4588 オンコリスバイオファーマの業績について考察してみた

4588 オンコリスバイオファーマの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q4 2021.12 324 -491 -151.54%
FY2022.Q1 2022.03 193 -384 -198.96%
FY2022.Q2 2022.06 233 -274 -117.6%
FY2022.Q3 2022.09 358 -279 -77.93%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 15 -235 -1566.67%
FY2017.Q2 2017.06 4 -274 -6850%
FY2017.Q3 2017.09 10 -259 -2590%
FY2017.Q4 2017.12 200 -310 -155%
FY2018.Q1 2018.03 33 -302 -915.15%
FY2018.Q2 2018.06 57 -341 -598.25%
FY2018.Q3 2018.09 28 -272 -971.43%
FY2018.Q4 2018.12 50 -332 -664%
FY2019.Q1 2019.03 48 -364 -758.33%
FY2019.Q2 2019.06 573 89 15.53%
FY2019.Q3 2019.09 19 -311 -1636.84%
FY2019.Q4 2019.12 663 75 11.31%
FY2020.Q1 2020.03 70 -287 -410%
FY2020.Q2 2020.06 66 -373 -565.15%
FY2020.Q3 2020.09 71 -507 -714.08%
FY2020.Q4 2020.12 107 -507 -473.83%
FY2021.Q1 2021.03 62 -349 -562.9%
FY2021.Q2 2021.06 131 -284 -216.79%
FY2021.Q3 2021.09 125 -330 -264%
FY2021.Q4 2021.12 324 -491 -151.54%
FY2022.Q1 2022.03 193 -384 -198.96%
FY2022.Q2 2022.06 233 -274 -117.6%
FY2022.Q3 2022.09 358 -279 -77.93%

沿革

2004年3月、腫瘍溶解ウイルスの開発及び分子標的抗腫瘍薬の開発を目的に、オンコリスバイオファーマ株式会社設立同社の主力製品であり、がん治療に利用される腫瘍溶解性ウイルス製剤OBP-301(同社登録商標「テロメライシン」)に関して、2006年10月の米国における第1相臨床試験(以下、P1)開始、2012年4月の米国特許成立、2017年7月の米国におけるP2開始などが実現し、中外製薬からテロメライシンに関するマイルストーン受領等があったが、2021年12月に同社とのライセンスは解消された。株式は2013年12月に東証マザーズ上場、2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。がん治療、抗HIVなどをターゲットに、特定ウイルスを活用した新薬の開発を事業とする創薬系バイオベンチャーである

株主構成

有価証券報告書によると、2022年6月末時点で5%以上を保有する株主はないが、ライセンス契約を締結している4503アステラス製薬が筆頭株主で4.19%を保有。以降国内信託銀行信託口、同社代表取締役、国内証券、4519中外製薬、個人株主、2020年12月に資本業務提携契約を締結した7747朝日インテックなどが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(1名は社内で常勤、2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、製紙会社、製薬会社などの出身。社外取締役には、2914JT出身者が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の浦田泰生氏は1955年10月生まれ。京都薬科大学大学院修了後、1983年4月に4528小野薬品工業入社。1994年8月には2914JT入社、研究開発企画部長、医薬品事業部調査役などを歴任。2004年3月、同社を設立し代表取締役社長に就任、現在に至る

報告セグメント

「創薬事業」の単一セグメント。2022年12月期第2四半期累計期間の売上高426百万円は全額が4519中外製薬からのテロメライシン開発協力金収入によるもの。

事業モデル

創薬ベンチャーではあるが、同社では創薬プランを開発、その製造や前臨床試験および臨床試験はアウトソーシングする、いわゆるファブレス経営による医薬品開発を行っており、研究開発費用の効率化、期間短縮を図っている。例えば、がんや重症感染症などの難病を対象とする医薬品候補を大学等の研究機関や企業から導入し、臨床開発の初期段階をアウトソーシングによって推進。その品目の製品的価値の初期評価であるProof of Concept(POC)を行った上で、大手製薬企業・バイオ企業等にライセンス許諾を行う。これによる契約一時金、開発進捗に応じたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入の獲得を収益モデルとする。

公式ウェブサイト内「事業概要」>「ビジネスモデル」

主力製品テロメライシンは、目的に合致するよう遺伝子組換したウイルスでがん細胞を破壊する、一種の抗がん剤である。当該ウイルスは、がん細胞内に侵入・増殖するため投与量が相対的に少なくて済むこと、正常細胞に対する攻撃性は弱いことなどの理由で、テロメライシン療法は患者への負担を軽減できると期待される

公式ウェブサイト内「パイプライン」>「テロメライシン®(OBP-301)」

競合他社

遺伝子組換ウイルスを用いたがん治療については、大学等の研究機関における基礎研究は比較的活発であるものの、実用化へ向けた動きは初動の段階にある。このような状況下、4568第一三共(2022年3月期売上高1,044,892百万円)は、「がん治療用ウイルスG47Δ」(一般名teserpaturev)の膠芽腫(悪性神経膠腫の一種)を対象としたP2を完了し、再生医療等製品製造販売承認申請済み(国内)など、ベンチャーではないものの一部製品で競合し得る。また、ウイルス製剤以外へも範囲を広げれば、抗がん剤開発を目的とする創薬系バイオベンチャーという共通点から、4564オンコセラピー・サイエンス(同1,153百万円)、4565そーせいグループ(2021年12月期売上高17,712百万円)なども競合の可能性あり。

連結の範囲

同社は、連結子会社を持たない。非連結子会社に関しては、重要性が乏しいとの理由で詳細は非開示。

強み・弱み

ウイルス製剤に早期から着目し複数の製品を同時開発している点は、実用化を目指す上で有利。シーズ発掘とアウトソーシング活用によって開発期間の短縮や事業の合理化を図り、創薬ベンチャー特有のリスクを低減している点も強み。
しかしながら創薬ベンチャー全体のリスクとして、副作用等の理由による開発中止あるいは承認拒否など、計画が頓挫するリスクは他業種に比較して大きい。

KPI

製品上市前のため販売実績等のKPIは得られていないが、各製品の開発進捗状況などはKPI的指標と見なせる。

2022年12月期中間決算説明会 資料

業績

いずれの製品も上市に至っていないため、先行投資を回収できない状況にある。赤字幅も年々拡大傾向で、2021年12月期の営業損失は▲1,454百万円。2022年12月期も同程度の赤字幅を見込んでいる。フリーCFはマイナス。有利子負債を毎期5億円前後計上しており、2021年12月期の自己資本比率は83.5%

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