4880 セルソースの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

セルソース事業概要

セルソース株式会社は、東京都に本社を置くバイオベンチャー企業であり、再生医療関連事業を展開し、医療機関向けに、関連する法規対応のサポートや脂肪由来幹細胞・血液等の加工受託サービスを提供している。現在の主な事業対象領域は整形外科(変形性関節症、スポーツ外傷等)、形成外科(乳房再建)、産科・婦人科(不妊治療)である。もう一つの事業の柱として、スキンケア化粧品「Signalift(シグナリフト)」等を販売するコンシューマー事業も展開している点が特徴である。同社は2015年に医師である山川氏と裙本理人氏が創業した企業であり、事業セグメントは再生医療に関する医療機器販売が中心である「再生医療関連事業」と、化粧品や美顔器販売が中心の事業である「コンシューマー事業」から構成される。各セグメントの売上高構成比率は、再生医療関連事業が74%、コンシューマー事業が24%となっている。
同社は2019年10月、東証マザーズへ上場している。主な事業領域は整形外科(変形性関節症、スポーツ外傷等)であったが、2019年4月より大学附属病院と提携するなどして産婦人科領域にも進出している。
他にも様々な機関や企業との共同研究を行っており、自治医科大学とのMuse様細胞に関する共同研究、ロート製薬・提携医療機関との共同研究を行っている点が特徴で、外部の機関との積極的な提携が注目される。役員構成はCEOの裙本理人氏以下、2名の取締役、社外取締役、常勤監査役、および監査役2名で構成されておりシンプルな機関設計になっている。
業績に関しても順調であり、コロナ禍にもかかわらず、2020年第3四半期の累計売上は1,312百万円と前年同期の1,172百万円を上回っている。
営業利益でも、2017年10月期においては159百万円だったのが、2018年10月期には295百万円、2019年10月期には326百万円、2020年10月期には415百万円と順調に増加している。
主要KPIで見ても、提携医療機関数は2020年10月期には500院を超え、2019年10月期の300院、2018年10月期の150院弱を大きく上回っており年々成長していることが分かる。加工受託件数も順調に増加しているので、バイオベンチャーとして高い成長率を実現している企業であるといえよう

再生医療関連事業

再生医療関連事業では加工受託サービスまたはコンサルティングサービス、関連する書類作成サポートやコンプライアンス対応サービスを中心に展開しており、提携医療機関との契約数が重要なKPIになる。特に最近では脂肪由来幹細胞加工受託サービスと血液由来加工受託サービスが好調であり、売上高で見ても、2019年10月期には1,199百万円と前期比55%増、セグメント利益は602百万円と前期比41%増になっている。当該セグメントは同社の競争力の源泉でもあり、高い利益率を有しているので、提携医療機関とサービスの質の維持が今後の事業運営を行う上で非常に重要になるものと推察される。なお当該事業ではコンシューマー事業とは異なり2019年10月期においては15百万円の減価償却費が計上されているので一定の設備投資負担がありうる点に留意すべきであろう。

コンシューマー事業

コンシューマー事業では、大手ドラッグストアのトモズにおける自社化粧品ブランド「シグナリフト」の販売開始により好調である。一歩で化粧品ECなどの広告環境変化をうけウェブでのビジネスについて価格戦略を中心に見直しを行っている最中である。
この結果、コンシューマー事業セグメントでの、2019年10月期には412百万円と前期比6%減少となったものの、セグメント利益では81百万円と前期比37%増を達成している。
コンシューマー事業セグメントはB to Cの事業であり、広告戦略や価格戦略が事業の経営成績に直接影響する分野であるといえ、適宜有効な戦略を実行することが競合に劣後することを防ぐであろう。