2440 ぐるなびの業績について考察してみた

2440 ぐるなびの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1989年10月、交通広告代理店「株式会社エヌケービー」の子会社として「株式会社交通アド」設立。1996年6月に株式会社エヌケービーの1事業として、ウェブサイト「ぐるなび」を開設し、現ぐるなびの事業を開始する。1999年12月に「株式会社インターネットなび東京」へ、さらに2000年2月には「株式会社ぐるなび」へ商号変更。同年3月にぐるなび事業を株式会社エヌケービーより譲り受ける。2005年4月に大証ヘラクレスへ、2008年12月には東証一部へ上場。2018年7月に4755楽天グループと資本業務提携を契約しており、2021年10月には増資も行った。飲食店情報サイトぐるなびの運営などを事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2021年9月末時点での筆頭株主は、資本・業務提携契約を締結している楽天グループ株式会社で14.95%保有。続いて取締役会長で元代表取締役の滝久雄氏が12.72%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が6.97%保有。以下は5%未満の保有率で、滝氏が代表理事を務める公益財団法人日本交通文化協会、鉄道会社、滝夫人の裕子氏、国内外の金融機関が名を連ねる。外国人株式保有比率は10%未満(2021年3月末時点)。

取締役会

取締役は7名(社内2名、社外5名)、監査役は4名(1名は常勤で社内、3名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は前述の滝久雄氏。社外取締役には、三井住友カード株式会社代表取締役会長(現顧問)、元警察庁長官、東急株式会社常務執行役員、楽天グループ株式会社幹部(2名)が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の杉原章郎氏は1969年8月生まれ。慶應義塾大学大学院修了後、1996年3月にインターネットシステムベンダーの有限会社アールシーエーを起業。1997年2月には、楽天株式会社の前身である株式会社エム・ディー・エムの共同創業者として参画。楽天株式会社常務執行役員などを経て、2019年6より現職

報告セグメント

「飲食店販促支援事業」の単一セグメントであるが、「飲食店販促サービス」及び「その他」に大別される。2021年3月期の外部顧客への売上高16,181百万円の構成比は、前者82.1%、後者17.9%であった。なお、国別では日本国内における売上が90%を超える。

事業モデル

基盤事業は「飲食店販促サービス」ならびに「プロモーション」である。飲食店販促サービスでは、インターネット上で運営する飲食店情報検索サイトぐるなびを通して、利用者に様々な飲食店情報をパソコン・スマートフォン等で提供する。加盟飲食店に対しては、店舗ページのアクセス集計・分析機能を持つ「ぐるなびマーケティングシステム(GON)」等の機能を提供する。さらにインターネット活用のみならず、各飲食店の経営課題に合わせて解決策を提案する営業担当者、定期的な訪問・サービス案内を行う「株式会社ぐるなびプロモーションコミュニティ」の巡回スタッフ、販売促進や店舗経営に関する多彩なセミナーを提供する「ぐるなび大学」など、加盟飲食店を人的にもサポート。
プロモーションにおいては、食品・飲料メーカー等に対し、加盟飲食店・消費者を対象とした食に関するトレンド調査をはじめ、同社が構築・蓄積してきた飲食店・消費者ネットワークや外食に関するデータベース等を活用した、商品開発・販売促進支援などを展開。

公式ウェブサイト内「投資家情報」>「経営方針」>「ビジネスモデル」

競合他社

2371(株)カカクコム(売上収益51,077百万円)は、ぐるなびと類似する「食べロク」事業の売上が17,786百万円に達するなど強く競合する。また、6098(株)リクルートホールディングス(売上収益2,269,346百万円)も「Hot Pepperグルメ」を展開する飲食販促領域が14,116百万円を売り上げる点で競合する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社5社(うち連結子会社4社)、関連会社1社で構成される。主要子会社は、前述の株式会社ぐるなびプロモーションコミュニティ、中国におけるインターネットを活用した飲食店のPR及び販促活動支援事業を展開する「咕嘟妈咪(上海)信息咨询有限公司(ぐるなび上海社)」である。

強み・弱み

加盟店舗数6万のグルメサイトぐるなびを保有し、一般ユーザーからも高い認知度を得ている点が強み。また、楽天グループとの提携による集客効果にも期待。一方、新型コロナウイルス感染症による外食離れは、同業他社を含め外食情報を扱う事業者にとっては深刻な課題である。2021年8月に発表された楽天グループ宛の増資によって資金調達し当面の財務手当は済んでいるが、楽天から譲り受けたデリバリー事業とリアルタイムテイクアウト事業の活用、食材ECサイト「ぐるなびFOODMALL」などにより事業基盤を立て直すことができるかは、引き続き懸念点である。

KPI

有料加盟店舗数などが主要なKPIとみられる。

2022年3月期第3四半期決算説明会資料p.18

業績

上場年度の2006年3月期から2016年3月期までの10年間で売上高を4倍に拡大するなど急成長を遂げ、2017年3月期には上場来最高の約370億円の売上を記録。以降は減収減益傾向で、特に2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響を受け大幅減収となり、売上高16,181百万円(前期比▲47.7%)、営業利益▲7,423百万円(前期比▲9,249百万円)、経常利益▲7,269百万円(前期比▲9,163百万円)となった。なお、2022年3月期第3四半期は、前年同期比で売上高は減少したものの赤字幅は縮小。営業CFは2021年3月期を除いて恒常的にプラス、投資CFは2020年3月期を除いて恒常的にマイナス。2022年3月期第3四半期の自己資本比率は77.5%。

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