2157 コシダカホールディングスの業績について考察してみた

2157 コシダカホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2022.05 10,493 1,029 9.81%
FY2022.Q4 2022.08 10,969 901 8.21%
FY2023.Q1 2022.11 11,278 534 4.73%
FY2023.Q2 2023.02 14,331 2,991 20.87%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.02 14,532 2,536 17.45%
FY2017.Q3 2017.05 14,111 1,714 12.15%
FY2017.Q4 2017.08 14,312 1,283 8.96%
FY2018.Q1 2017.11 13,842 1,060 7.66%
FY2018.Q2 2018.02 16,552 2,627 15.87%
FY2018.Q3 2018.05 15,369 1,860 12.1%
FY2018.Q4 2018.08 16,008 2,311 14.44%
FY2019.Q1 2018.11 14,770 1,368 9.26%
FY2019.Q2 2019.02 17,812 3,616 20.3%
FY2019.Q3 2019.05 16,551 2,635 15.92%
FY2019.Q4 2019.08 16,707 1,888 11.3%
FY2020.Q1 2019.11 15,577 1,073 6.89%
FY2020.Q2 2020.02 18,404 3,807 20.69%
FY2020.Q3 2020.05 3,291 -3,009 -91.43%
FY2020.Q4 2020.08 6,031 -724 -12%
FY2021.Q1 2020.11 6,546 -983 -15.02%
FY2021.Q2 2021.02 5,570 -1,661 -29.82%
FY2021.Q3 2021.05 4,701 -2,300 -48.93%
FY2021.Q4 2021.08 3,974 -2,684 -67.54%
FY2022.Q1 2021.11 6,371 -1,130 -17.74%
FY2022.Q2 2022.02 10,162 1,405 13.83%
FY2022.Q3 2022.05 10,493 1,029 9.81%
FY2022.Q4 2022.08 10,969 901 8.21%
FY2023.Q1 2022.11 11,278 534 4.73%
FY2023.Q2 2023.02 14,331 2,991 20.87%

沿革

1967年3月中華料理店を営む有限会社新盛軒として群馬県にて創業。1970年上州ラーメンの屋号にてチェーン展開を開始。最盛期で6店舗まで拡大。1990年8月カラオケボックス1号店を開設。1993年12月カラオケ本舗まねきねこ1号店を群馬県に開設。2000年3月株式会社コシダカに商号、組織変更。2007年6月ジャスダック証券取引所に上場。2010年9月株式会社コシダカホールディングスに商号変更。2016年11月東証一部に市場変更。2018年3月には子会社であるカーブスホールディングスを通じてフィットネスクラブのFCであるカーブスを買収。その後カーブスホールディングスを非連結子会社化で分離し、2020年3月にカーブスホールディングスは東証一部に上場を果たしている。2022年4月市場区分見直しによりプライム市場へ移行。「カラオケまねきねこ」「ワンカラ」ブランドで国内にカラオケボックス直営店を展開するほか、韓国やシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアでも店舗展開。温浴事業も国内に5施設有する。

株主構成

有価証券報告書によると、2022年2月末時点の筆頭株主は現在の代表取締役社長である腰高博氏の資産管理会社である株式会社ヨウザンで保有比率は25.92%。日本マスタートラスト信託銀行の信託口が9.01%、腰高氏の資産管理会社である株式会社ふくるが保有比率8.54%、NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDSが7.22%と続き、以降は保有割合5%未満で、腰高博氏および博氏の配偶者で同社常務取締役の腰高美和子氏、国内信託銀行信託口、住所から腰高博氏に関係があると推察される一般社団法人SACHIの信託口が並ぶ。5%ルール報告書によると、資産運用世界大手、米フィデリティ傘下FMRの持分が7.28%、米ファンドのIXGS,Incの持分が11.19%であると報告されている。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、うち監査等委員は3名(全員社外)、監査等委員設置会社である。取締役のうち、朝倉一博氏、腰高美和子氏、土井義人氏はいずれも銀行、証券会社の経歴を有し、朝倉氏と土井氏は2000年代に入ってからコシダカホールディングスに入社している。腰高美和子氏は前身である有限会社新盛軒(1986年5月)からの役員。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の腰高博氏は1960年4月生まれ。東北大学経済学部を卒業後の1986年4月に実家のラーメン屋であった、有限会社新盛軒に入社。1990年よりカラオケ事業を推し進め、1995年8月に代表取締役社長に就任。その後「カラオケ本舗まねきねこ」の積極展開により、同社の業績を拡大した

