7581 サイゼリヤの業績について考察してみた

7581 サイゼリヤの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1968年創業者正垣泰彦氏が埼玉県で個人店舗「レストラン サイゼリヤ」を創業。1973年5月イタリアンレストラン『サイゼリヤ』を経営する株式会社マリアーヌ商会を設立。1987年4月株式会社マリアーノへ商号変更。50店舗目開店の直後1992年9月株式会社サイゼリヤへ商号変更。200店舗目を目前に1998年4月日本証券業協会へ店舗登録。1999年7月東証二部上場、2000年8月東証一部へ変更。国内での出店を加速させながら、2003年6月には上海に現連結子会社を設立し2015年6月までに中国での出店も100店舗を達成。北京、広州、台湾、香港、シンガポールへも展開し、2019年6月までに国内外店舗数は1500店舗突破

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末日時点の大株主は、創業者で代表取締役会長の正垣泰彦氏が筆頭株主で30.96%、次いで株式会社バベットで8.8%、サイゼリヤ従業員持株会3.6%、日本マスタートラスト投信の信託口で2.5%、日本カストディ銀行の信託口2.2%、このほかにも国内の銀行、信託銀行が並び機関投資家の保有が多い。外国人保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、うち3名(社内1名、社外2名)は監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役海外事業本部長の長岡伸氏はプロパー出身者で、1996年11月より取締役へ就任。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の正垣泰彦氏は1946年1月生まれ。東京理科大学卒業後、1967年洋食店「サイゼリヤ」を譲り受けたことから始まり、沿革欄に前述の通り代表者として事業を展開してきた。1973年5月に同社の前身である株式会社マリアーヌ商会を設立し代表取締役社長へ就任し、2009年4月から現職へ就任。2019年旭日中綬章受賞
代表取締役社長の堀埜一成氏は1957年2月生まれ。京都大学大学院卒業後、1981年4月味の素株式会社へ入社。2000年4月に同社へ入社、11月より取締役へ就任。2009年4月現職へ就任。

報告セグメント

「日本」、「豪州」、「アジア」の3報告セグメントに大別される。2021年12月期第1四半期の売上高33,881百万円の構成比は日本が23,422百万円で69.1%、豪州が39百万円で0.1%、アジアが9,334百万円で27.5%を占める。豪州はグループ内で使用する食材の製造拠点のため規模が小さい。セグメント利益率が約5%の日本に対し、アジアは10%と採算性が異なり、利益の太宗を海外事業で稼ぐ

事業モデル

低価格帯のイタリアレストラン『サイゼリヤ』を全国に1,078店舗展開し、『スパゲティ・マリアーノ』を始めとするファストフード店を11店舗運営。国内の5工場では、店舗で使用する食材の製造等を行う。海外へも事業展開しており、豪州では2000年から同社で使用する食材を製造し、アジア各国ではレストラン『サイゼリヤ』の店舗を展開。海外店舗は2020年8月末時点で合計433店舗で、上海143店舗、北京114店舗、台湾16店舗、北京84店舗、香港47店舗、シンガポール29店舗。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、先行き不安による個人消費の低迷が懸念される中、外食産業も厳しい経営状況にある。

競合他社

ガスト・ジョナサン・夢庵等を経営する3197すかいらーくホールディングス(2020年12月期売上収益288,434百万円)、スパゲティ・パスタ等のイタリアンレストランをチェーン展開するジョリーパスタ(7550ゼンショーホールディングスの完全子会社化。2019年3月期売上高21,150百万円)、ファミリーレストラン「ロイアルホスト」を経営する8179ロイアルホールディングス(2020年12月期売上高84,304百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は海外7社。同社で使用する食材の製造を担う豪州の1社に加え、アジアに同社と同様の営業形態を持つ6社を展開。

強み・弱み

生産から消費までの過程を徹底的に効率化・システム化し低価格を実現し、高校生からサラリーマン、ファミリーまで幅広い層の支持を得ていることが強み。中国を中心としたアジア圏でも、味・量・値段で消費意欲が旺盛な若年層の需要を取り込んでいる。また、アルコール類を豊富に揃え、内装や調度品に工夫を施し他社と差別化を図っている。長期にわたり消費者のデフレマインドが強い日本では、原材料や労務コストの上昇を価格に転嫁することが難しい。低価格帯で展開する同社にとって少子高齢化による需要の減退や労働力不足のコスト上昇などをどのように吸収するかは課題である。

KPI

2020年度はコロナ禍の影響を受けているが、以下がKPIとなりうる。
①店舗数:2020年8月期末 国内1,078店舗、海外433店舗、合計1,517店舗(前期比+13店舗
②月次の既存店 客数前期比:2021年1月期末 +3.3%
③月次の既存店 客単価前期比:2021年1月期末 +1.8%

業績

コロナ影響を受けた2020年8月期を除き売上高は過去10年安定的な成長を継続し増収で推移してきた一方、営業利益は50億円から120億円のレンジで増減してきた。2020年8月期は営業損失3,815百万円と赤字決算となった。営業CFは安定してプラス、投資CFは新規出店のため営業CFの半分程度の金額で恒常的にマイナス、財務CFは変動がある。2021年8月期第1四半期の自己資本比率は64.9%