2124 JAC Recruitmentの業績について考察してみた

2124 JAC Recruitmentの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1988年3月株式会社ジェイエイシージャパンとして人材紹介事業を目的に東京都千代田区に設立。2000年6月人材派遣事業を開始し同事業は2011年8月に終了。2001年6月日本国内のJAC Recruitmentの商標権をEmmergarden Holdings Ltd(所在地:英国)より譲り受ける。2006年9月ジャスダックに上場、2015年8月東証一部へ変更。2009年4月株式会社ジェイエイシーリクルートメント(JAC Recruitment)に商号変更。積極的に海外各地のJAC Recruitment現地子会社を業務提携したり株式取得による子会社化を実施し、海外展開を図っている。外資系企業案件に強い人材紹介事業者

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、創業者で取締役最高顧問の田崎忠良氏で20.60%を保有し、次いで忠良氏の配偶者で取締役会長の田崎ひろみ氏17.39%、田崎忠良氏が設立した東京都内の高校生の英国留学を支援する公益財団法人Tazaki財団12.11%実業家の金親晋午氏10.27%と続き、以降は信託銀行等の信託口やかんぽ生命、取締役社長の松園健氏などが並ぶ。

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)。監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない取締役は3名で、創業者の田崎忠良氏、その配偶者で会長の田崎ひろみ氏、キャノンと楽天を経て2003年より当社で勤務する山田広記氏。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の松園健氏は1958年1月生まれ。駒沢大学卒業。株式会社就職情報センター(現リクルートキャリア)入社後、株式会社リクルートエグゼクティブエージェント代表取締役社長を経て、2008年11月より同社へ入社し営業副本部長、専務、を経て現職へ就任。
代表取締役副社長の服部啓男氏は1954年12月生まれ。1977年4月株式会社日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。1995年4月株式会社ハーフ・センチュリー・モア株式会社へ入社し、取締役まで務め、2001年8月同社へ入社し取締役副社長へ就任。2008年4月より代表権を持つ。

報告セグメント

「国内人材紹介事業」、「国内求人広告事業」、「海外事業」の3報告セグメントに大別され、2020年12月期の売上高21,614百万円の構成比は国内人材紹介事業89.6%、国内求人広告事業2.1%、海外事業9.2%である。利益は国内人材紹介事業で稼いでおり、他2つの事業は赤字。海外事業は減損損失計上もあり税金等調整前当期純損失額1,759百万円と大幅な損失であった。

事業モデル

国内人材紹介事業は、日系企業だけでなく外資企業や、海外進出企業に求められる国際人材の紹介に注力する人材紹介事業を営む。当社と、英語での交渉を擁する国内外資系企業の中高額案件に特化した戦略子会社JAC International、金融・コンサル業界の降雨額案件に特化した戦略子会社バンテージポイントの3社で行う。
求人広告事業は、子会社のシー・シー・コンサルティングで求人広告サイト「キャリアクロス」を運営し、企業からの無期社員の求人案件を中心に掲載する。主に国内に進出する外資系企業を対象としている。広告掲載料を請求する前課金方式と、成功報酬方式を併用
海外事業は、日本企業の海外展開において徐々に需要の高まる現地採用の案件に対応しながら、アジア各国を中心に日系企業や地元企業、多国籍企業などの紹介案件を取り扱う。COVID-19の影響により、強制在宅・採用減退傾向が継続するだけでなく、入国制限により成約後に勤務国に赴任できないため、計上できないといった影響を受けており、減損した
インターネットの普及が進む中、特定の人材紹介事業者のみが保有する求人情報・求職者情報が減少しつつある。転職希望者と求人数は中長期的には増加傾向にあるが、新たな人材サービスが複数登場。有効求人倍率の高い業界の採用市場には、エージェントの機能をインターネット上のプラットフォームでの求人企業と求職者の直接コミュニケーションに置き換えるサービスも出てきており、人材紹介業界では今後、生き残りをかけた厳しい競争が展開されるとみられる。

2020年12月期 決算説明会資料

競合他社

人材紹介事業の競合企業は多く、大手では6098リクルートホールディングスが運営する「リクルートエージェント」2181パーソルホールディングスの「doda(デューダ)」、他にも多数の有名サービスが存在し、それらサービスの中で「外資系」や「ハイクラス人材」などの専属チームが組織されていることがほとんどである。外資系専属で一定の知名度を有する転職エージェントとしてRanstad(ランスタッド)やロバートウォルツ等も挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は23社で、主要な子会社として、株式会社JACinternational、株式会社シーシー・コンサルティング、JACRecluitment International Ltd、株式会社バンテージポイントの4社が挙げられる。JACRecluitment International Ltdは海外事業(拠点シンガポール)を営み、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、上海、香港、韓国、ベトナム、インド2拠点、ドイツに拠点を有する。

強み・弱み

外資系企業へのハイクラスエージェントとして一定の知名度と実績を有す点は強み。主力の国内人材紹介事業において、コンサルタント要員数、求職者確保のためのリファーラル案件数が減少しており、事業の要となる要素のため今後の成長に懸念が残る。

KPI

求人成約率、人材登録者成約率、コンサルタント1人当たり月間成約額、GP営業利益率、国際領域の事業比率などをKPIとして同社は挙げている。加えて、求人サイト「キャリアクロス」の求人案件数なども参考になると見られる。

業績

安定的な成長を継続し、2016年12月期から2019年12月期までの4期間で売上高は1.66倍、営業利益は1.28倍となったが、2020年12月期はコロナウイルス感染症の影響を受け、2018年12月期を下回る水準まで減収減益となった。自己資本比率は72.0%。営業CFは安定してプラスで5年連続増加、投資CFは有価証券売却益を出した2020年12月期を除きマイナス。