2374 セントケア・ホールディングの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1983年3月日本福祉サービス株式会社として介護サービス事業を目的に東京都に設立。2002年5月セントケア株式会社に商号変更。2003年10月日本証券業協会に株式を店頭登録。2007年7月商号をセントケア・ホールディング株式会社に変更。同11月株式会社旧コムスン社の事業を14県で承継。2014年10月介護ロボットの企画・販売を行うケアポット株式会社を設立。2016年5月東証第二部へ上場、同12月東証一部へ変更。訪問介護事業を主軸に施設介護事業など幅広く介護事業を展開する。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、創業者で会長の村上美晴氏の資産管理会社とみられる有限会社村上企画で36.03%、同氏個人で11.19%と併せて47.22%を保有。次いで元取締役の安藤幸男氏(2018年12月退任)が2.37%、セントケア従業員持株会が2.27%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口で1.91%、株式会社ジェイ・エス・ビーが1.90%。そのほかに、国内外の信託銀行などの信託口が並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内7名、社外3名)、監査役は4名(全員社外、3名は常勤)、監査役会設置会社である。代表取締役社長の藤間和敏氏と取締役で事業支援本部長の成田正幸氏はプロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の村上美晴氏は1953年8月生まれ。1982年東京理科大学工学部卒業後、1983年3月同社の前身である日本福祉サービス株式会社(現セントケア・ホールディングス株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。2007年4月から代表権のある会長職へ退いたが、2008年2月再び代表取締役会長兼社長に戻り、2012年4月からは社長の座を再び退き代表権のある会長に就任している。
代表取締役社長の藤間和敏氏は1972年8月生まれ。拓殖大学卒業後、1997年4月同社へ入社、セントケア東京株式会社社長・セントケア千葉株式会社社長、執行役員取締役等を経て2020年4月より現職に就任。

報告セグメント

「介護サービス事業」の単一セグメント。訪問介護サービス、訪問入浴介護サービス、居宅介護支援サービス、訪問看護サービス、福祉用具貸与・販売サービス、介護付有料老人ホーム、デイサービス、グループホーム、小規模多機能型居宅介護サービス、看護小規模多機能型居宅介護サービス、ショートステイ、住宅リフォームサービス等の介護に関する事業を包括的に展開している。訪問系と施設系に分けて開示される売上高の比率は概ね6:4程度。

2020年3月期 決算説明会資料

事業モデル

訪問介護、訪問入浴、訪問看護などの訪問型の介護事業に加え、介護付有料老人ホームやデイサービスなどの施設型介護事業も展開。加えて、住宅リフォーム、福祉用具レンタル・販売、介護支援システムの販売、医療支援等もグループで行う。またIoT・デジタルツールの活用によりサービスの向上、業務の効率化を図っている。さらに介護ロボットの企画・販売を目的に車載機器メーカーのクラリオン株式会社とケアポット株式会社を設立、AIによるケアプランの開発、提供を目的に株式会社シーディーアイを設立するなど、介護と医療の連携やIT技術の融合など新しい介護の取り組みにも積極的。地域包括ケアシステムにおいて各コミュニティーのNo.1となることを事業戦略に掲げ、重度化対応や自立支援にも取り組む。

2020年3月期 決算説明会資料

競合他社

競合するサービスとしては、介護業界首位の9792ニチイ学館(2020年3月期介護セグメント売上高1,514億円)や8630SOMPOホールディングス(同期介護事業売上高1,344億円)、9783ベネッセホールディングス(同期1,228億円)が挙げられ、2398ツクイ、9735セコム、9470学研ホールディングスなどが続く。介護業界は8834三菱地所レジデンスや3231野村不動産ホールディングス、三井不動産レジデンシャル株式会社、3407旭化成なども参入する。

連結の範囲

同社グループは、同社を中心に、連結子会社24社と持分法適用会社2社により構成される。内、介護サービス事業は21社でセントケア東京株式会社、セントケア千葉株式会社、セントケア神奈川株式会社などである。
その他3社には介護保険請求ASPシステム販売などを行うセントワークス株式会社、障害者就労移行支援事業などを行うピアサポート株式会社、介護ロボットの企画・販売事業を営むケアポット株式会社が該当。
また、ビュートゾルフサービスジャパン株式会社で介護先進国オランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」型の訪問看護事業のライセンス提供および開業・運営・経営支援事業を行い、株式会社シーディーアイで、AIによるケアプランの開発、提供事業を行うなど、最新技術や海外事例を活用した多様な介護の在り方に取り組んでいる点が特徴である。

強み・弱み

介護ロボット事業など業界全体の将来を見据えて先進にIoTを活用している点が強み。介護報酬改定による業績影響が多いことや業界全体での人材不足のため有資格者の人員確保が困難である点は弱み。

KPI

訪問入浴、訪問看護などの訪問系サービスの利用者数と、デイサービス、看護小規模、ショートステイなどの施設系サービスの利用者数はKPIとなり得る。
訪問入浴者数:2021年3月期第2四半期19,228人(前期比+505人
訪問看護者数:2021年3月期第2四半期17,754人(前期比+1,916人
デイサービス数:2021年3月期第2四半期10,541人(前期比▲931、前Q比+449

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は堅調に増加し2016年3月期35,952百万円から2020年3月期43,167百万円へ1.2倍となった。一方、営業利益・経常利益は外注派遣費や消費増税などにより2019年3月期、2020年3月期と減収が続いた。2021年3月期に入り訪問入浴、訪問看護を中心に増客、コスト構成の変化により経費が低減したこともあり回復基調となっている。過去5年間の自己資本比率は34%~46%で推移。恒常的に営業CFはプラスで投資CFは施設の取得が生じるためマイナスだが、財務CF、フリーCFはプラスを維持している。