9270 バリュエンスホールディングスの業績について考察してみた

9270 バリュエンスホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2011年12月ブランド品、時計、貴金属、骨董品等の買取及び販売を目的とした株式会社SOUを大阪府に設立。2014年12月完全子会社「株式会社ブランドコンシェル」を設立(2016年に吸収合併)し、予約可能買取専門店「BRAND CONCIER銀座店」を1号店として東京都にオープン。2018年3月東証マザーズに上場。2019年7月香港でブランド品等の買取を開始。2020年3月持株会社体制へと移行、社名を株式会社SOUからバリュエンスホールディングス株式会社に変更。「なんぼや」「BRAND CONCIER」などを運営するリユース事業を営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年8月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の嵜本晋輔氏が代表を務める資産管理会社SFプロパティマネジメント株式会社で55.85%を保有。次いで、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が12.45%を保有し、以下5%未満の保有で、国内外の信託銀行や嵜本晋輔氏個人などが並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内4名、社外6名)、うち4名は監査等委員(社内1名、社外3名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名は、アマゾンジャパン合同会社や株式会社デジタルガレージ、オリックス・ファシリティーズ株式会社の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の嵜本晋輔氏は1982年4月生まれ。高校卒業後、Jリーグ「ガンバ大阪」への入団と同時に関西大学に進学。2004年6月に株式会社MKSコーポレーション(現株式会社ドロキア・オラシイタ)の常務取締役に就任し、2011年12月に同社を設立。バリュエンステクノロジーズ株式会社の取締役やバリュエンスジャパン株式会社の取締役、バリュエンスベンチャーズ株式会社の代表取締役などを兼任する。

報告セグメント

「ブランド品、骨董・美術品等リユース事業」の単一セグメント。2021年8月期第1四半期の売上高は13,254百万円、営業利益は197百万円であった。

事業モデル

ブランド品、骨董・美術品等リユース事業は、「商品買取」と「商品販売」に大別される。
「商品買取」では、主にブランド品、貴金属、時計、地金、宝石などのリユース品及び骨董品、美術品を取り扱い、国内及び海外において買取を行う。買取方法は「店頭買取」「宅配買取」「出張買取」「オンライン買取」の4種類であり、海外においては「店頭買取」を中心に展開。
「店頭買取」は、商品を買い入れる店舗へ、顧客が売却したい商品を持ち込み、店頭でコンシェルジュが鑑定・査定し、その場で買取を行う。「なんぼや」「BRAND CONCIER(ブランド コンシェル)」では主にブランド品や貴金属等を買い入れており、「古美術八光堂」では主に骨董品・美術品を買い入れる。「店頭買取」のほか、顧客に売却希望商品を宅配にて送ってもらう「宅配買取」、顧客の自宅に訪問する「出張買取」を展開する。また、ビデオ通話を活用してコンシェルジュが鑑定・査定を行う「オンライン買取」も展開する。同社は高価格帯の商品の取り扱いに注力しているため、顧客自身の手により直接店頭に持ち込みたいというニーズが強く、店頭買取が全体の大半を占める。一方で、宅配買取、出張買取、オンライン買取とサービスを拡充しており、外出ができない状況であっても商品を売却できる仕組みを構築。また、商品仕入の9割が個人顧客からの買取によるものであり、集客は創業時より注力してきたWEBマーケティングと、テレビCMをはじめとしたマスマーケティングなど複数の施策を活用している。
「商品販売」では、商品買取で買取った商品を同社グループが運営するオークションを通じて国内外パートナーに販売する。一部商品においては卸販売も行い、オークション及び卸販売の合計割合は売上高の約92%を占める。
同社が属するリユース・リサイクル事業においては、フリマアプリの拡大・浸透をはじめとして市場が活性化しており、サステナビリティへの関心もあってリユースの注目度は更に高まっている。このような状況の中、一般消費者からの買取は依然として競争が激しく、販売面においても、小規模なものも含めると数多くの業者向けオークションが乱立している。今後も、新規参入やM&Aなどによる企業再編の動きが加速するものと予想される。

競合他社

2780コメ兵ホールディングス(直近決算期売上高507億円)、6993大黒屋ホールディングス(直近決算期売上高126億円)、3328BEENOSのバリューサイクル部門で運営する「ブランディア」などの中古ブランド品を取り扱う企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社11社、持分法適用関連会社1社の計13社で構成され、ブランド品、貴金属、時計、地金、宝石及び骨董品、美術品などの買取、販売を主としたリユース事業を中心に展開する。

強み・弱み

鑑定・査定を行うコンシェルジュや鑑定士たちの目利き力が強み。香港にも買い取り拠点を有し、競争が厳しい中、他社と異なる市場に買取ルートを有すことは強みと言える。リユース品の買取仕入れは新品と異なり、顧客の売却希望商品の持込数に依存することから、仕入量の調節が難しい点が弱み。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     GMV(総取扱高)
②     オークション委託比率
③     海外売上高比率
④     海外パートナー数
⑤     買取店舗数(国内外)

2021年8月期 有価証券報告書

業績

2017年8月期から2021年8月期までの5期をみると、売上高は22,685百万円から52,512百万円と倍増。経常利益のピークである2019年8月期は2,262百万円、2021年8月期は976百万円となっている。コロナ禍により接客数や仕入れ数が減少した。営業CFは2018年8月期以降プラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年8月期第1四半期の自己資本比率は33.4%。

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