7187 ジェイリースの業績について考察してみた

7187 ジェイリースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年2月に賃貸保証センター株式会社を設立し、賃貸不動産における家賃債務保証業を開始。2005年12月にジェイリース株式会社に商号変更。2016年6月に東証マザーズに上場。2018年3月に東証一部に上場。本社は大分県と東京都新宿区の2本社制。九州を地盤に家賃保証事業を展開

株主構成

有価証券報告書よると2021年3月末時点の筆頭株主は代表取締役社長兼会長の中島拓氏の資産管理会社であるJLホールディングス株式会社で24.2% 、その他は保有割合5%未満で中島拓氏、国内信託銀行信託口、ジェイリース従業員持株会、8559豊和銀行、8392大分銀行、JPモルガン証券株式会社、前代表取締役副社長の阿部兼三氏、海外金融機関が並ぶ。尚、5%ルール報告書によると、野村證券と共同保有者の保有比率が5.04%であると報告されている。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内7名、社外2名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は8392大分銀行8559豊和銀行4324電通等といった様々な経歴を持つ役員が揃う。取締役副社長2名の中島土氏と田淵悦郎氏は、8572アコムを経て同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼会長の中島拓氏は1957年9月生まれ。中央大学法学部を卒業後、1980年5月に不動産担保ローンを扱う株式会社拓成に入社。2001年4月に株式会社情報大分の代表取締役、2004年2月に同社を設立、代表取締役に就任。2007年4月に株式会社拓成の代表取締役に就任。2014年6月より同社の会長を兼任。連結子会社のあすみらい株式会社の取締役会長を兼任する。

報告セグメント

「保証関連事業」、「不動産関連事業」の2セグメントに大別される。2022年3月期第2四半期の売上高は4,369百万円で、調整前の保証関連事業が4,328百万円で太宗を占め、不動産関連事業は44百万円であった。セグメントの利益率は保証関連事業が1桁台から10%台前半で推移し、不動産関連事業はマイナス。賃貸借契約が多くなる2~4月に、家賃債務保証契約の件数も比例して増加するため、第4四半期に売上高が最も大きくなる傾向がある

事業モデル

保証関連事業では、賃貸住宅において入居希望者の家賃債務保証を引き受けて、家賃滞納時には不動産オーナーへ代位弁済等による家賃収入を保証するサービスを提供する。その他に新規事業である医療費保証サービスも含まれる。家賃債務保証サービスは一般住居を対象とした住居用家賃保証と、オフィス等を対象とした事業用賃料保証の2つに分かれる。保証料の売上構成比率は、住居用が78%で事業用が22%を占める。(2021年3月期)事業用賃貸契約では保証契約の利用率が住宅用と比べて低く、売上拡大余地が大きい。国内の事業所の新設件数は年間50万件を超えており、今後の賃貸契約における保証契約の利用率は年間10~20%の拡大が見込まれる。
医療費保証事業では、医療機関向けに入院費等の未収入金の保証サービスや、滞留未収入金の債権流動化サービスを提供する。医療機関における未収入金の催促人員の不足や法改正に伴う個人連帯保証への制限により保証ニーズが拡大している。
不動産関連事業では、連結子会社のあすみらい株式会社が外国人入居希望者向けの賃貸仲介業務や賃貸管理を不動産オーナーから受託する賃貸管理業務、不動産賃貸業務を行う。また海外投資家向けに不動産投資の仲介業務も実施する。
店舗数は2022年3月期第2四半期時点で全国に28か所。地域別では、九州に9か所、近畿中四国に5か所、東海に2か所、関東甲信越に10か所、東北北海道に2か所を展開する。

競合他社

家賃保証サービスを全国に展開する7183あんしん保証 (2021年3月期営業収益3,946百万円)、家賃保証の他に医療・介護保証サービスを提供する7191イントラスト (同売上高4,203百万円)、家賃保証サービスで国内大手の7196Casa (2021年1月期同10,226百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社3社を持つ。主要な連結子会社には、不動産関連事業を担うあすみらい株式会社が挙げられる。

強み・弱み

店舗数と従業員数の多さが強みとして挙げられる。全国の店舗数は28店舗(2022年3月期第1四半期)と競合他社と比べて2~3倍程度多く、従業員数もトップクラスである。店舗を通して地域に密着したサービス展開を実現。また、利用者に応じて保証料の支払い形態を一括払い、年払い、月払い等から選択でき、不動産事業者のニーズに合わせたカスタマイズも実施する。懸念点としては、代位弁済の増加リスクや回収率の低下リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①不動産会社協定件数と②申込件数、③保証賃料月額、④代位弁済発生率、⑤代位弁済回収率、⑥店舗数、⑦従業員数が挙げられる
①不動産会社協定件数(2022年3月期第1四半期):19,000件
②申込件数(同):46,000件
③保証賃料月額(同):33,921百万円
④代位弁済発生率(同):6.0%
⑤代位弁済回収率(同):98.6%
⑥店舗数(同):28店
⑦従業員数(同):351名

2022年3月期第1四半期 決算説明資料

業績

売上高は2017年3月期から2021年3月期にかけて単身世帯の増加に伴い、賃貸住宅の供給や入居需要が堅調に推移して約1.8倍へ増加。2021年3月期は新型コロナ流行により一時的に保証申込数が減少したものの、貸主のリスク意識の高まりにより新規契約や継続保証が増加。事業用賃料保証の需要も拡大して前期比+12.7%の増収となった。経常利益は2018年3月期と2019年3月期に、人件費や上場関係費の増加や代位弁済の増加による貸倒引当金組み入れ額の増加等が響き、損失を計上した。2020年3月期には前期の経常損失▲146百万円から経常利益105百万円に回復。2021年3月期は、業務改善や新商品の開発を実施して前期比で約7.6倍へと増益した。フリーCFは代位弁済の立替金が膨らみ、2018年3月期から2020年3月期までマイナスを推移していたが、2021年3月期にはプラスに転換。2021年3月期の自己資本比率は前期の8.3%から14.8%に改善した