4763 クリーク・アンド・リバー社の業績について考察してみた

4763 クリーク・アンド・リバー社の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1990年3月マーケティングコンサルティングを目的に東京都で株式会社クリーク・アンド・リバー社設立。様々な事業部門を立ち上げ、国内のみならず、韓国、中国、米国へ展開。2000年6月JASDAQ市場へ上場、2016年2月東証二部、2016年8月東証一部へ変更。映像、ゲーム、WEB、広告・出版等クリエイティブ分野においてクリエイターコンサルティングを提供する代表的な企業の1つ。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末日時点の大株主は、投資会社株式会社シー・アンド・アールが27.67%、代表取締役社長の井川幸広氏19.65%、取締役の澤田秀雄氏2.29%、実業家の依田巽氏1.32%、その他は国内外の信託銀行の信託口で併せて16.18%保有している。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役社長を除く3名の取締役はいずれもプロパー社員と見られる。それ以外の役員は経歴や年齢、入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の井川幸広氏は1960年1月生まれ。1981年4月からフリーメディアプロデューサーとして活動し、1990年3月に同社を設立。1999年2月株式会社シー・アンド・アールを設立し代表取締役就任。2009年6月株式会社リーディング・エッジ社取締役就任。2015年5月株式会社インター・ベル取締役、ジャスネットコミュニケーションズ株式会社取締役、2015年6月エコノミックインデックス株式会社取締役に就任。2016年8月株式会社VR Japan取締役就任。2018年1月株式会社Idrasys取締役就任。2020年1月株式会社メディカル・プリンシプル社取締役就任。

報告セグメント

「クリエイティブ分野」「医療分野」「会計・法曹分野」の3報告セグメントに大別され、直近2021年2月期第3四半期では、売上高23,049百万円の78.4%がクリエイティブ分野、14.6%が医療分野、7.0%が会計・法曹分野にて計上されている。セグメント利益1,766百万円は、クリエイティブ分野43.0%、医療分野45.8%、会計・法曹分野11.2%で構成。

事業モデル

クリエイティブ分野では、映像、ゲーム、Web、広告・出版等のコンテンツに関わるクリエイティブ領域における、クリエイターの能力を活かした企画開発を行うプロデュース事業、クリエイターに仕事を紹介するエージェンシー事業、クリエイターの育成・教育を行うライツマネジメント事業を展開。コンテンツ制作やクリエイターの派遣を主に行っている。クリエイティブ分野で蓄積したノウハウを活かして、他の専門分野へと領域を拡大している。
医療分野では、医師の転職やアルバイト情報を掲載する「民間医局」を運営し、ドクターエージェンシー事業を展開。賠償責任保険が充実しており医師からの知名度は高い。日本全国の医師(勤務医)をネットワーク化して、各地の医療機関からの医師派遣のニーズへ対応。国内の大半を占める13,000の医療機関と取引している。
会計・法曹分野では、弁護士や法務スタッフ、公認会計士・税理士等のエージェンシー事業を展開。全国の弁護士の25%を超える約13,000人の知財人材をネットワークし、1,200社以上の取引先に派遣を行っている。会計では、40,000人を超える公認会計士・税理士をネットワークし、4,000社以上と取引を行っている。

競合他社

2168パソナグループ、6098リクルートホールディングス、2181パーソルホールディングスなどの人材派遣会社が競合として挙げられ、専門性の高い領域では2130メンバーズなども競合する。医療分野では民間医局は医師への高い知名度を誇るサービスだが、6034 MRTなどと競合する。

連結の範囲

同社グループは、連結子会社14社、持分法適用関連会社1社から構成される。連結子会社は、国内10社、海外4社で、海外については、その他事業を行う韓国2社、アメリカ1社、クリエイティブ事業を行う中国1社。医療分野は、株式会社メディカル・プリンシプル社、会計・法曹分野は、株式会社C&Rリーガル・エージェンシー社、ジャスネットコミュニケーションズ株式会社を中心に事業を営む。

強み・弱み

クリエイティブ、医療、法曹、会計などの各分野において多数のプロフェッショナルをネットワークしていることが強み。同社は1990年にプロフェッショナル分野に特化したエージェンシー事業を日本で先駆けてスタートさせ、現在約25万8,400人のプロフェッショナル・ネットワーク、クライアント26,290社を有している。プロフェッショナル分野の需要は堅調であり、ネットワークの拡大が成長に繋がりやすい。対象とするプロフェッショナル分野を拡大させることにより、中長期的な成長が期待できる。
プロフェッショナル分野に特化している分、各分野の業界動向・市場環境によっては同社が影響を受ける可能性がある。また、エージェンシー事業においては、労働者派遣法の法的規制に変更等があった場合、同様に影響を受ける可能性があり、リスクを抱えている。

KPI

同社主力事業であるエージェンシー事業において、プロフェッショナル・ネットワーク、クライアント数の推移はKPIとなりうる。
クリエイティブ分野における同社の韓国でのテレビ番組シェアは80%と非常に高い。今後の韓国での売上高推移は成長性を見る上で重要である。
①プロフェッショナル・ネットワーク数258,000人、クライアント26,290社
②2021年2月期第3四半期クリエイティブ分野(韓国)売上高2,455百万円(前年同期比+480.1%)

業績

売上高は安定的な成長を継続しており、2016年2月期から2020年2月期までの5期間で売上高1.32倍となった。利益剰余金の蓄積でROEは15%前後で安定推移。増配している。自己資本比率は50%前後を維持している。営業CFは安定してプラスで5年連続増加、営業CF以下の金額を投資キャッシュフローで毎期拠出し、財務CFは2019年2月期以降恒常的にマイナスである。