2130 メンバーズの業績について考察してみた

2130 メンバーズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1995年6月、株式会社メンバーズとして東京都に設立され、ダイレクトマーケティング支援、eビジネス構築サービスを開始する。1997年、インターネット上の広告取扱事業をスタート。1999年にはインターネット上で、個人消費者向けの購買支援事業を開始。2008年前後に倒産の危機に瀕し、Webサイト運営に集中する。主力事業は顧客企業のDX推進を支援する「EMC事業」である。2014年には第二の柱となる「デジタル人材事業(現:PGT事業)」を開始。2016年4月、東証二部へ上場、2017年4月に東証一部へ変更した。現在は東証プライム。

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株主構成

有価証券報告書によると、2022年3月末日時点の筆頭株主は代表取締役社長の剣持忠氏で、22.1%を保有する。次いで株式会社日本カストディ銀行の信託口が16.3%、2021年6月まで関係会社だったデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社が16.0%と続く。銀行・信託銀行の信託口が計24.3%を保有する。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は7名(社内2名、社外5名)、社外5名はすべて監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役で専務の高野明彦氏は一橋大学を卒業後、日本興業銀行(現:8411みずほフィナンシャルグループ)へ入行。その後8303新生銀行を経て、2005年に同社へ入社。2006年11月の株式公開やリーマンショック後の全社変革、東証二部上場など重要プロジェクトを担ってきた。2018年より取締役を務める。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の剣持忠氏は1965年6月生まれ。早稲田大学を卒業後、1990年に日本合同ファイナンス株式会社(現:8595ジャフコグループ)へ入社した。ベンチャーキャピタリストとして4社の上場に関わる一方で4社の倒産も目の当たりにし、起業を決意。インターネットの普及によりあらゆるものがフラットに繋がる社会を予期し、企業と消費者がメンバーシップ結ぶ支援をする思いから、1995年に同社を設立した。

報告セグメント

「ネットビジネス支援事業」の単一セグメント 。大手企業のDX推進支援をおこなうEMC事業と、顧客のプロダクトのグロース支援をおこなうPGT事業の2つの事業を展開する。2022年3月期の売上収益はEMC事業が10,514百万円、PGT事業が5,157百万円となっている。

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事業モデル

EMCとはEngagement Marketing Centerの略。EMC事業では顧客企業のWebサイトやEC、SNS、アプリ、DXなどのデジタルビジネス運用支援をおこなう。顧客企業の専属チームを編成し、データ分析や戦略立案、システム開発、運用などPDCAを一貫して担当。大企業、大口案件、継続案件に特化している点が特徴。おもな取引先は4911資生堂、4704トレンドマイクロ、6752パナソニック、9783ベネッセホールディングスなど多数。
PGTはProduct Growth Teamの略。PGT事業では新技術領域によるグロース支援に主眼を置いたサービス提供をおこなう。おもな顧客は成長性が高いインターネット系企業や、ソーシャルイノベーションベンチャー。自律型チームを提供し、先端技術領域のスキルを用いて顧客のデジタルプロダクトのグロースを支援する。
同社は美術・芸術系大学、高等専門学校、Webクリエイティブ関連の専門学校、四年制大学および大学院から幅広く採用活動をおこなっている。2021年4月には新卒364名が入社し、総勢1,306名のデジタルクリエイターを抱える。
国内DX市場の規模は2019年度で7,912億円程度。2030年度には30,425億円に拡大する見通しだ。一方、IT人材の不足が顕著であり、2030年には最大79万人の不足になると試算されている。

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競合他社

EMC事業の競合先としては、アクセンチュアグループの株式会社アイ・エム・ジェイ、電通アイソバー株式会社、3622ネットイヤーグループなどが挙げられる。

連結の範囲

2022年1月付けで子会社を吸収合併している。2022年5月現在、連結子会社は発電事業を営む株式会社メンバーズエナジー1社のみとみられる。

強み・弱み

デジタルマーケティングを一気通貫で支援できる点が強み。通常のコンサルティング会社と異なり、現場レベルで計画から実行までを一手に担える。一方でIT人材の確保・育成が重要課題となる。「事業モデル」の項でも述べたが、IT関連の市場規模は拡大する反面、人材不足により各企業の人材確保は難航している。優秀な人材を採用しつづけられるかが懸念される。

KPI

EMCモデル提供社数、デジタルクリエイター数、新卒採用数はKPIとなりうる。
①    EMCモデル提供社数:2022年3月期54社(前年同期末比+7社)
②    デジタルクリエイター数:2022年3月期900名(前年同期末比+125名)
③    新卒採用数:2021年3月期484名(前年同期比+120名)

業績

売上収益・利益ともに安定的な成長を継続している。2018年3月期から2022年3月期までの5年間で売上収益は約2倍、営業利益は約3倍となった。営業CFはつねにプラス、投資CFは恒常的にマイナスである。自己資本比率は55%前後で推移している。

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