6533 Orchestra Holdingsの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2009年6月にWebサイトの制作・運営等を目的として株式会社クリスタライフを設立。2012年3月に株式会社デジタルアイデンティティに商号変更。2016年9月に東証マザーズに上場。2017年7月に株式会社Orchestra Holdingsに商号変更し持株会社制へ移行。2018年12月東証一部上場。本社は東京都渋谷区。企業向けデジタルマーケティングサービスの提供を柱に、DX事業としてシステム開発やAI活用を提供する他、タレントマネジメントシステム「スキルナビ」の提供なども行う。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、筆頭株主が代表取締役社長の中村慶郎氏と代表取締役の佐藤亨樹氏でそれぞれ19.6%、次いで両氏各位の資産管理会社と見られる慶キャピタル株式会社7.9%、TSK capital株式会社が7.9%と続く。その他は5%以下の保有で、個人投資家の脇山季秋氏が4.0%、取締役の鈴木謙司氏が3.5%、その他信託銀行等の信託口や証券会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。取締役の鈴木謙司氏はアビームコンサルティング株式会社や株式会社サイバーエージェント等を経て、2012年1月に同社へ入社。取締役CFOの五代儀直美氏は野村證券株式会社やゴールドマン・サックス・ジャパン・ホールディングス有限会社等を経て、2014年9月に同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の中村慶郎氏は1974年10月生まれ。東京大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社やモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント株式会社を経て、ロンドン大学経営学修士(MBA)を取得。帰国後日本ロレアルにてマーケティング等を経験し、2009年6月に同社を設立。取締役や代表取締役を経て、2019年4月に現職に就任した。
代表取締役の佐藤亨樹氏は1979年3月生まれ。2002年に株式会社大広に入社後、2009年6月に同社を設立。取締役を経て、2019年4月に現職に就任した。

報告セグメント

「デジタルトランスフォーメーション事業」と「デジタルマーケティング事業」の2報告セグメントに大別される。その他の事業セグメントとして、どちらにも属さない「その他」がある。2020年12月期では売上高11,825百万円の内、デジタルトランスフォーメーション事業が3,379百万円で28.6%、デジタルマーケティング事業が7,949百万円で67.2%を占める。その他の売上高は496百万円で4.2%を占める。セグメント利益は、デジタルトランスフォーメーション事業とデジタルマーケティング事業が共に利益率10%台を推移する。

事業モデル

デジタルトランスフォーメーション事業は、システムやアプリの開発を担うシステムソリューション業務と、クラウドサービスの導入支援を企業向けに行うクラウドインテグレーション業務の2軸で構成される。クラウドインテグレーション業務では、マーケティング戦略からMA/CRM実装まで一貫したサービスを提供しており、活発なクラウド需要を取り込み中長期的な売上拡大が期待される。2020年には米セールスフォース・ドットコム社からゴールドパートナーに認定され、連携を深めて販売強化を進める。
デジタルマーケティング事業では、主に広告運用サービスとSEOコンサルティング業務を提供。企業のデジタルマーケティングをトータルしてサポートする体制を整える。
その他の事業では、占いアプリの運営を中心に行うプラットフォーム事業とタレントマネジメントサービス「スキルナビ」の開発・販売を行う新規事業を行う。
デジタルトランスフォーメーション事業は高い成長力で推移している。国内クラウド市場は2019年から2024年までに2.4倍の2兆567億円規模に拡大が予測され、年平均18.6%の成長が見込まれる分野である。新型コロナ流行に伴い、企業のデジタルトランスフォーメーション化が進み、受注も活発化している。2021年3月には同事業にかかる子会社の株式会社Sharing Innovationsが東証マザーズに上場。上場に伴って得た保有株の売却資金で、専門人材の確保やM&A強化に乗り出す。

2020年12月期決算説明会資料

競合他社

大手企業向けにクラウドサービスを提供する3915株式会社テラスカイ(2020年2月期売上高9,300百万円)、クラウド運用自動化サービスに強い4434株式会社サーバーワークス(同6,811百万円)、大手ネット広告代理店の4751株式会社サイバーエージェント(2020年9月期478,566百万円)などが競合となり得るが、いずれの事業も競合が多い。

連結の範囲

持株会社体制で、連結子会社11社を持つ。主要な連結子会社は広告運用サービスを提供する株式会社デジタルアイデンティティと、デジタルトランスフォーメーション事業を担う株式会社Sharing Innovationsである。

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強み・弱み

2019年4月に子会社化した株式会社ワン・オー・ワンはタレントマネジメントシステム「スキルナビ」で大企業から中小企業まで、幅広い顧客への導入実績を有することが強み。また、「コト×Tech」の最先端企業を中心に出資する先の3社が上場するなど、経営陣のこれまでの経歴を生かしたネットワークから、業界での相応のプレゼンスや営業的な強みを有していることが予想される。一方で、M&Aによる人材獲得を戦略に掲げるが、DX推進サービスを提供するにあたっての人材確保やM&Aは今後一層厳しさが増すと予想されることが懸念点である。

KPI

KPIには売上販売管理費率が挙げられる。
売上販売管理費率:18.1%(2020年12月期第4四半期)

2020年12月期決算説明会資料

業績

売上高は2016年12月期から2020年12月期の過去5期で約2.4倍に増加。経常利益は約2.3倍に拡大。営業CFと財務CFはプラスを継続、投資CFはマイナスを継続。自己資本比率は2020年12月期で38.9%と、前期の35.9%から改善