6071 IBJの業績について考察してみた

6071 IBJの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

IBJの事業概要

沿革

2000年創業で、同社設立は2006年。前身企業より継承したブライダルネット事業とPARTY☆PARTY事業に加え、日本結婚相談所連盟事業を開始。2012年大阪証券取引所JASDAQ市場より上場し、2014年に東証二部、2015年に東証一部へ変更。積極的にグループを拡大しており、同業だけでなく、海外旅行や語学、住宅ローン、保険などの事業へも展開してきた。

株主構成

2020年6月30日時点の大株主を見ると、国内外の信託銀行の信託口で33.7%を占め、代表取締役副社長の中本哲宏と同氏の資産管理会社とみられる会社での17.1%を筆頭に、代表取締役社長の石坂茂氏と続き、役員が中心である。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会構成

同社の取締役は11名(社内8名、独立役員の社外3名。)、監査役3名 (常勤監査役1名、独立役員の社外2名)であり、監査役会設置会社である。社長、副社長、常務の3名は金融機関での経歴を背景に当社設立時より在籍、その他取締役は入社時期も経歴もさまざまである。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の石坂茂氏は、同社前身の株式会社ブライダルネットにて2001年1月より代表取締役社長に就任していた。MBOでヤフー株式会社より独立し、同社を設立して現在に至る。もとは、1995年日本興業銀行入行の銀行マンである。

報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル

同社のセグメントは2つ、2020年12月期第3四半期時点の売上高構成比は婚活事業が売上高7,978百万円で84%、ライフデザイン事業は1,545百万円で16%。尚、ライフデザイン事業は従来よりセグメント利益率5%未満であったが、同期はコロナの影響により▲1百万円の赤字で、同社の営業利益1,124百万円の源泉は婚活事業である。

競合他社

婚活業界では同社が最大のネットワークを保有しており、加盟相談所数、登録会員数は最多。同社同様のネットワーク構築は、後発企業には参入障壁が高い。

連結の範囲

2020年12月期第2四半期時点では、連結子会社9社、持分法適用関連会社1社、その他の関係会社2社により構成されている。

事業モデル

同社は婚活事業の会員基盤をベースに、マリッジ周辺サービスとして相互送客を見込める旅行や保険、住宅ローンの代理店事業をライフデザイン事業としてグループ会社で展開する。婚活事業の詳細は次の通り。
開業支援・加盟店事業は、結婚相談事業者に対し同社のASP型の「IBJお見合いシステム」を通じて会員管理を提供する。開業時の加盟金(個人150万円・法人300万円)とシステム利用料(月額平均31,000円)×加盟相談所数(2,551社)が収益である。
アプリ事業は、同社の運営する婚活サイト「ブライダルネット」の登録会員約4.2万人からの会費(月額約2~4千円)が主な収益で、グループ内の結婚相談所との相互送客を狙う。
パーティ事業は、自社運営21店舗、FC57店舗を通じたオンライン/オフラインの婚活パーティーを運営しており、参加者からの会費と、FCの登録料及び月額システム利用料が収益となる。
直営店事業自社運営の結婚相談所で、6,041名の会員からの登録料や活動サポート費、月会費が収益となる。会員当たりのLTVは約50万円。

強みや弱み

日本最大規模のシステム化された婚活会員基盤。また、直営と加盟店の双方でパーティや相談所等のヒトを介したリアルなサービスも提供し、高い成婚率を実現している点が強みである。

KPI

同社は事業ごとにKPIを開示している。2020年12月期第3四半期の実績(及び前年同期比)は下記である。アプリ有料会員数を除いては、順調にKPIを伸ばしてきたが、コロナの影響を受けてここで急に減少に転じている指標もある。
①加盟店数2,551社(+15.4%)
②新規開業件数545件(+21.4%)
③アプリ有料会員数42.8万人(▲16.3%)
④パーティー参加者数33.3万名(▲41.2%)
⑤直営店成婚者数1,321(▲2.2%)
⑥ライフデザイン成約件数1,893(▲9.6%)

懸念点

婚活サービスにおいてセンシティブ情報を含む個人情報を保有しておりサイバー攻撃や社内不正による情報流出は最大のリスクである。

業績の進捗

2020年12月期第3四半期の業績は、売上高9,523百万円(前年同期比▲16.9%)、営業利益1,124百万円(同▲35.9%)、当期純利益346百万円(同▲70.1%)と、大幅な減収減益である。婚活の性質上コロナの影響を大きく受けたが、第2四半期をボトムに第3四半期はV字回復済み。パーティー事業をオンライン開催するなどの対応も進んでいる。会社計画では2020年度の営業利益の水準は2018年並みを維持できる模様。