4591 リボミックの業績について考察してみた

4591 リボミックの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2003年8月、東京大学医科学研究所の教授中村義一の研究成果を利用した医薬品開発を目的に株式会社リボミックを設立。2005年3月にRNAアプタマーを利用した新規医薬品の開発を本格的に開始する。2008年に大塚製薬株式会社と長期共同研究契約を締結するなど国内外製薬会社と研究契約を締結する。2014年9月に東証マザーズ上場。創薬プラットフォーム系(新薬開発を自社で行うのみならず、新薬のタネを他の製薬会社に供与する)バイオベンチャーとして事業を行う。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、研究契約を結ぶ大塚製薬株式会社で14.33%を保有。以降は保有割合5%未満で全薬工業株式会社や藤本製薬株式会社などの製薬会社 、証券会社、同社取締役などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

2021年6月30日時点で取締役6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、三井住友銀行等金融業界経験者の大岩久人氏と代表取締役の親族中村恵美子氏の2名。社外取締役は元参天製薬研究開発本部長西畑利明氏、元武田薬品工業主席研究員でベンチャーキャピタルファンドNewton Biocapitalなどに所属する森俊介氏東京慈恵会医科大学教授松藤千弥氏の3名。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の中村義一氏は1947年11月生まれ。1972年に京都大学卒業後、同大学大学院に進学し1977年博士課程修了、理学博士となる。1978年4月東京大学医科学研究所助手になる。助教授を務めた後、2000年10月より同研究所教授に。2005年から同社取締役最高技術責任者に就任、2012年4月より代表取締役を務め、2020年6月からは研究開発本部長も兼任する

報告セグメント

「創薬事業及びこれに付随する事業」の単一セグメント。2021年3月期の事業収益は91百万円、営業利益は▲1,239百万円だった。主な収入源は年度により変化するが、2021年3月期については国立研究開発法人国立循環器病研究センターからの薬剤開発委託による収入が82百万円あった。

事業モデル

抗体に継ぐ次世代新薬として期待されているアプタマー(拡散医薬の一種)に特化して医薬品の研究開発を行う。同社に蓄積されたアプタマー創薬に関する技術、知識、経験、ノウハウ等からなる同社独自の創薬プラットフォーム「RiboARTシステム」を活用し、疾患や標的タンパク質に限定されない様々な新薬を創製する事業を展開している。また同社は、創薬探索から臨床開発まで実施できる企業へと成長する事を目標とし、数年前より一部の自 社製品については自社にて臨床試験を実施、POC(Proof of Concept)を取得した後にライセンス・アウトすることを事業スキームに加えている。

同社HP TOP>事業内容>アプタマー創薬技術

同社の収入は自社創薬した製品を製薬企業にライセンス・アウトすることで得るライセンス収入と、製薬企業との共同研究による共同研究収入の2つから構成される。
同社HP TOP>事業内容>ビジネスモデル

現在は自社創製したRBM-007が重点開発プログラムとして、2つの適応症別のプロジェクト「滲出型加齢黄斑変性症(wet AMD)」と「軟骨無形成症」で開発を進めている。wet AMDは現在2021年12月試験完了予定の第2相臨床試験を実施中。軟骨無形成症は2020年7月から第1相臨床試験を開始している。尚、いずれの適応症もアンメットニーズの高い疾患 で、本プロジェクトは2021年度から3年間AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業として実施されている。

競合他社

新薬のタネを他の製薬企業等に提供するプラットフォーム系バイオベンチャーとしては、4587ペプチドリーム(2020年12月期売上高11,677百万円、689,055百万円)、4571ナノキャリア(2021年3月期売上高313百万円、22,223百万円)、4583カイオムバイオサイエンス(2020年12月期売上高480百万円、11,000百万円)、4572カルナバイオサイエンス(2020年12月期売上高1,133百万円、16,753百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は持たないが、非連結子会社として2017年8月米国における臨床試験実施を目的としたRIBOMIC USA Inc.を設立している。

強み・弱み

特定の限られた化合物を開発するのではなく、創薬プラットフォーム「RiboARTシステム」から様々な疾患領域や創薬ターゲットの新薬候補を創出できること、これを自社創薬のみならず他社にも提供できることが同社の強み。一方でバイオベンチャー全般の課題だが、医薬品開発は長期化・大規模化の傾向にあり、延期や資金繰りによっては開発が中止となる可能性が常に考えられる。

KPI

パイプラインがKPIとなる。RBM-007が重点開発プログラム。2つのテーマに分かれ、wet AMDは2021年12月に第2相臨床試験完了予定。

2021年3月期第4四半期決算説明会資料

業績

事業収益は受託金額や件数で変動、直近2021年3月期は91百万円。利益面では上場来1期を除いて赤字が続き、営業損失は毎期▲1,000百万円前後。フリーCFは営業CFが恒常的にマイナスのため、定期預金払戻しにより投資CFのプラス幅が大きかった1期を除きマイナス。有利子負債も1期を除きゼロで、2021年3月期の自己資本比率は98.0%だった。