4011 ヘッドウォータースの業績について考察してみた

4011 ヘッドウォータースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年11月東京都にて、ソフトウェア開発を目的に株式会社スマートビジョンテクノロジーを設立。2007年10月株式会社ヘッドウォータースに商号変更。2014年6月ロボットアプリ制作(人型ロボット向けのアプリケーション開発)サービスを開始。2015年1月「Pepper事業」、「PocketWorkMate事業」を開始。2016年3月クラウドロボティクスサービスをリリース。2018年1月マルチAIプラットフォーム「SyncLect(シンクレクト)」をリリース。2020年9月東証マザーズへ上場。顧客の業務システムやロボットへAI導入やDX支援を提供

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役の篠田庸介氏で52.42%を保有。以下5%未満の保有で、野村證券株式会社、株式会社SBI証券、松井証券株式会社、3962チェンジ、BCホールディングス株式会社、3300 AMBITIONなどが並び、ベンチャーキャピタ ルや信託銀行の信託口も見られる。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役4名は、株式会社日本ブレインウェア、エス・アンド・アイ株式会社、株式会社ファーストコンピュータ、総研マネジメント株式会社などのIT関連企業の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役の篠田庸介氏は1968年4月生まれ。東京工科大学を中退し、株式会社プレステージジャパングループ(セレクトインテリアショップ運営)に入社。国内外のブランド並行輸入を行うベンチャー企業の立上げに参画。1997年9月にジャパンエデュケーションキャピタル株式会社(現 株式会社スマートビジョン)を設立。1999年9月E-Learning事業を柱とする株式会社日本サービス企画を設立。2005年に同社を設立し、現職へ就任。

報告セグメント

「AIソリューション事業」の単一セグメント。2021年12月期第1四半期の売上高は277百万円、営業利益は16百万円であった。

事業モデル

AIソリューション事業は、企業の経営課題をITやAIのシステム開発を通して解決する「インテグレーションサービス」と、インテグレーションサービスで開発したシステムの改善、保守を行う「OPSサービス」で構成される
インテグレーションサービスは、顧客企業の業務を分析し、AI活用部分の抽出・概念実証を行った後に選定したAIを既存の業務に組み込み運用するところまでをワンストップで行うサービス。また、AI化のファーストステップとして、業務・サービスのデジタル移行およびクラウドサービス移行を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスも提供している。
その他、同社が所有するAIプロダクト「SyncLect」「Pocket Work Mate」等を顧客企業に提供、またはカスタマイズする事によって経営課題を解決するサービスも行っている。
OPSサービスは、主に、DXサービスのシステム運用、AIインテグレーションサービスにおけるAI機械学習サポートを行っている。
同社は受注生産方式での売上計上が中心となるため、生産性向上・効果的な外注の利用・安価かつパフォーマンスの高いサービスの仕入により、原価を抑え利益率を向上させるとしている。2020年12月期における主な販売先として、3463プロパティエージェントが18.1%を占めている

2020年12月期決算説明会資料

企業のデジタルトランスフォーメーション化は加速すると予測されるため、企業のIT投資の活発化に伴う人材不足は継続すると考えられる。同社は、より多くの業種・業態でAIが有効的に活用され、人手に依らない業務の効率化や集客を実現し、顧客がさらなる発展をするために、AIを利用したシステム開発を進めていくとしている。

競合他社

3993PKSHA Technology(直近決算期売上高73億円)、3906ALBERT(直近決算期売上高27億円)など、AI開発や顧客企業のデータサイエンスやDX推進を行う企業が競合として挙げられる。また、同社は早いスピードで定義や実証実験などを提供でき、大手のシステムインテグレーター(SIer)とは基本的に競合しないとみられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

人型ロボットPepperのアプリケーション開発で培った、AI開発、マイク/スピーカー機能、画像解析や顔認証、UX、スマートデバイス、ロボットの自律移動、クラウドを用いた遠隔操作、センサー機能など総合的にAI活用に必要な知見を蓄積してきた開発力を生かして、AIシステムの立案から、開発・保守までをワンストップで行える点が強み。また、さまざまな業種・業態の企業との取引実績がある点も優位性につながっている。なお、AI人材の採用や育成の観点でもこれまでの実績と知見が優位に働く。一方で、事業成長に十分なAI人材を採用し育成できるかは未知数であること、顧客企業のシステム関連の設備投資動向が悪化した場合の業績影響などは懸念点である。

2020年12月期決算説明会資料

KPI

KPIとみられる指標数値の具体的な開示はないが、考え方のコンセプトは下図の通り開示されている。AIやDXの導入顧客数やPJ数、単価がKPIと考えられる。また、人材獲得の観点から従業員数 の推移には注意したい。

2020年12月期決算説明会資料

業績

2016年12月期から2020年12月期までの5期をみると、売上高は830百万円から1,153百万円、経常利益(又は損失)は▲129百万円から155百万円となっている。AI市場が拡大期にあることなどが要因とみられ、2017年12月期から黒字化している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年12月期第1四半期における自己資本比率は84.0%。