4564 オンコセラピー・サイエンスの業績について考察してみた

4564 オンコセラピー・サイエンスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 95 -762 -802.11%
FY2022.Q4 2022.03 818 -342 -41.81%
FY2023.Q1 2022.06 385 -307 -79.74%
FY2023.Q2 2022.09 129 -311 -241.09%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 52 -809 -1555.77%
FY2018.Q1 2017.06 200 -593 -296.5%
FY2018.Q2 2017.09 1 -832 -83200%
FY2018.Q3 2017.12 2 -792 -39600%
FY2018.Q4 2018.03 8 -771 -9637.5%
FY2019.Q1 2018.06 13 -712 -5476.92%
FY2019.Q2 2018.09 11 -1,013 -9209.09%
FY2019.Q3 2018.12 223 -421 -188.79%
FY2019.Q4 2019.03 33 -807 -2445.45%
FY2020.Q1 2019.06 55 -617 -1121.82%
FY2020.Q2 2019.09 49 -601 -1226.53%
FY2020.Q3 2019.12 57 -517 -907.02%
FY2020.Q4 2020.03 155 -454 -292.9%
FY2021.Q1 2020.06 41 -399 -973.17%
FY2021.Q2 2020.09 59 -439 -744.07%
FY2021.Q3 2020.12 60 -428 -713.33%
FY2021.Q4 2021.03 172 -371 -215.7%
FY2022.Q1 2021.06 93 -571 -613.98%
FY2022.Q2 2021.09 147 -377 -256.46%
FY2022.Q3 2021.12 95 -762 -802.11%
FY2022.Q4 2022.03 818 -342 -41.81%
FY2023.Q1 2022.06 385 -307 -79.74%
FY2023.Q2 2022.09 129 -311 -241.09%

沿革

2001年4月東京都にてオンコセラピー・サイエンス株式会社設立。同年5月東京大学医科学研究所と共同研究を開始。2003年12月東証マザーズ上場。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授の研究成果(シーズ)を事業化することを目的に設立された研究開発型ベンチャー企業

株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末時点の筆頭株主は、中村祐輔氏で6.49%を保有。以降5%未満の保有で、同社監査役や同社研究に携わっていると考えられる大学教授などの個人名、特定有価証券信託受託者、国内証券会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役は後述の代表取締役のほか、2022年7月まで代表取締役を務めていた朴在賢氏、金融を経て建設関連企業を創業した加藤肇夫氏、徳島大学先端酵素学研究所所長も務める片桐豊雅氏などで構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の嶋田順一氏は1961年6月生まれ。1981年4月株式会社シマダ器械入社、代表取締役も務めた。現在は取締役会長を務めるほか、株式会社ラボサイクル取締役、Science Hub Services PTE Ltd. Singapore取締役、株式会社Cancer Precision Medicine代表取締役を兼任する。同社へは2021年12月に経営企画室長として参画。取締役を経て、2022年7月より代表取締役を務める

報告セグメント

「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」(以降、医薬品の研究及び開発事業)および「がんプレシジョン医療関連事業」の2報告セグメントに大別される。2023年3月期第2四半期累計期間の事業収益は514百万円、うちがんプレシジョン医療関連事業が98%を占めた。全社費用控除前の営業利益は両事業とも赤字で、各▲382百万円、▲48百万円だった。

事業モデル

分子標的治療薬、がんペプチドワクチンなどを用いた患者にとってより副作用が少ないがん治療薬の研究及び開発を行う。分子標的治療は、体内の特定分子を狙い撃ちしてその機能を抑える治療法。ターゲットとなる分子を特定することで効果の向上や副作用の軽減が図れる。同社はがん細胞増殖に関わる分子を標的とし、これを攻撃することで細胞のがん化進行を止める「がんペプチドワクチン」などを用いた治療法の確立をめざす。現在は4507塩野義製薬と食道がん患者を対象にした第3相臨床試験実施に関する覚書を締結するなど、KPIで示す図の通り複数のパイプラインを持つ。
がんプレシジョン医療関連事業は、がん遺伝子の解析検査ならびに各種解析サービスの共同研究や事業化、がん免疫療法の研究開発を2017年に設立した子会社Cancer Precision Medicine(CPM)を中心に行っている。

同社HP TOP>研究開発>研究領域>がんペプチドワクチン

医薬品の研究及び開発事業における同社収入は研究活動により得られる医薬品候補物質を製薬企業等に対して提供することで得られるもの。研究開発段階の契約一時金、研究協力金、開発協力金、マイルストーン、提携対象の製品が上市に至った際の、売上高に応じて支払われるロイヤリティ収入がある。

事業計画及び成長可能性に関する事項

抗がん剤市場を取り巻く環境は、高齢化の進行やがん診断による早期発見の増加などから市場が拡大、それ故に参入企業、競合企業が増加している。製薬関連メーカーのみならず異業種からの参入も見えており、こうした異業種間の連携を通じ技術革新等が飛躍的に向上、同社を取り巻く事業環境に急激な変化をもたらす要素を内包するものと考えられる。

競合他社

抗がん剤やがん治療薬を手掛けるバイオベンチャーとしては、4575キャンバス(2022年6月期売上高ゼロ)、4597ソレイジア・ファーマ(2021年12月期売上高559百万円)、4588オンコリスバイオファーマ(同642百万円)、4582シンバイオ製薬(同8,256百万円)、4598Delta-Fly Pharma(2022年3月期売上高300百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

抗体医薬の研究開発を行うイムナス・ファーマ株式会社とがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う株式会社Cancer Precision Medicineの2社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

がん免疫療法開発に関して持つ様々なノウハウが同社の強み。2018年度の調査では「がん免疫療法」全体で世界20位、「がんワクチン療法」分野で世界3位の特許出願件数を誇る。一方で抗がん剤市場は異業種を含め参入企業が増加しており、上市後に期待していたほどの市場規模を確保できない可能性がリスクとして存在する。またバイオベンチャー全般の課題だが、医薬品開発は長期化・大規模化の傾向にあり、延期や資金繰りによっては開発が中止となる可能性が常に考えられる。

KPI

パイプラインがKPIとなる。進捗・スケジュールは下図の通り。

同社HP TOP>研究開発>パイプライン

業績

2016年3月期以降、事業収入は200~300百万円台の推移が続いていたが、2022年3月期は受託検査サービスの収入増加により1,153百万円だった。営業損失は▲2,000百万円前後だが、徐々に赤字幅が縮小している。フリーCFは定期預金の解約により投資CFが大幅プラスだった2016年3月期以降は恒常的にマイナス。2021年3月期末時点自己資本比率は70.6%。有利子負債は無いものの、累積損失の積み重なりから低下している。

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