3395 サンマルクホールディングスの業績について考察してみた

3395 サンマルクホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1989年3月に株式会社大元サンマルクを岡山県に設立し、4月に焼き立てパンがウリの洋食レストラン第一号店を開店してレストラン事業を開始 。1990年7月に株式会社サンマルクに商号変更。1999年3月にコーヒーショップ「サンマルクカフェ」の一号店を開店。2002年4月に東証二部に上場。2003年3月に東証一部に上場。2005年11月に株式会社サンマルクホールディングスに商号変更。2005年12月に株式会社サンマルクが東証一部から上場廃止し、2006年1月に株式会社サンマルクホールディングスが東証一部に上場。同年3月に持株会社制に移行。本社は岡山県。コーヒーショップやレストランを全国に展開する

株主構成

2021年3月期有価証券報告書よると2021年3月末時点の大株主は、筆頭株主が前代表取締役社長の片山直之氏の妻である片山智恵美氏で19.8%、次いで株式会社日本カストディ銀行が7.8%、以降は保有割合5%未満で創業家の資産管理会社とみられる株式会社クレオ、日本マスタートラスト信託銀行株式会社、8382中国銀行、8001伊藤忠商事、ニューヨークメロン銀行、JPモルガン・チェース銀行と続く。その他には海外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は9名(社内7名、社外2名)、監査役4名 (全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役にプロパーはおらず、8178マルエツや9622スペース、有限責任あずさ監査法人、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社等の多様な経歴を持つ取締役が揃う。それぞれ事業開発本部やSSC本部、店舗開発本部等を統括する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の難波篤氏は1978年9月生まれ。岡山大学工学部を卒業後、2007年12月に有限責任監査法人トーマツに入所し、2012年6月に同社に入社。2018年4月に執行役員を経て、2020年6月に現職に就任した。公認会計士資格を保有する。

報告セグメント

「レストラン事業」、「喫茶事業」、「その他事業」の3セグメントに大別される。2021年3月期第1四半期の売上高は10,421百万円で、レストラン事業が5,431百万円で52.1%、喫茶事業が4,949百万円で47.5%、その他事業が40百万円で0.4%を占める。2021年3月期は3セグメントとも損失を計上したが、利益率はレストラン事業と喫茶事業は1桁後半から10%台前半、その他事業はマイナスを推移してきた。

事業モデル

レストラン事業では、洋食レストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」や高級回転ずし「すし処函館市場」、イタリアンレストラン「生麺工房鎌倉パスタ」等の複数業態のレストランを全国に展開する。洋食から和食、中華、イタリアンまで幅広い領域で展開し、セントラルキッチンを設けずに店内で調理を行うファブレス主義を採用。鮮度の高いメニュー提供と柔軟なメニュー変更に対応できる体制を整える。
喫茶事業では、コーヒーショップ「サンマルクカフェ」と「倉式珈琲」を全国に展開する。サンマルクカフェは374店舗、倉式珈琲は64店舗を全国に出店し、不採算店舗の撤退と採算立地への出店による収益性の改善を図る。
両事業ともに実店舗の運営は各業態の連結子会社が担い、同社は持株会社として各連結子会社の統括管理やグループ内で商品・サービスの提供を行う。
レストラン事業と喫茶事業を合わせると出店実績は全国に864店舗(2021年3月期)に上り、その95%が直営店である。2026年3月期にかけて950店舗の出店を目指す

2022年3月期~2026年3月期中期経営計画)

今後はテイクアウトやデリバリー向け商品の開発を進め、非外食領域への進出を狙う。また内食事業向けに冷凍食品の開発を行い、2022年3月期中の発売を目指す
主要仕入れ先は株式会社タカキベーカリーで、連結仕入れ高に占める取引高の割合が11.7%を占める。(2021年3月期)

競合他社

「ドトール」や「星野珈琲」を展開する3087ドトール・日レスホールディングス (2021年2月期売上高96.141百万円)、「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開する8179ロイヤルホールディングス(2020年12月期同84,304百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社7社と非連結子会社3社を持つ 。連結子会社の内、5社がレストラン事業を担い、2社が喫茶事業を担う。レストラン事業を担う株式会社バケットと株式会社鎌倉パスタ、喫茶事業を担う株式会社サンマルクカフェは、連結売上高に占める売上高の割合がそれぞれ10%以上を占める。

強み・弱み

強みとして効率的なオペレーションシステムの構築が挙げられる。セントラルキッチンを設けないファブレス主義を採用する同社では、鮮度の高い商品提供を可能とする店内調理を活かした研修やメニュー開発を行い、効率的な店舗運営の仕組みづくりを整える。また細部に至るマニュアル化や厨房レイアウトの最適化を図ることで、全店で画一的で高品質なサービス提供を実現する。懸念点には、外食事業を中心にしたビジネスモデルのため、ターゲット層の偏りによる売上高への影響や、最低賃金上昇による各店舗での人件費の上昇リスク、食の安全性のリスクなどが挙げられる。

KPI

KPIには①既存店売上高前年比推移と②出退店数が挙げられる
①既存店売上高前年比推移(2021年3月期)

2021年3月期 決算説明会資料

②出退店数(同)
2021年3月期 決算説明会資料

業績

売上高は2017年3月期から2019年3月期にかけては店舗数の増加により、微増ながら売上高は+3.8%増加した 。2019年3月期から2021年3月期にかけては2期連続減収で約3割収益力が低下した。2021年3月期は新型コロナ流行による休業や時短営業の影響を受けて国内の外食需要が減少し、前期比▲36.2%の減収となった。経常利益は2017年3月期から2020年3月期にかけては、最低賃金上昇による人件費の増加等、販管費が嵩んだことから約4割強減少した。2020年3月期の4,300百万円の利益から、2021年3月期は▲3,623百万円の損失に転じた。フリーCFはプラスを推移していたが、2021年3月期はマイナスに転換。2021年3月期の自己資本比率は67.5%。前期の81.6%から大幅に悪化。