報告セグメント

「カラオケ事業」、「温浴事業」、「不動産管理事業」の3報告セグメントに大別され、2022年8月期第3四半期累計期間の売上高27,026百万円の構成比はカラオケ事業95.1%、温浴事業2.5%、不動産管理事業3.0%。利益は太宗をカラオケ事業で創出する一方、温浴事業は赤字だった。

事業モデル

カラオケ事業は、日本国内で「カラオケまねきねこ」「ワンカラ」の2ブランドを展開し、韓国とシンガポールは連結子会社で、マレーシア、タイ、インドネシアは非連結子会社で「まねきねこ」ブランドのカラオケボックス店を展開する。なお、韓国ではスピーカー等カラオケ周辺機器の製造、販売も行う。店舗数は2021年8月末時点で、国内はカラオケまねきねこ539店舗、ワンカラ6店舗。大証のカラオケ店舗を41店譲受け、うち21店舗は2021年8月期中に出店。前年同期比+38店となった。2022年8月期に入ってからも出店を続けている(KPI参照)。海外は韓国4店舗、マレーシア6店舗、タイ1店舗、インドネシア1店舗である。シンガポールからは撤退となった。コロナウィルス感染拡大を受けて、まねきねこ店舗の有効スペース活用として、ワタミ株式会社が本部運営を行う「から揚げの天才」にフランチャイジーとして事業傘下しており、14店舗を展開している。(2021年8月期末時点)
温浴事業は「まねきの湯」「らんぷの湯」のブランドでスーパー銭湯形態の温浴施設を国内で5施設運営
不動産管理事業は、子会社が群馬県、神奈川県、愛知県に所有する不動産賃貸ビルの運営管理を行う
カラオケ本舗まねきねこによる顧客利用料、温浴施設利用料、不動産管理による管理料が主な収益源となり、一般顧客を対象とする。昨今は世界的なエネルギー・食糧の供給不足や円安の進行による物価高が懸念されるが、コロナ禍によるまん延防止等重点措置が3月中に全解除となったことから企業活動、個人消費ともコロナ前の状態に戻りつつある。

2021年8月期 決算説明資料

競合他社

カラオケ事業の競合として、「カラオケの鉄人」を展開する2404鉄人化計画(2021年8月期売上高5,240百万円)、「コート・ダジュール」を展開する8214AOKIホールディングス(2022年3月期売上高154,916百万円)、カラオケ含めた娯楽サービスを展開する4680ラウンドワン(同96,421百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

株式会社コシダカ、株式会社コシダカプロダクツ、株式会社コシダカビジネスサポート、KOSHIDAKA KOREA Co.,Ltd、KOSHIDKA INTERNATIONAL PTE.LTD、KOSHIDAKA SHINGAPORE PTE.LTD、KOSHIDAKA MALAYSIA SDN.BHD、KOSHIDAKA THAILAND CO.,LTD、の8社が連結子会社に該当する。株式会社コシダカがカラオケ事業と温浴事業を担っており、同社の中核を担う

強み・弱み

カラオケ本舗まねきねこの利用料金の安さは同社の強みである。例えば平日9~11時までの時間帯に、ワンオーダー制で30分利用料が一人10円など突出している。更に、業界初の試みである食べ物・飲み物の持ち込みをOKとしたカラオケスタイルを確立している。同社は居抜き物件を狙った新規出店を手掛けており、新規出店コストが安いためこれらを実現し、ユーザーからの高い支持を得て店舗数を拡大してきた。運営固定費がかかるため、稼働率が下がると利益を維持するのが困難な事業形態である。「エンタメをインフラに」を企業理念としており、主力の国内でカラオケを含めたエンタメの先行き、コロナ禍からの回復度合いが同社業績を左右する。

KPI

①カラオケ本舗まねきねこ等出店数、店舗数(下図)
②温浴施設新規出店数
③海外出店数

2022年8月期第2四半期 決算説明資料

業績

2016年8月期から2019年8月期までは、売上高は約1.3倍、営業利益は48億円から95億円まで約2倍に増収増益で業績を拡大していたが、2020年8月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、売上高は前期比▲34.2%、営業利益は▲87.9%の減収減益となったが、黒字は維持した。2021年8月期売上高は20,791百万円(前年同期比▲52.0%)、営業利益は▲7,628百万円と上場来初の赤字転落。なお、2021年8月期よりカーブスの事業が連結から外れている点には注意が必要である。2022年8月期は回復がみられ、第3四半期時点で黒字。フリーCFは、カーブスのグローバル・フランチャイザーの株式取得を行った2018年8月期と、営業利益の減益を受け営業CFが減少した影響を受けて直近2期マイナス。自己資本比率は40%台前後で推移し、2021年8月期末は43.3%。

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