2150 ケアネットの業績について考察してみた

2150 ケアネットの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ケアネットの事業概要

医療者向けには、無料で日常臨床に役立つコンテンツを配信することでアクティブ会員を維持し、CareNeTVなどのコンテンツ販売事業を行っている。製薬企業に対しては、ストーリー形式のオンデマンド動画で医師会員に医薬情報を伝える「MRPlus®」オピニオンリーダーによる講演をライブ配信する「Web講演会」などのソリューションを提供し、収益を上げている。医療者向け事業と製薬企業向け事業が強いシナジーを発揮しているのがビジネスモデルの特徴。従業員数は105名(2019年12月31日現在)。
・沿革
同社は、1996年に医療情報提供サービスを目的として株式会社ケアネットとして設立された。2000年に医師・医療従事者向け会員制サイト「クラブ・ケアネット」をインターネット上に開設し、同年10月にはインターネットによるマーケティング調査「eリサーチ」のサービスを開始。2004年には「クラブ・ケアネット」をリニューアルし、「CareNet.com」をオープン2007年4月に東京証券取引所マザーズに上場した。2010年には医師会員数が10万人を超え医師のための医療ソーシャルメディア「MRPlus®︎」、研修医向けeラーニングサービス「レジデントJapan」等多くのサービスを提供している。2015年には世界最大級の医療情報サイト「Medscape」を運営するWebMD社と業務提携。2018年にはバイオベンチャーのサンバイオ株式会社(4592)と資本業務提携をおこなっている。
・株主構成
筆頭株主は、ヘルスケアビジネスと投資のプロ集団による医療に特化した投資事業会社Medical Incubator Japanの1号ファンドであるケアネット・イノベーション投資事業有限責任組合で20.4%保有している(2019年12月31日現在)。再生細胞薬SB623の適正使用・普及、安定流通を図るため資本業務提携をしているサンバイオ株式会社や株式会社アステム、その他のBNYメロン・ノントリーティDTT等のファンドも大株主に名を連ねている。また、代表取締役会長で創業者の大野元泰氏が3.21%、取締役CFOの藤井寛治氏が1.62%保有している。
・取締役会構成
取締役が7名、うち社外取締役が1名監査役は3名のうち社外監査役が2名の構成となっている。代表取締役は会長CEOの大野元泰氏と社長COO藤井勝博氏の2名が就任している。その他の取締役は、製薬・化学メーカー、通信、メディア業界出身者で構成されている。
・代表取締役の経歴
代表取締役会長の大野元泰氏は、1963年生まれ。山一證券株式会社、株式会社日本総合研究所、ボストンコンサルティング・グループ、医療法人社団健育会を経て1996年に同社を創業
代表取締役社長の藤井勝博氏は、1967年生まれ。サンド薬品株式会社(現 ノバルティスファーマ株式会社)を経て、1997年に当社に取締役として入社。2002年に退職するが、複数の会社の代表取締役等を経て、2011年に再入社。2017年より現職
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
2020年第3四半期(2020年7月1日〜2020年9月30日)時点で医薬営業支援サービスと医療コンテンツサービスのセグメントがある。医薬営業支援サービスの売上高は2,820百万円(前年同四半期比51.7%増)、営業利益は1,551百万円(前年同四半期比66.3%増)となっている。
医療コンテンツサービスの売上高は365百万円(前年同四半期比27.1%増)、営業利益は84百万円(前年同四半期比40.3%増)となった。
また、医師・医療従事者向け医療専門サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資を行っており、当第3四半期末の医師会員数は17万2千人(前年同四半期比13.7%増)となっている。

・競合他社
医師コミュニティサイト運営をしているメドピア(6095)、医師向けサイトで情報提供をしているエムスリー(2413)等がある。
・連結の範囲
子会社の運営管理をおこなうCX HealthNet LIMITED.、医療情報提供サービスをおこなっている株式会社SCー Laboと株式会社ヘルスケア・イニシアチブ、ソフトウェアの企画・制作及び保守・運営管理をする株式会社アスクレピアが連結子会社。その他の関係会社として組合財産の運用をおこなうケアネット・イノベーション投資事業有限責任組合がある。

医薬営業支援サービス

・事業モデル
製薬企業発の医薬情報をケアネットの医師会員にインターネットで配信するサービス「MRPlus®︎」製薬企業が主催する各診療科のオピニオンリーダーによる講演を、ケアネットの医師会員にライブ配信する「web講演会」を展開することで製薬企業の営業活動の生産性向上支援をしている。
・強みや弱み
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、デジタルシフトが顕著となり、製薬企業向けeプロモーションサービスに強み。逆にコロナが落ち着いてくると収益が落ち着いてくる可能性がある。競合他社に比べて規模が小さいことが課題
・事業の盛衰
製薬企業のDX戦略支援、魅せ技事業取得による専門医・がん領域でのメディア・サービス強化、疾患啓発・教育系サービスのさらなる強化、医師向けWebカンファレンスサービスの提供と事業を拡大している。
・KPI
医師会員数がKPIとして想定される。現在は153千人(前年同期比+6.4%)である。
・懸念点
同社の売上高は、大部分が製薬企業、医師及び医療従事者からの収入となっている。今後、医療費・薬価引き下げ、ジェネリック医薬品の普及、医療制度の変更などにより医療・ヘルスケア市場の停滞、縮小や新たな市場動向に同社グループが対応できない場合には、それらの事象が経営成績等に影響を及ぼす場合がある。また、製薬業界においてグローバルな競争が展開され、業界再編の動きが加速している。再編された既存顧客の取引見直しの可能性がある。
・業績の進捗
2020年度第3四半期において、売上高は2,820百万円(前年同四半期比51.7%増)、営業利益は1,551百万円(前年同四半期比66.3%増)となった。

医療コンテンツサービス

・事業モデル
医師・医療従事者に対し、「CareneTV」や「ケアネットDVD」の医療教育コンテンツをインターネットによる動画配信やDVDを用いて有料により提供している。
・強みや弱み
同社が持つ臨床医学チャンネルCareNeTVの有料会員が5,100名を超え今後も増加傾向医師転職サポートも増加。今後の伸びに期待。一方でDVDでの販売はダウントレンドにある。今後の成長のためには医師会員との関係性の強化が極めて重要な課題。競合他社に比べて規模が小さいことも課題
・事業の盛衰
CareNeTVプレミアム(有料)会員向けのサービス強化、大学、施設、企業向けのオンライン教材として提供、CareNet.comリニューアル、キャリア支援サービスを強化と既存の事業を強化している。
・懸念点
同社グループが医師会員を予定通り獲得・確保できない事態に陥った場合には、同社グループのサービスの実施・普及に支障をきたす可能性がある。
・業績の進捗
2020年度第3四半期において、医師向け教育コンテンツ「ケアネットDVD」等の売上高は151百万円(前年同四半期比48.2%増)、医療教育動画サービス「CareneTV」の売上高は214百万円(前年同四半期比15.4%増)となった。この結果、医療コンテンツサービスの売上高は365百万円(前年同四半期比27.1%増)、営業利益は84百万円(前年同四半期比40.3%増)となった。