3415 TOKYO BASEの業績について考察してみた

3415 TOKYO BASEの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2022.04 4,348 -5 -0.11%
FY2023.Q2 2022.07 4,548 -10 -0.22%
FY2023.Q3 2022.10 4,429 -171 -3.86%
FY2023.Q4 2023.01 5,856 401 6.85%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q1 2017.05 2,913 452 15.52%
FY2018.Q2 2017.08 2,637 211 8%
FY2018.Q3 2017.11 3,586 507 14.14%
FY2018.Q4 2018.02 3,645 404 11.08%
FY2019.Q1 2018.05 2,930 325 11.09%
FY2019.Q2 2018.08 2,803 146 5.21%
FY2019.Q3 2018.11 3,966 513 12.93%
FY2019.Q4 2019.02 4,254 421 9.9%
FY2020.Q1 2019.05 3,652 364 9.97%
FY2020.Q2 2019.08 3,238 220 6.79%
FY2020.Q3 2019.11 4,033 466 11.55%
FY2020.Q4 2020.02 4,324 245 5.67%
FY2021.Q1 2020.05 2,401 -42 -1.75%
FY2021.Q2 2020.08 3,495 -143 -4.09%
FY2021.Q3 2020.11 4,653 317 6.81%
FY2021.Q4 2021.02 4,124 75 1.82%
FY2022.Q1 2021.05 3,960 199 5.03%
FY2022.Q2 2021.08 4,211 158 3.75%
FY2022.Q3 2021.11 5,155 372 7.22%
FY2022.Q4 2022.01 4,292 217 5.06%
FY2023.Q1 2022.04 4,348 -5 -0.11%
FY2023.Q2 2022.07 4,548 -10 -0.22%
FY2023.Q3 2022.10 4,429 -171 -3.86%
FY2023.Q4 2023.01 5,856 401 6.85%

沿革

2008年12月に株式会社STUDIOUSを設立し、2009年3月に株式会社デイトナ・インターナショナルよりSTUDIOUS事業を譲受 。2015年3月にUNITED TOKYO業態を開始し、4店舗出店。2015年9月に東証マザーズに上場。2016年6月に株式会社TOKYO BASEに商号変更。2017年2月に東証一部に上場。同年9月にCITY業態を開始。2018年9月にPUBLIC TOKYO業態を開始。2019年1月にCITY業態を廃止。本社は東京都渋谷区。セレクト商品やオリジナル商品等を取り扱うファッションブランドを展開する

株主構成

2021年2月期有価証券報告書よると2021年2月末時点の大株主は、筆頭株主が代表取締役CEOの谷正人氏で23.8%、次いで取締役CFO中水英紀氏が15.5%、以降は保有割合5%未満で谷氏の資産管理会社とみられる株式会社MT Asset Management、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口、株式会社K Asset Management、株式会社AAM、株式会社日本カストディ銀行の信託口と続く。その他には国内の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、監査等委員3名 (全員社外)、監査等委員会設置会社である。取締役CFOの中水英紀氏は日本アジア投資株式会社や株式会社デイトナ・インターナショナル等を経て、2008年12月に同社を設立して現職に就任した。香港子会社の取締役と上海子会社の監事を兼任する。

代表取締役の経歴

代表取締役CEOの谷正人氏は1983年10月生まれ。中央大学商学部を卒業。2006年4月にデイトナ・インターナショナルに入社し、STUDIOUS事業を立ち上げてMBOにて独立。2008年12月に同社を設立し、現職に就任した。香港子会社の取締役や上海子会社の執行董事を兼任する。

報告セグメント

「衣料品販売事業」の単一セグメントである。2021年2月期の売上高は14,673百万円で、実店舗売上高が8,447百万円で57.6%、EC売上高が5,996百万円で40.9%、その他ファミリーセール等での売上高が229百万円で1.6%を占める。
2021年3月期の経常利益は209百万円で、連結財務諸表を作成した2020年3月期以降の経常利益率は1桁台を推移する。

事業モデル

日本発のブランドや商品にこだわり、「STUDIOUS」と「UNITED TOKYO」、「PUBLIC TOKYO」の3ブランドを展開する。
STUDIOUSでは原宿・青山・表参道エリアを中心に20~30代で流行に敏感なユーザーをターゲットにした、セレクトショップを展開。日本国内ブランドのセレクト商品や日本製のオリジナル商品を販売する。国内に25店舗、香港と中国に6店舗を出店する。
UNITED TOKYOとPUBLIC TOKYOでは、20~40代をターゲットに日本製のオリジナル商品を販売。UNITED TOKYOは国内に13店舗、香港と中国に4店舗出店しており、PUBILIC TOKYOは国内に11店舗、香港と中国に3店舗出店する。
EC販売では直営Webサイトと「ZOZOTOWN」、中国の「得物」を通して、計10店舗を運営する。「NEW MARKET TOKYO」と「TOKYO DEPARTMENT STORE」の2ブランドは、EC販売のみで取り扱う。
国内のファッションブランドや縫製メーカーから商品を仕入れ、実店舗やZOZOTOWN、香港子会社、上海子会社を通して販売する。
2021年秋以降は、現在の3ブランドに加えて、スポーツをテーマにした新アスレジャーブランドや40~50代をターゲットにした新セレクト業態の開発を目指す。既存3ブランドについては、国内都市部と中国での出店を今後強化する方針。
地域ごとの売上高では、国内が90%以上を占める

2021年2月期 決算説明会資料

競合他社

「グローバルワーク」等のカジュアルファッションブランドを展開する2685アダストリア (2021年2月期売上高183,870百万円)、セレクトショップやオリジナルブランドを手掛ける7606ユナイテッドアローズ(2021年3月期同121,712百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

香港と上海に2社の連結子会社を持つ

強み・弱み

強みとして実店舗での高い営業力が挙げられる。一般的な洋服の原価が約15~30%の中で、同社の商品の原価率は50%程度を占める 。商品は全て日本製であり、高品質な商品ラインナップが特徴。商品の仕入やPR、スタッフの採用、教育等について幅広い裁量を各店舗の店長が持ち、店舗が主体となって売上管理を担う。店舗が主体となって顧客にアプローチを行うことで、セールに頼らずに定価での販売を可能にし、高い原価率を維持する。
懸念点には、海外への出店強化による投資費用の未回収リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①販路別売上の前年同月対比と②業態別売上、③期末店舗数が挙げられる
①販路別売上の前年同月対比(2021年2月期)
②業態別売上(同)
③期末店舗数(同)

2021年2月期 決算説明会資料

業績

<b2017年2月期から2019年2月期にかけて、売上高は約1.5倍、経常利益は1.1倍に増加。連結財務諸表を作成した2020年2月期は、前期比+9.3%の増収、2021年2月期は新型コロナ流行による実店舗売上の減少をEC売上で補いきれず、前期比▲3.8%の減収となった。経常利益は2020年2月期は中国での出店コストが増加し前期比▲8.4%の減益、2021年2月期は減収に加えて、新店舗での増員による人件費の増加やEC販売強化に向けた販促費の増加が影響し前期比▲83.8%の減益となった。フリーCFは、2020年2月期まではプラスを維持していたが、2021年2月期にマイナスに転換。自己資本比率は40~50%台を推移。2021年2月期は前期の55.3%から42.5%へ大幅に減少。

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