2726 パルグループホールディングスの業績について考察してみた

2726 パルグループホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.08 47,154 4,592 9.74%
FY2024.Q3 2023.11 48,400 5,249 10.85%
FY2024.Q4 2024.02 49,999 3,057 6.11%
FY2025.Q1 2024.05 51,441 6,306 12.26%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.02 29,647 1,118 3.77%
FY2018.Q1 2017.05 30,359 2,589 8.53%
FY2018.Q2 2017.08 29,869 1,065 3.57%
FY2018.Q3 2017.11 31,231 2,570 8.23%
FY2018.Q4 2018.02 31,782 818 2.57%
FY2019.Q1 2018.05 32,167 2,699 8.39%
FY2019.Q2 2018.08 32,395 1,198 3.7%
FY2019.Q3 2018.11 32,985 2,915 8.84%
FY2019.Q4 2019.02 32,927 1,121 3.4%
FY2020.Q1 2019.05 34,138 3,665 10.74%
FY2020.Q2 2019.08 32,820 1,859 5.66%
FY2020.Q3 2019.11 32,714 2,486 7.6%
FY2020.Q4 2020.02 32,491 1,057 3.25%
FY2021.Q1 2020.05 15,834 -3,088 -19.5%
FY2021.Q2 2020.08 29,331 1,327 4.52%
FY2021.Q3 2020.11 31,894 3,211 10.07%
FY2021.Q4 2021.02 31,463 -67 -0.21%
FY2022.Q1 2021.05 31,210 1,793 5.74%
FY2022.Q2 2021.08 31,985 1,045 3.27%
FY2022.Q3 2021.11 35,317 2,795 7.91%
FY2022.Q4 2022.02 35,688 1,887 5.29%
FY2023.Q1 2022.05 39,183 4,423 11.29%
FY2023.Q2 2022.08 39,010 3,159 8.1%
FY2023.Q3 2022.11 42,479 4,805 11.31%
FY2023.Q4 2023.02 43,810 3,435 7.84%
FY2024.Q1 2023.05 46,991 5,707 12.14%
FY2024.Q2 2023.08 47,154 4,592 9.74%
FY2024.Q3 2023.11 48,400 5,249 10.85%
FY2024.Q4 2024.02 49,999 3,057 6.11%
FY2025.Q1 2024.05 51,441 6,306 12.26%

沿革

株式会社スコッチ洋服店のカジュアル部門から分離し、1973年に大阪府にて株式会社パルを設立。ジーンズショップ「パル青山」の運営を皮切りに、衣料事業への参入を開始する。その後、インポートセレクトショップ、300円ショップの「3COINS」など雑貨事業においても多店舗を展開。2016年9月の会社分割方式に伴い、商号を株式会社パルグループホールディングスに変更する。株式は2001年12月JASDAQへ上場。2004年2月東証二部に、2006年8月東証一部に変更50以上のブランドを持ちSPA(製造小売業)率が8割を超えるアパレル事業者である

株主構成

参照日時:2023/08/31

氏名又は名称所有株式数割合
株式会社スコッチ洋服店15,698,92036.16%
井上 隆太3,649,3368.41%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)3,345,3007.71%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)3,084,6007.11%
株式会社三井住友銀行1,177,0482.71%
株式会社三菱UFJ銀行1,098,4402.53%
JP MORGAN CHASE BANK 385632|(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)761,4001.75%
公益財団法人パル井上財団600,0001.38%
GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL|(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社)545,4051.26%
井 上 英 隆534,0721.23%

取締役会

参照日時:2023/02/28

役職名・氏名生年月日任期所有株式数
代表取締役会長
井 上 英 隆
1935年9月13日(注)11,034,072
代表取締役社長
井 上 隆 太
1965年6月8日(注)13,649,336
取締役兼執行役員副社長兼内部監査室長兼管理本部長
有 光 靖 治
1934年4月23日(注)173,968
取締役
渡  辺  隆  代
1962年2月9日(注)1352,480
取締役
樋 口 久 幸
1939年8月18日(注)1-
取締役
寺 西 賢 作
1951年11月28日(注)1-
監査役常勤
藤 井 利 雄
1957年12月15日2023年5月~2027年5月-
監査役
平 野 惠 稔
1963年5月9日2020年5月~2024年5月-
監査役
中 澤 未 生 子
1974年4月9日2022年5月~2026年5月-

