2157 コシダカホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1967年3月中華料理店を営む有限会社新盛軒として群馬県にて創業。1970年上州ラーメンの屋号にてチェーン展開を開始。最盛期で6店舗まで拡大。1990年8月カラオケボックス1号店を開設。1993年12月カラオケまねきねこ1号店を群馬県に開設。2000年3月株式会社コシダカに商号変更。2007年6月ジャスダック証券取引所に上場。2010年9月株式会社コシダカホールディングスに商号変更。2016年11月東証一部に市場変更。2018年には子会社であるカーブスホールディングスを通じてフィットネスクラブのFCであるカーブスを買収。その後カーブスホールディングスを非連結子会社化で分離し、2020年3月にカーブスホールディングスは東証一部に上場を果たしている。「カラオケまねきねこ」「ワンカラ」ブランドで国内にカラオケボックス直営店を展開するほか、韓国やシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアでも店舗展開。温浴事業も国内に5施設有する。

株主構成

2021年2月末時点の筆頭株主は現在の代表取締役社長である腰高博氏の資産管理会社である株式会社ヨウザンで保有比率は25.92%である。次いで、腰高氏の資産管理会社である株式会社ふくるが保有比率8.54%、NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDSが7.26%と続く。以下は5%未満で、機関投資家やベンチャーキャピタルが大株主に載っている。代表取締役社長の腰高氏は個人でも第6位の大株主で保有比率は2.84%である。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、社外3名全員が監査等委員。監査等委員設置会社である。取締役のうち、朝倉一博氏、腰高美和子氏、土井義人氏はいずれも銀行、証券会社の経歴を有し、朝倉氏と土井氏は2000年に入ってからコシダカホールディングスに入社している。腰高美和子氏は前身である有限会社新盛軒(1986年5月)からの役員で、腰高博氏の配偶者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の腰高博氏は1960年4月生まれ。東北大学経済学部を卒業後の1986年4月に実家のラーメン屋であった、有限会社新盛軒に入社。1990年よりカラオケ事業を推し進め、1995年8月に代表取締役社長に就任。その後「カラオケ本舗まねきねこ」の積極展開により、同社の業績を拡大した。

報告セグメント

「カラオケ事業」、「温浴事業」、「不動産管理事業」の3報告セグメントに大別され、2021年8月期の売上高12,116百万円の構成比はカラオケ事業93.1%、温浴事業4.4%、不動産管理事業2.5%である。

事業モデル

カラオケ事業は、日本国内で「カラオケまねきねこ」「ワンカラ」の2ブランドを展開し、韓国とシンガポールは連結子会社で、マレーシア、タイ、インドネシアは非連結子会社で「まねきねこ」ブランドのカラオケボックス店を展開する。なお、韓国ではスピーカー等カラオケ周辺機器の製造、販売も行う。店舗数は2021年3月末時点で、国内のカラオケまねきねこ519店舗、ワンカラ6店舗、韓国5店舗、シンガポール5店舗、マレーシア6店舗、タイ1店舗、インドネシア1店舗である。コロナウィルス感染拡大を受けて、まねきねこ店舗の有効スペース活用として、ワタミ株式会社が本部運営を行う「から揚げの天才」にフランチャイジーとして事業傘下しており、14店舗を展開している。なお、今後は大庄のカラオケ店43店舗を譲り受ける旨も発表されている
温浴事業は「まねきの湯」「らんぷの湯」のブランドでスーパー銭湯形態の温浴施設を国内で5施設運営
不動産管理事業は、子会社が群馬県、神奈川県、愛知県に所有する不動産賃貸ビルの運営管理を行う。
カラオケ本舗まねきねこによる顧客利用料、温浴施設利用料、不動産管理による管理料が主な収益源となり、一般顧客を対象とする。昨今、コロナ禍による政府からの緊急事態宣言や時短営業を余儀なくされ、大打撃を受けている。

競合他社

4837シダックス、7458第一興商、2340極楽湯ホールディングス等が競合他社として挙げられる。シダックスが業界首位であるが、コシダカホールディングスのようにカラオケ事業と温浴事業を併せた形態は他になく、収益の柱は多様化されている点が特徴である。

連結の範囲

株式会社コシダカ、株式会社コシダカプロダクツ、株式会社コシダカビジネスサポート、KOSHIDAKA KOREA Co.,Ltd、KOSHIDKA INTERNATIONAL PTE.LTD、KOSHIDAKA SHINGAPORE PTE.LTD、KOSHIDAKA MALAYSIA SDN.BHD、KOSHIDAKA THAILAND CO.,LTD、の8社が連結子会社に該当する。株式会社コシダカがカラオケ事業と温浴事業を担っており、同社の中核を担う。

強み・弱み

カラオケ本舗まねきねこの利用料金の安さは同社の強みである。月曜日から木曜日の11~18時までの時間帯に、ワンオーダー制で30分利用料が一人25円。他社はカラオケ館で30分60円、ビッグエコーで123円、ジャンカラで155円、と同社の安さは突出している。更に、業界初の試みである食べ物・飲み物の持ち込みをOKとしたカラオケスタイルを確立している。同社は居抜き物件を狙った新規出店を手掛けており、新規出店コストが安いためこれらを実現し、ユーザーからの高い支持を得て店舗数を拡大してきた。運営固定費がかかるため、稼働率が下がると利益を維持するのが困難な事業形態である。「エンタメをインフラに」を企業理念としており、主力の国内でカラオケを含めたエンタメそのものの正常営業が見通しづらい点が最大の懸念点である。

KPI

①カラオケ本舗まねきねこ出店数
②温浴施設新規出店数
③海外出店数

業績

2016年8月期から2019年8月期までは、売上高は約1.3倍、営業利益は48億円から95億円まで約2倍に増収増益で業績を拡大していたが、2020年8月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、売上高は前期比▲34.2%、営業利益は▲87.9%の減収減益となったが、黒字は維持した。2021年8月期第2四半期の売上高は12,116百万円(前年同期比▲64.3%)、営業利益は▲2,644百万円、四半期純利益で▲1,680百万円と上場来初の赤字転落。なお、2021年8月期よりカーブスの事業が連結から外れている点には注意が必要である。恒常的に営業CFはプラスで投資CFはマイナス。FCFは、カーブスのグローバル・フランチャイザーの株式取得を行った2018年8月期と、営業利益の減少から営業CFが大幅に減少した2020年8月期の2期を除いてプラス。自己資本比率は50%台で推移。