6096 レアジョブの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年10月東京都文京区にて開成中学校・高等学校時代からの友人である加藤智久と中村岳が株式会社レアジョブを設立 。同年11月 Skypeを利用したオンライン英会話事業を開始。2008年10月フィリピンで講師の安定確保を目的としてRereJob Philippines, Inc.を設立、2009年8月法人向けサービスを開始。2014年6月東証マザーズへ上場、2020年11月東証一部へ変更。2015年8031三井物産と資本業務提携。2016年2月株式会社増進会出版社(現株式会社増進会ホールディングス)と業務提携、同年8月フィリピンでレッスン供給センター開設を目的としてEnvision Philippines, Inc.を設立、同年9月登録ユーザー数が50万人を突破。2017年1月子ども専門オンライン英会話「リップルキッズパーク」をグループ化、同年4月フィリピン留学のGrandline Philippines Corporationと資本業務提携。2019年2月シンガポールで英会話学校を運営するGeos Language Centre Pte Ltd.を完全子会社化。パソコンやスマートフォンを通じてマンツーマンのオンライン英会話レッスンを受けられる英語関連事業を主たる事業 として展開する。レアな能力を持つ人とそのレアな能力を必要とする人をつなげたいという思いの「レアなジョブ」が社名の由来。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は代表取締役社長の中村岳氏21.27%、三井物産20.19%、創業者で元代表取締役会長の加藤智久氏5.96%、株式会社日本カストディ銀行信託口5.16%、株式会社増進会ホールディングス4.42%。そのほか国内外の信託銀行の信託口や取締役副社長の藤田利之氏3.06%、auカブコム株式会社1.98%が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満である。

取締役会

取締役は6名(社内3名 、社外3名)、社外3名はいずれも監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役副社長の藤田利之氏は、公認会計士の有資格者で株式会社ソニークリエイティブプロダクツ、監査法人トーマツ、ITベンチャー企業の取締役CFOとして東証マザーズ上場後、KPMG FASを経て、2012年4月に同社取締役CFOとして入社、2015年6月より現職に就任。早稲田大学大学院ファイナンスMBA卒。もう1名の社内取締役である安永成志氏は、ベンチャー企業を創業後、IT、通信、営業代行業界を経て、2017年1月に同社へ入社、2018年6月より現職に就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の中村岳氏は1980年9月生まれ。東京大学・大学院情報理工学系研究科を卒業後、2005年4月株式会社NTTドコモに入社。2008年2月同社を設立、代表取締役に就任。2012年6月同社代表取締役副社長を経て、2015年6月より現職に就任。

報告セグメント

「英語関連事業」の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していない。2021年3月期第3四半期は売上高1,358百万円、個人向け932百万円、法人・教育機関向け425百万円であった。

2021年3月期第3四半期決算説明会資料

事業モデル

英語関連事業はオンライン英会話を中心に日本人の英語学習を支援する。主なサービスの「レアジョブ英会話」は、フィリピン在住の6,000名超のフィリピン人講師と日本人ユーザーとのマッチング を行い、独自のレッスン受講システム「レッスンルーム」及びSkypeを利用してユーザー1名に対して講師1名の英会話レッスンを提供。顧客層は、個人を中心に法人や教育機関で構成。同サービスは月額レッスン料を主な収入源とする。ほかにスピーキングのレベルアップを保証する英語コーチングプログラム「レアジョブ英会話 スマートメソッド」、3歳から高校生までを対象にした子ども専門オンライン英会話「リップルキッズパーク」を運営。また国際標準規格CEFRに準拠したAI自動採点のビジネス英語スピーキングテスト「PROGOS」も行う。

2021年3月期第3四半期決算説明会資料

競合他社

英会話スクール大手は英会話イーオン、ベルリッツ、ECC外語学院などで、スクール運営だけでなくオンライン英会話も提供しておりそれらのサービスと競合する。また、オンライン英会話の専業ではDMM英会話の合同会社DMM.comや月額性でレッスン受け放題の株式会社ネイティブキャンプや、ビジネス特化型で法人向け契約に強いビズメイツ株式会社などが挙げられる。

連結の範囲

2020年3月期末時点で連結子会社6社、持分法適用関連会社1社で構成される。連結子会社は、フィリピンにて英会話講師の選定・教育・管理業務を行うRareJob Philippines, Inc.、オンライン英会話レッスンの提供を行うENVIZION PHILIPPINES, INC.とGOLA English Tutorial, Inc.の2法人、文教(学校・個人)向け事業を行う株式会社エンビジョンのほか、フィリピンのRIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.、シンガポールのGeos Language Centre Pte Ltd. 6社で構成される。

強み・弱み

場所や時間を問わずマンツーマンでオンライン英会話を低価格で提供する点が強み。講師は採用率約1%の選考試験を通過したフィリピン大学の在学生、卒業生が中心で、講師としてのトレーニングを受けている。一方でオンライン語学市場規模は教室型と比べると依然として小さく、日本人の英語学習者のニーズの変化やインターネット接続環境の変化への対応、新規参入企業との差別化が課題として挙げられる。また日本及びフィリピンの経済環境の変化や質の高い講師の安定した確保も懸念される。

KPI

下記のような数値はKPIとなり得る。
①無料登録ユーザー数 2020年3月期844千人(前年同期比+114.3%)
②有料ユーザー数 2021年3月期第3四半期は前年同期比+24.5%
③ユーザー当たりのレッスン受講数
④法人・教育機関向けの取引社数 2021年3月期第3四半期は前年同期比+15.9%

2021年3月期第3四半期決算説明会資料

業績

2016年3月期から2020年3月期までの5期間は、売上高2,363百万円から4,512百万円と1.9倍・経常利益は79百万円から415百万円と5.23倍にいずれも右肩上がりで推移。営業CFは2017年以降はプラスを継続、投資CFは恒常的にマイナス。自己資本比率は、2016年3月期74.3%から2020年3月期38.4%に減少している。