8771 イー・ギャランティの業績について考察してみた

8771 イー・ギャランティの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q2 2022.09 2,110 1,012 47.96%
FY2023.Q3 2022.12 2,148 1,155 53.77%
FY2023.Q4 2023.03 2,196 978 44.54%
FY2024.Q1 2023.06 2,240 1,150 51.34%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 1,182 575 48.65%
FY2018.Q1 2017.06 1,231 501 40.7%
FY2018.Q2 2017.09 1,274 576 45.21%
FY2018.Q3 2017.12 1,280 571 44.61%
FY2018.Q4 2018.03 1,320 628 47.58%
FY2019.Q1 2018.06 1,340 564 42.09%
FY2019.Q2 2018.09 1,384 616 44.51%
FY2019.Q3 2018.12 1,415 630 44.52%
FY2019.Q4 2019.03 1,434 702 48.95%
FY2020.Q1 2019.06 1,435 616 42.93%
FY2020.Q2 2019.09 1,472 676 45.92%
FY2020.Q3 2019.12 1,506 700 46.48%
FY2020.Q4 2020.03 1,543 726 47.05%
FY2021.Q1 2020.06 1,688 731 43.31%
FY2021.Q2 2020.09 1,763 772 43.79%
FY2021.Q3 2020.12 1,846 784 42.47%
FY2021.Q4 2021.03 1,897 801 42.22%
FY2022.Q1 2021.06 1,913 866 45.27%
FY2022.Q2 2021.09 1,934 939 48.55%
FY2022.Q3 2021.12 2,017 1,014 50.27%
FY2022.Q4 2022.03 2,030 913 44.98%
FY2023.Q1 2022.06 2,040 1,005 49.26%
FY2023.Q2 2022.09 2,110 1,012 47.96%
FY2023.Q3 2022.12 2,148 1,155 53.77%
FY2023.Q4 2023.03 2,196 978 44.54%
FY2024.Q1 2023.06 2,240 1,150 51.34%

沿革

2000年9月東京都において、伊藤忠商事株式会社の金融・不動産・保険・物流カンパニーの子会社として、主に電子商取引における決済サービスにおいてファクタリング会社が保有する金融債権の保証を目的として同社を設立。2007年3月ジャスダックに上場。2010年4月ジャスダック証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、大証JASDAQ(現東証JASDAQ(スタンダード)に上場。2011年12月東証二部に上場。2012年12月東証一部に指定。各種債権の未回収リスクの受託を行う「信用保証事業」を営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、伊藤忠商事株式会社が13.5%を保有。次いで、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が11.9%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が9.0%、代表取締役社長の江藤公則氏が6.4%、株式会社帝国データバンクが6.1%を保有。そのほかに、株式会社エヌ・ティ・ティ・データや信託銀行の信託口が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名は、株式会社三井銀行や株式会社埼玉銀行、エヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社などの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の江藤公則氏は1975年1月生まれ。神戸大学を卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。2000年9月に同社へ出向し、ゼネラル・マネージャー兼営業統括部長へ就任。2006年11月に同社に転籍し、現職へ就任。

報告セグメント

「信用保証事業」の単一セグメント。2022年3月期第3四半期の売上高は5,864百万円、営業利益は2,819百万円であった。

事業モデル

信用保証事業は、事業会社及び金融機関が企業間取引で負うことになる各種債権の未回収リスクを受託する。独自の営業網として、東京本社、大阪、北海道、名古屋及び九州支店を展開し、全国各地で強固な基盤を持つ地方銀行や大手金融機関を始め、商社、リース会社、一般企業の保険代理店子会社、信用金庫等との提携により、自社の経営資源によらない販売網を構築。これらの販売網を活用し、全国の企業に対して信用リスク受託の拡大を図っている。このような営業展開による信用リスク受託に伴い、同社グループは多くの企業の倒産リスクにさらされ、多大なリスクを保有することになるが、これらの信用リスク受託を円滑に実現するために、引受けるリスクを、情報提供会社等から入手した情報に加え、同社グループにて収集した定性的な情報を含む企業信用情報により構築したデータベースに基づき分析・審査を行ったうえで、信用リスクの移転を目的として数多くのファンドや業態の異なる多様な金融機関に流動化を行う。同社グループは信用リスクの流動化にあたり、各金融機関・ファンド等が一種の運用商品のような形で信用リスクを引受けることができるよう、流動化先であるファンドや各金融機関等のニーズに合致したリスクポートフォリオの組成を行うことで、魅力あるリスク商品の引受機会を提供。これら一連のプロセスを通じて信用リスク自体を顧客から仕入れ、流動化するというマーケットメーカーとしての役割を担っている。同社グループは、事業会社及び金融機関等の顧客から得る保証料を売上高として計上する一方、リスク移転先である金融機関等に支払う費用を原価として計上しており、これらの差額が同社グループの利益となる。
感染症が内外経済を下振れさせるリスクがあり、引き続き不透明な経済環境が続いているが、倒産動向や経済環境の変化を注視しながら、慎重なリスク判断を継続したリスク受託を展開するとしている。また、顧客ニーズの高まりに合わせたサービスを適正な価格でタイムリーに提供することにより、企業活動における保証サービスの浸透を図るとしている。

競合他社

直接的に競合していないとみられるが、売掛債権保証を営む3031ラクーン(直近決算期売上高43.億円)などが参考となる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社10社、持分法適用関連会社1社で構成され、信用保証事業を営む。

強み・弱み

子会社でファンドを組成することでリスク受託力の強化が図られ、より一層幅広いリスクに対応することが出来る点が強み。同社グループがリスク移転先に支払う費用は、複数年にわたる保証履行実績により決定されているため、一時的に多額の保証履行が発生した場合であっても、短期的な原価の上昇要因とはならないが、リスク移転コストは1年契約の間は原則変わらないため、利益率が短期的に悪化し、同社グループの業績に影響を及ぼすことも考えられる。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     保証残高推移 6,909億円(2021年9月末)
②     平均保証料率

2022年3月期第2四半期 決算説明資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は4,577百万円から7,194百万円、経常利益は2,152百万円から3,108百万円と増収増益。信用リスク保証サービスが堅調に推移している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは2018年3月期以降マイナス。2022年3月期第2四半期の自己資本比率は72.7%。

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