2191 テラの業績について考察してみた

2191 テラの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

テラの事業概要

・沿革
同社は東大医科研発ベンチャーで、2004年6月に樹状細胞ワクチン療法の研究開発及びそれに基づく新たな医療支援サービスの提供を目的として設立され、翌年より療法の技術・ノウハウ等の提供を開始した。2008年には特定細胞加工物の受託製造を開始。株式は2009年3月にジャスダック証券取引所NEOに上場した後、2010年10月にJASDAQ(スタンダード)へ市場変更した。
・株主構成
筆頭株主は内田建設株式会社で5.89%を保有する。他上位10社には、同社業務提携先1社、証券金融会社1社、証券会社4社、個人3名が名を連ねる。
・取締役会構成
同社取締役会は後述の代表取締役平智之氏と、前代表取締役社長の遊佐精一氏の2名で構成される。遊佐氏は東京大学等で研究員や講師を務めた後、2008年12月に同社研究開発部部長として入社、2018年9月に代表取締役に就任するも、新規事業強化に専念するため、現在は取締役として活動している。
・代表取締役の経歴
代表取締役の平智之氏は1959年、京都市生まれ。京都大学工学部卒業後、米国UCLAにて材料工学科を修了した。帰国後はタレント活動等を行った後、東洋大学で非常勤講師を務めるなどした。2009年には衆議院議員選挙に出馬し当選を果たす。議員は1期務め、その後出馬するも落選している。2019年3月より、同社代表取締役社長に就任した。
・報告セグメントと事業の構成
同社事業は、「細胞医療事業」、「医療支援事業」、「医薬品事業」の3報告セグメントに大別され、直近2020年12月期第3四半期では、売上高の100%が「細胞医療事業」にて計上されている。
・競合他社
同じ東大医科研発ベンチャーのメディネット(2370)は、同社と同じくがん免疫細胞療法に関する事業を行っており、直近の売上高は1,059百万円。他、上場医療ベンチャー等。
・連結の範囲
医薬品事業を担うテラファーマ株式会社と、医療支援事業を担う株式会社オールジーンの2社。2020年8月にコロナ治療用幹細胞製剤の製造販売を行うプロメテウス・バイオテック株式会社の株式を取得し子会社化したものの、事業化目途が立たないことから同年12月に売却した。

細胞医療事業

・事業モデル
提携する医療機関に対して樹状細胞ワクチン療法等、細胞医療に関する技術・運用ノウハウの提供及び樹状細胞ワクチン療法等、再生・細胞医療に関する研究開発を行う。また米Cellex社のコロナウイルス抗体検査キットの正規販売代理権(日本唯一)を取得し、2020年9月より販売を開始、この売上も本事業売上に含まれる。
・強みや弱み
がん抗原「WTIペプチド」の独占実施権を持つこと、東大医科研発の「細胞培養技術」をもつことなどが強み。
・KPI
提携医療機関数や共同研究を行う大学・医療機関数が重要と考える。
・懸念点
新型コロナなどの感染症拡大により、提携医療機関の患者数が増減してしまうことが懸念である。
・業績の進捗
同社全体の営業収入は低下が続き、直近2019年12月期は167百万円(2015年12月期比▲857百万円)。経常損失は▲826百万円(同▲653百万円)と赤字幅を年々拡大している。フリーCFに関しては、直近5年、恒常的にマイナスとなっている。

医療支援事業

・事業モデル
連結子会社のオールジーンにて、医療機関、研究機関、法人向けに腸内フローラ検査を中心とした遺伝子検査サービスを行う。尚、CRO事業(企業が新薬等を認可申請する際に必要な第三者機関としての役割を担う事業)を行っていたが、スリム化と財政健全化のため、同事業を行う子会社を2019年8月に売却している。
・KPI
検査実施件数。
・懸念点
現在開発中のため、サービス開始に至っていない点。
・業績の進捗
上述の通り、サービス開始前の為2019年12月期第3四半期までの売上は無く、営業損失は153千円だった。

医薬品事業

・事業モデル
膵臓がんに対する再生医療等製品としての樹状細胞ワクチンの承認取得を目指し開発を行っている。
・KPI
製品を使用する医療機関数
・懸念点
現在開発中のため、販売に至っていない。また製品開発には多額の開発費用がかかると思料されるため、資金調達状況に留意されたい。
・業績の進捗
上述の通り、サービス開始前の為2019年12月期第3四半期までの売上は無く、営業損失は207,249千円だった。