8566 リコーリースの業績について考察してみた

8566 リコーリースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1976年12月東京都にてリコークレジット株式会社として、事務用機器のクレジット販売事業及び金融機関提携ローンなどの融資事業を目的に設立。1977年6月事務用機器を中心にリース事業の営業を開始。1984年4月、リコーリース株式会社に商号変更。事務用機器大手リコーの金融子会社として成長し、1996年1月東証二部へ上場。2001年3月東証一部へ変更。2020年4月に株式会社リコーが保有する同社株の一部を株式会社みずほリースへ売却することにより、両社の持分法適用関連会社へ。2022年4月市場区分の見直しによりプライム市場へ移行。リコーグループ国内唯一の金融事業会社

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、7752リコーで保有割合33.67%。ついで8425みずほリースが19.98%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.30%で続き、以降は保有割合5%以下でフィデリティのファンド、信託口、海外銀行などが名を連ねる。尚、大量保有報告書によると、7196Casaの保有割合が5%を超えているとみられる。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は13名(社内3名、社外10名)。うち社外3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役の佐野氏は入社時の年齢からプロパーと推察されるが、黒木氏は中途入社とみられる。前職は不明。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の中村徳晴氏は1965年8月生まれ。北海道大学水産学部を卒業後、ファーストファイナンス株式会社に入社、1994年1月同社へ入社。経営戦略室長や業務統括部長等を歴任後、2018年4月に常務執行役員に就任。2020年4月より代表取締役社長執行役員を務める

報告セグメント

同社事業は「リース&ファイナンス事業」、「サービス事業」、「インベストメント事業」の3報告セグメントに大別され、2023年3月期第1四半期の売上高76,394百万円の構成比はリース&ファイナンス事業が96.1%を占め、他2セグメントはサービス事業2.2%、インベストメント事業1.7%とわずかである。営業利益についても同様で、リース&ファイナンス事業が約9割を占める。

事業モデル

当社の主力事業であるリース&ファイナンス事業は、事務用機器や情報関連機器などのリコー製品をリース物件として顧客に提供する「販売支援リース」を主軸に業務用機器のリースやレンタル・割賦といった営業資産残高を積み上げ、金融サービスを提供するストック型ビジネスモデル。事務用機器以外にも産業工作機器や医療機器のリースなども手掛ける。少額大量ビジネスをベースとし、顧客の中小企業を中心に約40万社、取引ベンダーは約6,000社に及ぶ。本社を含め全国25ヶ所に拠点を持ち日本全国をカバー。

同社HP トップページ>IR情報>個人投資家の皆様へ>リースとは

サービス事業は法人向けの集金代行サービスや医療・介護報酬ファクタリングサービスを展開。インベストメント事業では、太陽光発電や住宅賃貸・不動産関連事業に取り組む。
リース関連の事業環境は、2008年にリーマンショックおよび新リース会計制度導入の影響から取扱高が大きく減少、その後2011年以降は下げ止まっていた。近年はコロナ禍の影響に加え、半導体不足が継続すると見込まれるが、同社は先送りされていた投資の再開の動きがみられ、徐々に回復するものと予想している。

競合他社

事務用機器のリースを手掛ける上場企業としては8424芙蓉総合リース(2022年3月期売上高657,847百万円)、三菱UFJリースと日立キャピタルの統合により誕生した8593三菱HCキャピタル(同1,765,559百万円)などが挙げられる。また、非上場企業では京セラドキュメントソリューションズ株式会社などが競合すると考えられる。

連結の範囲

テクノレント株式会社、東京ビジネスレント株式会社、エンプラス株式会社の3社が連結子会社に該当する。テクノレント株式会社は計測機器や情報関連機器のレンタル事業を営み、東京ビジネスレント株式会社は住宅ローンの保証を、エンプラス株式会社はサービス事業の一端を担う。

強み・弱み

事務用機器大手のリコーグループに所属し、同グループ国内唯一の金融事業会社として40万社の顧客を擁し、またその98%は中小企業で、特定企業・業界に依存しない顧客基盤を持つことや、高格付(JCRでAA-など)を維持しており、高い資金調達力をもつことなどが強み。一方でリコーグループの国内販売及び市場シェアの低下は同社の業績に影響を与える。本リスクへの対応としてリコー関連の取扱高は全体の約4割まで低下させてきている。またリースに関する会計基準がIFRS導入に伴い変更される可能性があり、リース事業に影響を及ぼすものとみられる。

KPI

2023年3月期第1四半期末における主要KPIは以下のとおり。
①営業資産(1,056,086百万円、前期末比+1,063百万円)
②リース&ファイナンス事業取扱高(97,842百万円、前年同期比+10.2%)
③集金代行サービス取扱件数(702万件、前年同期比+9.9%)
④医療・介護ファクタリング取扱高(19,414百万円、前年同期比▲4.3%)
⑤事故率(0.11%、前期末比▲0.01%)

2023年3月期第1四半期 決算概要

業績

10期増収が続いていたが、2021年3月期より2期連続減収。コロナ禍の断続的な拡大に加え、不足等によるリース対象物件の供給面の制約からリース・割賦分野で減収となった。営業利益率は近年5~6%、自己資本比率は概ね16~17%で推移している。フリーCFはリース債権や割賦債権等の増加によりマイナスの期が多い。

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