3087 ドトール・日レスホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年10月、日本レストランシステム株式会社と株式会社ドトールコーヒーが経営統合して共同持株会社を設立、東証1部に上場した。その後業容拡大に向けて2088年8月子会社D&Nコンフェクショナリー株式会社を設立、2008年12月子会社D&Nカフェレストラン株式会社を設立、2009年10月株式会社サンメリーを子会社化、2011年8月子会社D&Nインターナショナル株式会社を設立、2016年9月株式会社プレミアム&ティーの営業を開始した。日本レストランシステムグループのレストランチェーン、ドトールコーヒーグループのコーヒーチェーンを主力としている

株主構成

有価証券報告書によると、2020年8月31日現在の筆頭株主は現代表取締役会長の大林豁史氏(自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合15.32%)、次いで大林氏の配偶者の企業である株式会社マダム・ヒロ(同8.44%)である。なお外国人所有割合は2020年2月29日現在で16.60%となっている。

取締役会

取締役10名(社内8名、社外2名)で構成されている。監査役会設置会社で、監査役会は4名(うち社外監査役2名)で構成されている。社内取締役のうち、4名がドトール出身者で、4名が日本レストランシステム出身者。 JAL出身者で日本レストランシステムへ入社した橋本邦夫を除きプロパー出身者で構成される。社外取締役の河野雅治氏は外務省出身で、三井住友フィナンシャルグループ(8316)の社外取締役も務めている。大塚東氏は三菱銀行(現三菱UFJ銀行)出身である。社外監査役の浅井廣志氏は運輸省(現国土交通省)や日本貨物鉄道株式会社専務取締役などを経て同社監査役に就任、松本省蔵氏は厚生省(現厚生労働省)出身である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の大林豁史氏は1944年8月生まれ。1973年8月株式会社ボルツ・ジャパン(2001年6月日本レストランシステムと合併を)設立、その後日本レストランシステム代表取締役社長および会長を経て、2007年10月代表取締役会長、2008年5月取締役、2016年5月代表取締役会長に就任(現任)した。
代表取締役社長の星野正則氏は1959年10月生まれ。1983年4月ドトールコーヒー入社、ドトールコーヒー取締役副社長を経て、2007年10月取締役、2008年5月代表取締役社長に就任(現任)した。

報告セグメント

「日本レストランシステムグループ」、「ドトールコーヒーグループ」、「その他」としている。2021年2月期の売上構成比は日本レストランシステムグループが34.3%、ドトールコーヒーグループが60.5%、その他が5.3%だった。なお2021年2月期は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う店舗臨時休業・時短営業等の影響を受けた。

事業モデル

日本レストランシステムグループは「星乃珈琲」や「洋麺屋五右衛門」を中心とするレストランチェーン、ドトールコーヒーグループは「ドトールコーヒーショップ」や「エクセルシオールカフェ」を中心とするコーヒーチェーンを、直営店およびFCで展開している。その他は洋菓子やパンの製造販売などを展開している。海外はシンガポール、台湾、韓国において直営店を展開している。

DN Report Vol.22 <2021年2月期 第2四半期報告書>

競合他社

レストランチェーン、コーヒーチェーンとも競争が激しい市場である。レストランチェーンは外食産業全体(ファミレス、ファーストフード、定食・居酒屋チェーンなど)が競合する。コーヒーチェーンの競合には、非上場でスターバックスコーヒー、タリーズコーヒー、シーユナイテッド(カフェ・ベローチェや珈琲館などを運営)など、上場企業でユニカフェ(2597)、サンマルクホールディングス(3395)、コメダホールディングス(3543)、銀座ルノアール(9853)などがあり、飲料(コーヒー)メーカーとも競合する。

連結の範囲

2020年2月期末時点でグループは同社(共同持株会社)、子会社24社、関連会社3社で構成されている。主要連結子会社は株式会社ドトールコーヒー、日本レストランシステム株式会社である。D&Nコンフェクショナリー株式会社は洋菓子の製造販売、株式会社サンメリーはパンの製造販売を展開し、D&Nインターナショナル株式会社は海外事業を統括している。

強み・弱み

「ドトールコーヒー」は日本初の立ち飲みコーヒーショップチェーンとしてスタートし、従来型の喫茶店を駆逐する形で成長した。代表的なコーヒーチェーンとしてブランド力も高い。しかし近年は、スターバックスコーヒーなどのシアトル系コーヒーチェーンや、コメダホールディングス(3543)などの新興勢力に押されて競争力が低下している。レストランチェーンはややブランド力に欠ける。リスク要因としては、競合、食品安全性、コーヒー生豆価格変動、大規模自然災害・感染症などがある。新型コロナウイルス感染症拡大では店舗臨時休業・時短営業の影響を受けた。

KPI

2021年2月期末時点の店舗数は、ドトールコーヒーがFC938店舗含む小計1,293店舗(ドトール1,081店舗、エクセルシオール124店舗など)、日本レストランシステムがFC35店舗含む小計677店舗(星乃珈琲店267店舗、洋麺屋五右衛門200店舗など)、その他42店舗で国内合計2,012店舗、および海外24店舗だった。
国内店舗数の推移を見ると、日本レストランシステム(小計)は2017年2月期563店舗から2021年2月期677店舗に増加しているが、ドトールコーヒー(小計)は2017年2月期1,349店舗から2021年2月期1,293店舗に減少している。競争力低下を示す数値だろう

業績

2016年2月期から2020年2月期の5期間の連結業績の推移を見ると、営業収益は2016年2月期の124,796百万円から2020年2月期の131,193百万円、経常利益は2019年2月期の9,491百万円から2020年2月期の10,287百万円まで、売上、利益とも微増にとどまり、伸び悩み状況となっている。なお2021年2月期は新型コロナウイルス感染症の影響で売上が大幅に減少し、各利益は赤字だった。
自己資本比率は概ね80%前後で推移している。営業キャッシュ・フローは2021年2月期に支出超となったが、2020年2月期まで継続して収入超を維持している。一時的に新型コロナウイルスの影響を受けたが、基本的には財務健全性は高いと言えるだろう。
新型コロナウイルスの影響は一時的要因と考えることも可能だが、近年の伸び悩みから脱するためには既存店の活性化に加えて、M&Aも活用した新業態の開発・収益化が課題