2931 ユーグレナの業績について考察してみた

2931 ユーグレナの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

株式会社ユーグレナの事業概要

 株式会社ユーグレナは、東京都港区に本社を置くバイオベンチャーである。藻類の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発及び生産管理、品質管理、販売等を展開している。

沿革

 株式会社ユーグレナは2005年8月に出雲充が仲間2名と設立する。ベンチャー支援をしていた当時のライブドア社長であった堀江貴文も同社の株主となっている。同年12月には世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功する。2012年12月に東京証券取引所マザーズ上場を果たし、2014年12月には東京証券取引所第一部に市場変更した。2015年1月第1回日本ベンチャー大賞を受賞している。

株主構成

 主要株主は、出雲充(14.25%)、日本トラスティ・サービス信託銀行(1.81%)、JXTGホールディングス(1.74%)、インスパイア(1.6%)である。

取締役会

同社には取締役が7名在籍しており、3名は監査等委員である。出雲氏と永田氏以外は全員社外取締役である。

代表取締役の経歴

 2002年東京大学農学部農業構造経営学専修卒業後、株式会社三菱東京銀行に入行する。その後2005年に株式会社ユーグレナ代表取締役社長に就任する。

報告セグメント

 株式会社ユーグレナの報告セグメントはヘルスケア事業(売上高構成比率99.9%)とエネルギー・環境事業(同比率0.1%)の2つに分けられる。

事業モデル

ヘルスケア事業では健康食品、化粧品のOEM製品及びユーグレナ粉末等の原料粉末の受注生産を行っている。主な商品・サービスはヘルスケア商品に野菜・魚・肉の栄養素をバランスよく持つ石垣島ユーグレナを配合した「からだユーグレナ」、ビューティケア商品に石垣島ユーグレナから抽出した美容成分のユーグレナオイルとユーグレナエキスを配合した「one オールインワンクリームST」、遺伝子/健康検査サービスに健康リスク・体質の遺伝的傾向を解析できる「ユーグレナ・マイヘルス遺伝子解析サービス」がある。

連結の範囲

同社は子会社9社、関連会社4社により構成されている。

強みと弱み

 強みとして藻類の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)を中心とした微細藻類に関する研究開発を行い、化粧品や健康食品として実用化と収益化を果たしたことが挙げられる。また自社ECサイトを保有しており、消費者への直接販売を実現していることも強みと言える。
 これに対し弱みとしてミドリムシの実用化が化粧品や健康食品のみに留まっていることが挙げられる。エネルギーや環境事業への実用化はもちろんのこと、素材や原料などへの実用化と収益化を図っていく必要がある。また化粧品や健康食品の販売チャネルにおいては、一般小売店での販売が弱いことが挙げられる。

KPI

 主要事業であるヘルスケア事業の収益化の改善が急務になる。2020年9月期売上原価率は28.7%であることから、2020年9月期経常利益である△1,457百万円を解消するためには、約2,052百万円の売上増加が必要となる。これは主要商品である「からだにユーグレナ PLUS Green Capsule(税抜き価格6,300円)」を概算にて32.5万個販売する金額に相当する。ただし直接販売・流通販売の拡充に対する販売管理費の増加も加味しなければならないため、目標販売金額と数量はこの限りではないと言える。

業績

ヘルスケア事業の2020年9月期売上高は13,301百万円(前年比95.5%)であり、2020年9月期売上高13,317百万円の99.9%を占める株式会社ユーグレナの主要事業である。自社web通販サイトでの直接販売の他、ドラッグストアなどでの流通販売も行っている。販売比率は2019年9月期にて直接販売・流通販売の合計11,311百万円のうち直接販売9,893百万円(87.5%)、流通販売1,418百万円(12.5%)となっている。直接販売は広告宣伝費の抑制により売上・定期顧客数ともに減少ペースは鈍化するも反転成長には至っていない。流通販売においては「緑汁」のドラッグストア展開は初動では好調であった。しかしながら販路拡大、リニューアル商品投入や販売促進施策を進めるも、減少トレンドは継続している。
エネルギー・環境事業の2020年9月期売上高は33百万円(前年比223.2%)であり、2020年9月期売上高13,317百万円の0.1%を占める。現時点では売上構成比率は微細ではあるが、将来的な商業化を見据えたバイオジェット・ディーゼル燃料の製造・供給体制の構築と微細藻類ユーグレナのバイオ燃料用・飼料用原料として利用が可能になる見込みがある。
 2018年9月期決算から2020年9月期決算まで売上高は15,174百万円から13,317百万円まで1,857百万円減少した。経常利益においては2018年9月決算にて△1,097百万円、2019年9月決算にて△7,073百万円、2020年9月期にて△1,457百万円と、赤字計上をしている。収益化悪化の要因として主要事業であるヘルスケア事業の売上が減少したこと、2019年9月期に計上した子会社ののれんおよび固定資産の減損損失2,384百万円が挙げられる。