8511 日本証券金融の業績について考察してみた

8511 日本証券金融の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 7,306 1,587 21.72%
FY2022.Q4 2022.03 7,776 1,206 15.51%
FY2023.Q1 2022.06 11,092 1,783 16.07%
FY2023.Q2 2022.09 9,989 2,743 27.46%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 6,034 -54 -0.89%
FY2018.Q1 2017.06 6,472 1,469 22.7%
FY2018.Q2 2017.09 6,437 951 14.77%
FY2018.Q3 2017.12 7,919 1,437 18.15%
FY2018.Q4 2018.03 5,505 24 0.44%
FY2019.Q1 2018.06 6,216 1,516 24.39%
FY2019.Q2 2018.09 5,836 710 12.17%
FY2019.Q3 2018.12 8,154 1,438 17.64%
FY2019.Q4 2019.03 4,115 317 7.7%
FY2020.Q1 2019.06 7,612 1,540 20.23%
FY2020.Q2 2019.09 6,781 828 12.21%
FY2020.Q3 2019.12 7,914 1,146 14.48%
FY2020.Q4 2020.03 6,794 615 9.05%
FY2021.Q1 2020.06 7,937 1,606 20.23%
FY2021.Q2 2020.09 7,354 1,152 15.66%
FY2021.Q3 2020.12 7,884 1,328 16.84%
FY2021.Q4 2021.03 7,749 691 8.92%
FY2022.Q1 2021.06 7,406 2,268 30.62%
FY2022.Q2 2021.09 7,650 1,174 15.35%
FY2022.Q3 2021.12 7,306 1,587 21.72%
FY2022.Q4 2022.03 7,776 1,206 15.51%
FY2023.Q1 2022.06 11,092 1,783 16.07%
FY2023.Q2 2022.09 9,989 2,743 27.46%

沿革

1927年7月東株代行株式会社として設立。。1943年9月東京証券株式会社に商号変更、日本証券取引所の第一種取引員となる。1949年5月証券金融業務を開始、同年12月に日本証券金融株式会社に商号変更。1950年4月東証に上場。1951年6月貸借取引貸付を、1977年3月一般貸株業務を開始。2013年7月大阪証券金融株式会社と合併。現在は東証一部に上場する唯一の証券金融会社(制度信用取引に当たり、証券会社が必要とする比較的短期の資金や株式を貸し付ける会社)

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、海外ヘッジファンドのTHE SFP VALUE REALIZATION MASTER FUND LTD.で保有割合11.82%。日本マスタートラスト信託銀行の信託口が5.90%、公益財団法人資本市場振興財団が5.01%で続き、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、みずほ銀行、海外金融機関が並ぶ。尚、5%ルール報告書によると、シンガポールのシンフォニー・フィナンシャル・パートナーズの持分が17.73%、「物言う株主」として知られる国内投資ファンドのストラテジックキャピタルの持分が5.01%になる模様。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

経営と業務執行が分離された指名委員会等設置会社。取締役は5名(社内2名、社外3名)、監査委員は3名(社内1名、社外2名)。社内取締役は日本銀行出身者およびプロパー、社外取締役は現三菱UFJ銀行、弁護士、8697日本取引所グループ出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表執行役社長の櫛田誠希氏は1958年6月生まれ。東京大学卒業後、1981年4月日本銀行入行。2013年3月同行理事就任。2017年4月現アフラック生命保険株式会社シニアアドバイザーに転じる。2019年6月に同社入社、現職に就任した。

報告セグメント

「証券金融業」、「信託銀行業」、「不動産賃貸業」の3報告セグメントに大別される。2021年3月第1四半期営業収益7,406百万円の構成比は証券金融業87.8%、信託銀行業9.3%、不動産賃貸業2.9%だった。営業利益の構成は各85.0%、10.0%、5.0%だった。市況の影響を大きく受けるため、期に寄り構成比は異なる。(下図参照)

第111期 株主通信

事業モデル

証券金融業では、貸借取引、公社債貸付、一般貸付、債券貸借、貸株業務等により、証券会社や投資家に金銭または有価証券の貸付を行っている。主要業務の貸借取引は市況変動を受けやすく、収益のブレが大きい。貸借取引の収益源は、貸株超過銘柄にかかる品貸料(信用取引で株不足が生じた場合に株を借りてくることに対して徴収される料金)の構成比率が高く、貸株残高に比例する。次いで構成比の高い貸付金利息は融資残高に比例する。

2022年3月期第1四半期決算説明資料

信託銀行業は連結子会社の日証金信託銀行株式会社にて、証券会社やFX業者、商品先物業者などに投資家から預託された金銭等を保全する顧客資産保全にかかる信託業務を中心に業務を行う。
不動産賃貸業は連結子会社の日本ビルディング株式会社において、同社グループが所有する不動産の賃貸・管理を行う。

競合他社

証券金融会社は合併等により現在は同社1社のみとなったため、直接の競合は存在しない。有価証券担保ローンは、証券会社など一部金融機関で取り扱いがある。

連結の範囲

連結子会社2社および持分法適用関連会社2社。連結子会社は信託銀行業を行う日証金信託銀行株式会社と不動産賃貸業を行う日本ビルディング株式会社。

強み・弱み

証券・金融インフラの一端を担う専門金融会社として長年取り組み、築いた独自のポジションが同社の強み。貸借取引については金融商品取引法に基づく免許を受けた証券金融会社のみ認められており、2021年8月現在同社が唯一。参入障壁は高いものと考えられる。一方で株式市況により信用取引の利用状況は影響を受けるため、市況低迷は同社業績にネガティブな影響を与えるものと考えられる

KPI

①制度信用取引残高・貸借取引残高
②個人株主数(2019年度末1,358万人、証券保管振替機構調べ)
③インターネット取引の信用取引口座数(2020年9月末1,972,923口座、日本証券業協会調べ)
④インターネット取引の信用取引売買代金(2020年4月~2020年9月135,669,687百万円、日本証券業協会調べ)

2021年3月期決算説明会資料

業績

2016年3月期以降貸借取引が低迷した2019年3月期を除き増収、営業利益は連続増益。自己資本比率は業務ボリュームの拡大により売現先勘定や貸付有価証券代り金などの負債科目が増加しているため低下傾向。2016年3月期は4.3%だったが、2021年3月期は1.1%となっている。フリーCFは同期間中2018年3月期を除きプラス。


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