7689 コパ・コーポレーションの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1998年実演販売の文化継承を目的に有限会社コパ・コーポレーションを設立、2006年12月株式会社に組織変更、 同年株式会社実演販売士協会を設立。 “Gゼロクッション“や“夢ゲンクールタオル“などの生活用品を中心とした商品を企画し、実演販売という手法にこだわって販売してきた。2010年3月ハイホームマーケット株式会社設立。2015年1月前述の2社を吸収合併。2018年より自社直営で実店舗とECサイト「デモカウ」を開始。2020年6月東京証券取引所マザーズ上場

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末日時点の大株主は、代表取締役社長の吉村泰助氏が40.5%、同氏が設立し代表取締役に就任しているエンパワーフィールド株式会社が24. 8%と株式会社チョイズが7.1%、同社従業員持株会2.4%が上位に並び、その他は国内外の信託銀行の投資口が中心である。自己株式保有は単元未満にてほぼゼロ。

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役3名(社内1名、社外2名)で、監査役設置会社である。後述の社長を除く取締役は、プロパーの取締役営業本部長を除き、経歴や入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

創業者で代表取締役社長の吉村泰助氏は1968年8月生まれ、國學院大學文学部を卒業。1990年から日本シール株式会社の専属宣伝販売士として実演販売の活動を経験した後に当社を創業。米国NLP協会認定トレーナーアソシエイションとしてコミュニケーション心理学の資格を有す。
かつて実演の聖地といわれた秋葉原デパートで磨き上げたロジカルな実演販売は、現在も店頭・TV・インターネットで健在である。

報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル

実演販売関連事業の単一セグメント。 TV通販、ベンダー販売、インターネット販売、セールスプロモーション、デモカウ(直営の実店舗とECサイト)の5つの販売チャネルを持つ。チャネル別の売上高構成は下図の通りで、TV通販が売上高の半分を占め、2020年3月期には売上高の15.5%を依存する先としてテレビ朝日系のテレビショッピング事業者株式会社ロッピングが開示されている。販売先にはベンダーとみられるドン・キホーテや東急ハンズも確認される。尚、セールスプロモーションについては、事業モデルの欄に記載の通り他の4つとは異なる性質である。

2021年3月期第2四半期 決算説明資料

事業モデル

PB商品・非PB商品のいずれも扱い、PB商品はメーカーや工場と共同企画した商品を独占販売の形で仕入れている。尚、2020年3月期の仕入高の62.7%は協和工業株式会社に依存している。販売はTV通販、ベンダー販売、大手ECサイト上の同社ショップ、同社直営のECサイトデモカウ、実店舗のデモカウの5つである。同社が「3Dマーケティング販売戦略」と呼ぶ手法は、TV通販や直営店での実演販売が広告効果を発揮し、ベンダー販売やインターネット販売で販売効果を得るという循環を生む。また、実演販売において消費者と直に触れ合うことで消費者のニーズを掴み、商品企画に活かしている。「夢ゲンクールタオル」「ゴムぽんつるつる」「Gゼロクッション」「Gゼロインソール」などは同社の代表的なPB商品である。
販売チャネルに掲載されるセールスプロモーションでは、他社の依頼を受けて実演販売士を派遣している。

2021年3月期第2四半期 決算説明資料

競合他社

実演販売にこだわった商品企画・販売を行っている競合はない。販売形態別にみればTV通販ではジシャパネットタカタ、取扱商品では8165千趣会や生活協同組合などと重なる部分も多いが、いずれも完全には一致しない。

連結の範囲

連結子会社の該当なし。

強みや弱み

同社の強みは、実演販売により“今までなかった便利な日用品“の市場を作り出すだけの力を持つ実演販売士を35名程度抱え、派遣できる規模にあること。一方で、消費者の認知度が高まった”便利さ”は技術的には安価に模倣が可能で、汎用品となった後は価格競争となるため収益性が逓減する点は弱みである。また、EC市場の拡大とプロモーションにおけるSNSの影響力の拡大に対して、3Dマーケティング手法でアプローチできる顧客層の限界も懸念点と見られる。

KPI

各PB商品の販売動向がKPIになり得るが、四半期決算毎の売上高の開示はなく前年同期比の変動率のみである。TV通販による宣伝効果がベンダー販売やインターネット通販の販売につながるとの同社主張によれば商品名「夢ゲンクールタオル」「ゴムぽんつるつる」「Gゼロクッション」「Gゼロインソール」などや「デモカウ」の検索キーワードの推移や、インターネット通販サイトへのアクセス数などは参考となり得る。

業績の進捗

同社の過去5期分の経営状況をみると、2018年3月期は売上高2,503百万円、経常利益265百万円とそれまで大差ない水準で推移していたが、2020年3月期には売上高5,605百万円、経常利益863百万円へと2年間で急拡大した。5,500円と高単価のGゼロクッションのヒットが貢献していると見られる。利益の蓄積により、直近の自己資本比率は62.4%と5期前の39.2%から急改善。CF計算書については直近3期のみの作成、仕入債務や棚卸資産の増減による変動があり水準は安定しない。
2021年3月期第2四半期の業績は、売上高3,943百万円、営業利益609百万円、四半期純利益415百万円(前年は第2四半期の財務諸表作成なし)であった。