2685 アダストリアの業績について考察してみた

2685 アダストリアの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1953年10月茨城県にて株式会社福田屋洋服店を設立、紳士服小売業を開始。1992年3月「ローリーズファーム」の展開を開始、レディースカジュアルウェア小売業に進出。2000年12月日本証券業協会に株式を店頭登録。2002年12月東証二部へ上場。2004年2月東証一部へ市場変更。2007年10月自社サイトでWEB事業を開始。2013年9月株式会社アダストリアホールディングスに商号変更し、持株会社体制に移行。2015年3月株式会社アダストリアホールディングス、株式会社ポイント、株式会社トリニティアーツの3社を合併、持株会社体制を解消。2015年6月株式会社アダストリアへ商号変更。衣料品・雑貨等の企画・製造・販売を営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年2月末時点の筆頭株主は、取締役の福田泰生氏が代表取締役を務める株式会社フクゾウで37.53%を保有。次いで、株式会社ZOZOの創業者の前澤友作氏が6.83%、愛知県の繊維商社である豊島株式会社が4.38%を保有している。そのほか、信託銀行の信託口、代表取締役会長の福田三千男氏、アダストリア従業員持株会などが並ぶ。

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、監査役は4名(社内1名、社外3名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役4名は、同社の前身である株式会社アダストリアホールディングス、株式会社ポイント、株式会社トリニティアーツなどの出身者のほか、株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)の出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の福田三千男氏は1946年7月生まれ。同志社大学を卒業後、株式会社福田屋洋服店(現 同社)に入社。創業者である福田哲三の長男。その後、株式会社アダストリアホールディングス、株式会社ポイントの代表取締役などを務め、2021年5月に現職へ就任。子会社である株式会社BUZZWIT、株式会社エレメントルールの取締役会長も兼任。

報告セグメント

「衣料品並びに関連商品の企画・販売」の単一セグメント。事業部門に基づき「商品販売事業」と「物流事業」に分けているが、部門別の業績開示はない。2021年2月期の売上高は183,870百万円、営業利益は766百万円であった。

事業モデル

商品販売事業では、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」、「レプシィム」、「ジーナシス」、「レイジブルー」などのカジュアルファッションブランドと、「ニコアンド」、「スタジオクリップ」、「ベイフロー」などのライフスタイル提案型ブランドを中心に全国展開している。また、「アプレジュール」などのEC専業ブランドや、「バビロン」、「バンヤードストーム」などの大人向けブランドも展開している。アジアや米国においてもブランド展開しており、2021年2月期時点では、国内1,332店舗、海外68店舗、合計1,400店舗となっている。中国ではコロナ直前の2019年12月上海にグローバル旗艦店niko and … SHANGHAI」をオープン、速やかな中国経済の回復もあり入店に行列をなす程大ヒットしており、南京へ2号店の開店も決定済。なお、海外子会社の売上高は連結の5%程度で、営業利益は赤字WEB事業は国内売上高構成比に占める割合は30.6%で、そのうち約半分強が自社ECである。「マルチカテゴリー」により、暮らしを取り巻く様々なカテゴリーで、ファッションを軸としたアイテムやサービスを展開する。

同社HP HOME > 企業情報 > ビジネスモデル・事業内容

物流事業では、多店舗展開するうえで効率的に商品仕入れを行うため、セントラルバイイング方式により入荷した商品の検品及び保管、タイムリーな商品出荷を行う。

アパレル業界では、外出自粛の動き、商業施設の休業や営業時間の短縮等により来店客数が大幅に減少しており、非常に厳しい営業状況となっている。個人消費動向も不透明な状況が続くなか、同社は自社EC「ドットエスティ」への集客を強化している。

競合他社

8016オンワードホールディングス(直近決算期売上高2,482億円)、TSIホールディングス(直近決算期売上高1,700億円)など、アパレル企業は多数存在する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社14社にて構成され、主に商品販売事業を行う。

強み・弱み

多彩なブランド展開に加え、企画から生産・物流・販売まで一貫した仕組みで商品を提供できる点が強み。同社は感染症の拡大を事業リスクとして挙げており、顧客のライフスタイルや志向の変化が業績に与える影響が大きい。競合企業も多く、顧客の選好にマッチした商品企画ができなかった場合、業績へ与える影響が懸念される。

KPI

2021年2月期におけるKPIとみられる開示は下記。
①国内EC売上高 538億円(前期比+123.4%)
②ブランド・地域別売上高
③商品部門別売上高
④店舗出退店等の状況

業績

2017年2月期から2021年2月期までの5期をみると、売上高は203,686百万円から183,870百万円、経常利益は15,526百万円から2,981百万円と減収減益。直近期の落ち込みが大きく、売上高は前期比▲17.3%、営業利益は同▲94.0%、経常利益は同▲76.8%となっている。新型コロナウィルスの影響による来店客数の減少などが要因とみられる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年2月期における自己資本比率は53.1%。