2168 パソナグループの業績について考察してみた

2168 パソナグループの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2022.02 88,389 5,352 6.06%
FY2022.Q4 2022.05 95,221 4,735 4.97%
FY2023.Q1 2022.08 92,066 3,330 3.62%
FY2023.Q2 2022.11 91,907 3,403 3.7%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.02 68,613 1,083 1.58%
FY2017.Q4 2017.05 74,915 2,611 3.49%
FY2018.Q1 2017.08 72,458 1,033 1.43%
FY2018.Q2 2017.11 78,161 1,585 2.03%
FY2018.Q3 2018.02 78,071 1,239 1.59%
FY2018.Q4 2018.05 82,720 2,682 3.24%
FY2019.Q1 2018.08 82,997 1,451 1.75%
FY2019.Q2 2018.11 81,695 2,281 2.79%
FY2019.Q3 2019.02 78,603 2,095 2.67%
FY2019.Q4 2019.05 83,689 3,638 4.35%
FY2020.Q1 2019.08 79,626 1,243 1.56%
FY2020.Q2 2019.11 81,603 2,658 3.26%
FY2020.Q3 2020.02 78,119 1,955 2.5%
FY2020.Q4 2020.05 85,636 4,721 5.51%
FY2021.Q1 2020.08 85,751 7,287 8.5%
FY2021.Q2 2020.11 79,155 3,515 4.44%
FY2021.Q3 2021.02 79,764 3,710 4.65%
FY2021.Q4 2021.05 89,870 5,428 6.04%
FY2022.Q1 2021.08 91,927 5,700 6.2%
FY2022.Q2 2021.11 90,559 6,296 6.95%
FY2022.Q3 2022.02 88,389 5,352 6.06%
FY2022.Q4 2022.05 95,221 4,735 4.97%
FY2023.Q1 2022.08 92,066 3,330 3.62%
FY2023.Q2 2022.11 91,907 3,403 3.7%

沿革

1976年2月大阪府にて人材派遣事業を主業務とする株式会社テンポラリーセンターを設立。1993年6月株式会社パソナ(旧)に商号変更。2000年6月人材関連事業に事業集約するため、株式会社パソナサンライズが株式会社パソナ(旧)より人材派遣業務を譲り受け、株式会社パソナに商号変更。2001年12月現東証ジャスダックに上場(2008年12月に上場廃止)、2003年10月東証一部へ変更。2007年12月株式移転して純粋持株会社として株式会社パソナグループ設立。連結子会社の2412ベネフィット・ワンは東証一部に上場中。人材サービスの大手で、福利厚生代行も行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年5月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の南部靖之氏で保有割合37.00%。沿革欄の株式会社パソナ(旧)から商号変更した株式会社南部エンタープライズ9.37%、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、海外金融機関・ファンド、パソナグループ従業員持株会などが並ぶ。尚、大量保有報告書によるとTempered Investment Management LTDの持分が6.83%の模様。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち監査等委員は4名 (社内1名、社外3名)、監査等委員設置会社である。社内取締役のうち3名は同社を設立した代表取締役を含みプロパー入社とみられ、残りは慶應義塾大学名誉教授で参議院議員、経済財政政策担当大臣や総務大臣等を歴任した竹中平蔵氏のほか、現在の4324電通グループやりそな銀行出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役グループ代表兼社長の南部靖之氏は1952年1月生まれ。関西大学在学中の1976年2月に同社前身の株式会社マンパワーセンターを設立、専務取締役に就任する。1991年4月より代表取締役を務め、2007年12月より現役職となる。上場子会社の2412ベネフィット・ワン取締役会長なども兼任する

報告セグメント

「エキスパートサービス、BPOサービス他」、「キャリアソリューション」、「アウトソーシング」、「ライフソリューション」および「地方創生ソリューション」の5報告セグメントに大別される。2021年5月期売上高334,540百万円の構成は、エキスパートサービス、BPOサービス他82.2%、キャリアソリューション4.1%、アウトソーシング11.0%、ライフソリューション1.9%、地方創生ソリューション0.8%だった。全社費用等を除く営業利益は、エキスパートサービス、BPOサービス他およびアウトソーシングで大半を計上する一方、地方創生ソリューションは赤字計上が続く。

事業モデル

エキスパートサービスは労働派遣法の規定に従い労働派遣事業を行っている。派遣先企業から収受する派遣料金から派遣社員給与、社会保険料等を控除したものが同社の収益となる。BPOサービスは顧客企業から業務を受託もしくは請け負い、その業務遂行のために雇用契約を結んだ労働者によって、同社グループが業務処理する形態となる。

PASONAインベスターズガイド2021

キャリアソリューションは職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行う有料職業紹介事業である。会社都合による企業の退職(予定)者に対し再就職支援を行う事業も展開する。
アウトソーシングは、企業や公官庁・自治体等が連結子会社である2412ベネフィット・ワンの運営する会員組織の法人会員となり、法人会員の従業員に対し各種福利厚生サービスを提供している。

PASONAインベスターズガイド2021

ライフソリューションは保育事業、デイサービス介護事業、家事代行事業を、地方創生ソリューションは地域活性化のための様々な事業を行っている。

競合他社

人材サービス国内最大手の6098リクルートホールディングス(2021年3月期売上高2,269,346百万円)、同2位の2181パーソルホールディングス(同950,722百万円)が挙げられる。

連結の範囲

持株会社である同社と、連結子会社62社および持分法適用会社10社で構成される。主な連結子会社は、人材派遣、BPO、人材紹介、再就職支援を行う株式会社パソナ、福利厚生代行サービスを行う上場子会社の2412ベネフィット・ワン。また北米、東南アジア諸国に人材派遣サービスやアウトソーシング事業を行う海外現地法人を多数有する。

強み・弱み

人材派遣、再就職支援、アウトソーシング、教育・研修など人に関わる幅広い事業を展開していること、人材に関するソリューション提案力、日本全国および海外展開するネットワーク網が強み。長期派遣の就労希望者に高い知名度を誇り、特に競合最大手のリクルートスタッフィングに対して、全国で偏りなく求人案件を持つことが高い評価を得ている点は強み。また、社外取締役に政界とのパイプを感じさせるメンバーがそろっていることも注目に値する。一方で景気動向による雇用情勢・顧客需要の変化労働に関する法的規制の変化同社に対する事業の許認可が何らかの事情により取り消しに至った場合などが事業リスクとして挙げられる。

KPI

①人材派遣市場規模(78,689億円、前期比23.3%:2019年)

PASONAインベスターズガイド2021

②「役員を除く雇用者」に占める正規/非正規の割合(非正規36.3%、派遣社員2.4%:2020年平均)
③ベネフィット・ワン会員数(863万人、2021年4月)

業績

2017年5月期以降の業績をみると、法改正やコロナ禍の影響を受け減収となった2020年5月期を除き、毎期増収増益している。営業利益は営業活動抑制やオペレーション効率化が進んだ2021年5月期に前期比+88.5%だった。フリーCFは有形固定資産の取得費用が大きくかかった2018年5月期を除きプラス。自己資本比率は2017年5月期から回復基調で、2021年5月期は25.1%

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