2910 ロック・フィールドの業績について考察してみた

2910 ロック・フィールドの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1972年6月設立(現:神戸市中央区)して惣菜の製造販売業を開始、1989年4月コロッケ専門店「神戸コロッケ」の1号店を神戸市中央区に出店、1991年3月大証2部特別指定銘柄として株式上場、1992年5月ハウスブランド「RF1」を創設、1996年1月大証第2部に指定、2000年2月東証1部に上場および大証1部に指定、2001年1月アジアをテーマとした惣菜店舗「融合」の1号店を東京都立川市に出店、2003年2月フレッシュジュース専門店「ベジテリア」の1号店を名古屋市中村区に出店、2005年9月和惣菜店舗「いとはん」の1号店を大阪市北区に出店、2010年3月セレクトショップ「グリーン・グルメ」の1号店を東京都豊島区に出店した。「神戸コロッケ」で知られる惣菜チェーンの大手である。

株主構成

有価証券報告書によると、2020年10月末日時点の筆頭株主は同社創業者で現代表取締役会長岩田弘三氏の資産管理会社とみられる株式会社岩田(自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合8.65%)、ついでロック・フィールド取引先持株会(同5.16%)。他は5%未満の保有で、会長の岩田弘三氏、明治安田生命保険、四国銀行、信託銀行の信託口などで安定株主はすくない

取締役会

取締役7名(社内4名、社外3名)、監査役3名(社内1名、社外2名)。監査役会設置会社である。社内取締役は全員プロパー出身者とみられる。社外取締役の中野勘治氏は株式会社ニチレイ取締役、三菱食品代表取締役社長および代表取締役会長等、門上武司氏は一般社団法人日本ソムリエ協会名誉ソムリエ等、松村はるみ氏は株式会社LIXILグループ執行役専務等の経歴を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の岩田弘三氏は1940年9月生まれ。1965年12月フランス料理店「レストランフック」を開業、1972年6月同社を設立して代表取締役社長に就任、代表取締役会長兼最高経営責任者等を経て2018年7月代表取締役会長に就任(現任)した。
代表取締役社長の古塚孝志氏は1965年2月生まれ。1988年4月入社、執行役員、取締役、常務取締役等を経て2014年7月代表取締役社長に就任、2016年5月専務取締役に就任、2017年7月代表取締役副社長に就任、2018年7月代表取締役社長に就任(現任)した。

報告セグメント

惣菜事業の単一セグメント。2021年4月期第3四半期累計のブランド売上構成比は、「RF1」が63.2%、「グリーン・グルメ」が19.0%、「いとはん」が7.0%、「神戸コロッケ」が5.4%、「ベジテリア」が1.8%、「融合」が2.0%、その他が1.6%だった。

事業モデル

サラダ・フライ・料理等の洋惣菜「RF1」を基幹ブランドとして、同社ブランドのセレクトショップ「グリーン・グルメ」、日本の伝統食を日本のサラダとして新提案する和惣菜「いとはん」、素材と製法にこだわった「神戸コロッケ」、フレッシュジュースとスープの専門店「ベジテリア」、アジア各国の人気メニューをアジアサラダとして提案する「融合」を、百貨店や駅ビル等を中心に出店している。
生産拠点は、神戸ヘッドオフィス(神戸市東灘区)、静岡ファクトリー(静岡県磐田市)である。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、巣ごもり消費でテイクアウト需要が高まった一方で、同社は主力出店先である百貨店や駅ビルの臨時休業・時短営業の影響を受けている

同社HP ホーム>ブランド・店舗検索>ブランド紹介

競合他社

中食(弁当・惣菜)市場の拡大に伴って、スーパー・コンビニエンスストア・外食・食品メーカー等を含めて競合が激化している。類似企業としては柿安本店(2294)、カネ美食品(2669)、ケンコーマヨネーズ(2915)など挙げられるが、持ち帰り弁当のハークスレイ(7561)やプレナス(9945)、さらに新型コロナウイルスに伴ってテイクアウトを拡大している外食分野のファミレス・牛丼・定食・ファーストフードなどとも競合する。

連結の範囲

2020年4月期末時点でグループは同社、および子会社1社で構成されている。子会社の岩田(上海)餐飲管理有限公司は中国上海市で惣菜の製造販売を行い、上海にある日系百貨店の久光の地下食品フロアで「RF1」を出店するなどしている。

強み・弱み

「神戸コロッケ」で知られる大手惣菜チェーンでブランド力は高い。「中食」が注目され始めた2000年前後には、主力ブランドの「RF1」が柿安本店の「柿安ダイニング」とともにデパ地下の人気惣菜店2強と称された。しかし近年は惣菜の多様化に伴って独自色を打ち出す新興勢力の台頭もあり、デパ地下や駅ビル等での存在感が低下している。
リスク要因としては、競合や食品安全性などがあげられる。

KPI

店舗数が主たるKPI。2021年4月期第2四半期末時点の店舗数は、「RF1」が142店舗、「グリーン・グルメ」が66店舗、「いとはん」が34店舗、「神戸コロッケ」が35店舗、「ベジテリア」が26店舗、「融合」が11店舗、その他が3店舗、合計317店舗(2020年4月期末比3店舗増)となった。全店・既存店別に開示する月次売上推移も参考となる。

2021年4月期 第3四半期決算補足説明資料

業績

2016年4月期から2019年4月期の4期間の連結業績の推移を見ると、売上高は2016年4月期の49,935百万円から2019年4月期の50,978百万円、営業利益は2016年3月期の2,548百万円から2019年4月期の2,422百万円、経常利益は2016年4月期の2,584百万円から2019年4月期の2,461百万円となり、売上、利益とも概ね横ばいで推移し、伸び悩み状況となっている。なお2020年4月期および2021年4月期は新型コロナウイルスによる一時的売上減少の影響を受けている。自己資本比率は概ね80%台で推移し、営業キャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。新型コロナウイルスの影響は一時的要因と考えることも可能だが、近年の伸び悩みから脱するためには新業態の開発・収益化が課題だろう