8566 リコーリースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1974年12月東京都にてリコークレジット株式会社として、事務用機器のクレジット販売事業及び金融機関提携ローンなどの融資事業を目的に設立。1977年6月には事務用機器を中心にリース事業の営業を開始。1984年4月、リコーリース株式会社に商号変更。事務用機器大手リコーの金融子会社として成長し、1996年1月東証二部へ上場。2001年3月東証一部へ変更。2020年4月に株式会社リコーが保有する同社株の一部を株式会社みずほリースへ売却することにより、両社の持分法適用関連会社へ。リコーグループ国内唯一の金融事業会。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、7752リコーで保有割合33.67%。ついで8425みずほリースが19.98%、FMR LLC6.5%、
以降は保有割合5%以下でフィデリティのファンド、信託口、海外銀行などが名を連ねる。尚、2020年9月24日受付の大量保有報告書によると、フィデリティ傘下のFMRの保有割合が6.51%になっている。また、2020年6月29日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は20%以上30%未満である

取締役会

取締役は14名(社内5名、社外9名)。うち社内1名、社外2名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表取締役社長執行役員を除く4名の社内取締役はいずれもリコー及びプロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の中村徳晴氏は1965年8月生まれ。北海道大学水産学部を卒業後、ファーストファイナンス株式会社に入社、1994年1月同社へ入社。経営戦略室長や業務統括部長等を歴任後、2018年4月に常務執行役員に就任。2020年4月より代表取締役社長執行役員を務める

報告セグメント

同社事業は「リース&ファイナンス事業」、「サービス事業」、「インベストメント事業」の3報告セグメントに大別され、2021年3月期第3四半期の連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)売上高249,492百万円の構成比はリース&ファイナンス事業が97.6%を占め、他2セグメントはサービス事業1.65%、インベストメント事業0.75%とわずかである。営業利益についても同様で、リース&ファイナンス事業が88.8%を占める。

事業モデル

当社の主事業であるリース&ファイナンス事業は、事務用機器や情報関連機器などのリコー製品をリース物件として顧客に提供する「販売支援リース」を主軸に業務用機器のリースやレンタル・割賦といった金融サービスを提供するストック型ビジネスモデル。事務用機器以外にも産業工作機器や医療機器のリースなども手掛ける。顧客の中心は中小企業。本社を含め全国25ヶ所に拠点を持ち日本全国をカバー。
サービス事業は法人向けの集金代行サービスや医療・介護報酬ファクタリングサービスを展開。インベストメント事業では、太陽光発電や住宅賃貸・不動産関連事業に取り組む。
リース関連の事業環境は、2008年にリーマンショックおよび新リース会計制度導入の影響から取扱高が大きく減少、その後2011年以降は下げ止まっていた。しかし2020年初頭からはコロナ禍の影響により先行き不透明な状況となっている。

同社HP トップページ>IR情報>個人投資家の皆様へ>リコーリースの基本

競合他社

事務用機器のリースを手掛ける上場企業としては8424芙蓉総合リース(2020年3月期売上高712,330百万円)8586日立キャピタル(同464,020百万円)などが挙げられる。また、非上場企業では京セラドキュメントソリューションズ株式会社(2020年3月期売上高359,900百万円)と競合する。

連結の範囲

テクノレント株式会社、東京ビジネスレント株式会社の2社が連結子会社に該当する。テクノレント株式会社は計測機器や情報関連機器のレンタル事業を営み、東京ビジネスレント株式会社は住宅ローンの保証を行う。

強み・弱み

事務用機器大手のリコーグループに所属し、同グループ国内唯一の金融事業会社として40万社の顧客を擁し、98%は中小企業で、特定企業・業界に依存しない顧客基盤を持つことや、高格付(JCRでAA-など)を維持しており、高い資金調達力をもつことなどが強み。。一方でリコーグループの国内販売及び市場シェアの低下は同社の業績に影響を与える。本リスクへの対応としてリコー関連の取扱高は全体の約4割まで低下させてきている。またリースに関する会計基準がIFRS導入に伴い変更される可能性があり、リース事業に影響を及ぼすものとみられる。

KPI

2021年3月期第3四半期の連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)における主要KPIは以下のとおり。
①営業資産(2022年度目標1兆2,000億円)
②リース取扱高(2019年度5兆3,331億円、公益社団法人リース事業協会調べ)
③集金代行サービス取扱件数1,754万件(前年同期比+102万件)
④医療・介護ファクタリング取扱高747億円(前年同期比-4億円)
⑤貸倒率(0.16%)

業績

2016年3月期以降、売上高は連続増収で同期間に1.2倍に伸長した。一方、経常利益は変動があるものの17,000百万円前後で推移している。2020年3月期はコロナ禍の影響により貸倒引当金を積み増したため、前年度比減益となった。フリーCFはリース債権や割賦債権等の増加により毎期マイナス。