業別売上高が挙げられる
①EBITDA(2022年8月期第1四半期):1,115百万円
②レンタルパレット保有枚数(同):456万枚

2022年8月期第1四半期 決算説明資料

③事業別売上高(同)

2022年8月期第1四半期 決算説明資料

業績

売上高は2017年8月期から2020年8月期にかけては物流効率化や人手不足によるパレット需要を取り込み約1.4倍に増加。2021年7月期は、輸送用レンタルパレットの需要増加や販売事業での売上拡大により、前期比+1.5%の増加となった。経常利益は2017年8月期から2020年8月期にかけて5.1倍に増益。2021年7月期は、売上高は増加したものの保管用レンタルパレットの需要低下や減価償却費等の原価増を受けて、前期比▲38.4%の減益となった。フリーCFは2019年8月期以降、マイナスを推移。2021年8月期は有形固定資産や無形固定資産の取得に伴い、投資CFの支出が増加した。自己資本比率は30%台を推移する


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