(注) 1.任期は、2023年5月~2024年5月であります。

2.取締役の樋口久幸及び寺西賢作は社外取締役であります。

3.監査役の平野惠稔及び中澤未生子は社外監査役であります。

4.代表取締役社長 井上隆太は、代表取締役会長 井上英隆の長男であります。

5.取締役渡辺隆代は、代表取締役会長 井上英隆の長女であります。

※有価証券報告書から抜粋

代表取締役の経歴

代表取締役会長の井上英隆氏は1935年9月生まれ。1961年9月株式会社スコッチ洋服店を設立。1973年10月同社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年5月英隆氏に社長を譲り、現在の代表取締役会長に就任した
代表取締役の井上隆太氏は1965年6月生まれ。関西学院大学を卒業後、1989年4月3401帝人に入社。1995年5月同社に入社、取締役に就任。2008年5月株式会社パルの代表取締役社長を務める

報告セグメント

2023年11月期 参照日時:2023/11/30

セグメント売上高(百万円)
衣料事業88,496
雑貨事業53,904

衣料事業と雑貨事業の2報告セグメントと報告セグメントに含まれない人材派遣業等のその他に大別され、2022年2月期の売上高134,200百万円の構成比は、衣料事業が64.9%、雑貨事業が35.0%、その他事業が0.1%。営業利益のうち7割弱は雑貨事業で計上され、同セグメントの利益率は8.9%と衣料事業の3.9%に対し高くなっている。

事業モデル

衣料事業では、消費者向けに衣料品の販売を行う。コアターゲットは下図の通りハイファッション~マスファッション層としている。

同社リクルート用HP TOP>パルについて>事業戦略

様々なブランドを展開し、トレンドが変わっても安定して業績をあげることができるとしている。またそもそもトレンドに左右されない「ライフスタイル提案型」のブランドも誕生している。

同社リクルート用HP TOP>パルについて>事業戦略

2000年代頃からSPA化率向上やMDサイクルの短期化に積極的に取り組み、2007年からSPA化率8割を維持、さらなるMD改革により粗利率58%を目指している。また近年はECを強化しており、ZOZO TOWNと直営PALCLOSETの2つのチャネルを中心に衣料売上高に占めるEC化率向上に努めてきた。コロナ禍の追い風により、2022年2月期第2四半期時点でEC化率は38.0%と、前年同期比の23.9%から大きく上昇。(MD=マーチャンダイジング、商品を消費者に届けるための施策)
雑貨事業は、300~1,000円の価格帯に設定した『3COINS』を中心に、8ブランドを保有する。
尚、その他事業には、労働者派遣、職業紹介、店舗開発情報収集、不動産管理、ホテル経営などが含まれる。
2022年2月期末の店舗数は、衣料部門で約600店舗、雑貨部門で約300店舗の合計902店舗を展開しており、ショッピングモールなどでの出店を主としている。衣料部門は退店により減少する一方、巣籠需要のニーズにより引き合いが強い雑貨部門の店舗数は増加傾向にある。
衣料・アパレル業界は、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置解除後、店舗への来客数も増加し回復傾向がみられるが、新たな変異株の出現などにより、先行きは未だ不透明な状況が続いている。

競合他社

連結の範囲

同社グループは、パルグループホールディングス社を持ち株会社として、連結対象の子会社は9社、持分法適用子会社は3社で構成される。連結子会社は、国内8社、海外は中国とシンガポールに各1社。持分法適用子会社は、国内1社、海外2社である。このうち主要な子会社は、衣料事業を営む株式会社パルと株式会社ナイスクラップで、連結売上高に占める売上割合はそれぞれ約86%、12%である。

強み・弱み

「パルマップ」という、自社独自の指標を使いファッション業界のトレンドに対応していることが同社の強み。トレンドを8つで認識し、それぞれのトレンドを補完可能な様々なジャンルのブランドを取り扱う。さらに、AIを用いてEC販売と実店舗の連携を図り、適切な在庫管理を実現している点も強みである。また、雑貨事業でオリジナル商品を中心とした「3COINS」が同社の売上高増加に寄与していることも強みの一つである。ファッション業界では値段の2極化が進み、ファストファッションにもハイブランドにも属さない中価格帯のブランドの運営の難しさが増している。特定の顧客層から圧倒的な指示を得るブランドがないことは弱みである。

KPI

同社の進めるEC化、値下げ販売の傾向を把握できる衣料事業の客単価の動向、出退店数、PALアプリ会員数などはKPIとなり得る。
①EC化率:2022年2月期 37.8%(前年同期比6.4pt上昇)
②客単価の動向(衣料事業):2022年2月期 前年度比108.3%
③出退店数:同時点で「3COINS+」中心に47店舗出店、退店も77店舗で2022年2月期末比30店舗純減の902店舗
④パルアプリ会員数:2023年度に1,000万人計画、下図参照

2022年2月期決算説明会資料
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