3328 BEENOSの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1999年11月、Eコマース関連事業の企画・開発・運用を目的として、東京都にて株式会社ネットプライスとして設立。国内初の共同購入方式によるEコマースサイトをPCサイト、モバイルの順に展開。2004年7月東証マザーズへ上場。バリューサイクル事業や米国eBay Inc.との業務提携など事業を拡大。2007年2月ネットプライスドットコムへ商号変更。2014年10月商号をBEENOS株式会社に変更。2016年10月東証一部へ変更。越境EC事業において個人及び事業者の商品の売買を言語・決済・物流面でワンストップにサポート

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、日本カストディ銀行の信託口で10.77%保有を筆頭に、創業者で現在はキャピタリストの佐藤輝英氏が9.57%、J.P.MORGAN BANKが6.74%、デジタルガレージが6.55%、の他は信託銀行等の信託口や証券会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、監査役は3名(全員社外取締役兼任)、監査役会設置会社である。社内取締役はいずれも中途入社で年齢は40~50歳代、経歴は様々である。常務執行役員の竹内拓氏だけは創業直後の2000年より在籍。

代表取締役の経歴

代表取締役執行役員社長兼グループCEOの直井聖太氏は、1980年12月生まれ。明治学院大学を卒業後、2005年4月株式会社ベンチャーリンクへ入社。2008年9月に同社へ入社。2012年5月取締役就任を経て、2014年12月より代表取締役社長兼グループCEOへ就任。2020年10月より執行役員社長へ就任。

報告セグメント

Eコマース事業とインキュベーション事業の2報告セグメントに大別される。Eコマース事業は、グローバルコマース部門、バリューサイクル部門、エンターテイメント部門、からなる。2021年9月期の売上高6,275百万円の構成比は、グローバルコマース28.1%、エンターテイメント26.3%、バリューサイクル45.2%、インキュベーション0.3%。

2021年9月期 第1四半期決算説明会資料

事業モデル

グローバルコマース部門は、「海外転送・代理購入事業(FROM JAPAN)」と「グローバルショッピング事業(TO JAPAN)」に大別される。
海外転送・代理購入事業は、海外居住者向けに、日本の商品を代理発送や代理購入する越境EC関連サービスで「Tenso.cpm(転送コム)」と「Buyee」を運営し、併せて2,000以上の国内ECサイトの海外販売を言語・決済・物流の面でサポートする。取引ごとに国別や荷物の従量別に手数料を徴収。自社サイトに数行のタグを設置するだけで簡単に海外販売を開始できるサービス「Buyee」はメルカリと業務提携しており、メルカリの出品商品を世界100か国以上へ販売するのを支援
グローバルショッピング事業は、子会社の株式会社ショップエアラインで海外の商品を日本から購入できるショッピングサイト「セカイモン」を運営しており、e-Bay社と提携
バリューサイクル部門は、「ブランディア」を運営し、消費者から買取りしたブランド品やアクセサリー、アパレル等をメンテナンス後にオークションを通じて販売。
エンターテイメント部門は、タレントやキャラクターのライセンスを用いた商品のプロデュースや、日本のアーティストグループの公式グッズや販売サイトの運営を行う。インキュベーション事業は、新興国を中心とした海外のインターネット関連事業、および日本国内のインバウンド消費関連市場のスタートアップ企業への投資や育成支援を行う。
越境EC市場は高い成長率でグローバルに注目を集める事業領域。インターネットの普及により、消費者の購買行動がグローバル化していることが要因の一つ。米国ではAmazon、中国ではT-MALL、タイ・シンガポール・ベトナムではLazadaなどのショッピングモール型のサービス認知度・利用機会が各国で拡大中。利用を望む購入者及び出品者にとって、言語・決済・物流の問題を解決するプラットフォームの需要も高まるとみられる。

競合他社

越境ECに関連し、サイト運用、マーケティング支援、出荷代行などを提供する会社は複数存在し、日本から世界へ販売する越境ECソリューション「BuySmartJapan」を子会社で展開する4819デジタルガレージ、輸出販売サービス「SD export」を展開する3031ラクーンなど挙げられる。同社は越境ECに特化して日本と海外の双方向のワンストップサービスを提供する点が特徴である。

連結の範囲

持株会社によるグループ経営体制をとっており、各事業はそれぞれ連結子会社18社と持分法適用会社で行う。連結子会社は日本国内11社と海外7社の合計18社、持分法適用会社は日本国内2社と海外1社、他1社(不明)の合計4社で構成される。海外の連結子会社は台湾の2社、シンガポールの2社、アメリカ、イギリス、オランダの各1社、海外の持分法適用会社はシンガポール1社。

強み・弱み

日本と海外の双方向の越境ECに知見と実績を有す点は強み。越境ECの為替リスクは出品者側が負うことが多く、為替の変動に応じてタイムリーに販売価格を変動することも煩雑なため、出品者の自国通貨が安い場合(日本から海外へ輸出の場合は円安)は取扱量が増え、逆の場合は取扱量が抑制される傾向にあるとみられる、為替変動に応じた売り手・買い手双方への対応を要す。国内外で事業拡大に伴う人材を確保できるかは課題

KPI

流通総額に対する売上高の比率をTake rateとして開示している。海外顧客による売上(From Japan)では18%以上、日本顧客による売上(To Japan)は26%以上で漸増傾向。流通総額を見る指標として、「セカイモン」への出品数や、Tenso.comの会員数が参考になると考えられる。

同社HP(IR情報 最新決算資料) 財務・KPI数値データ(四半期推移)

業績

2016年9月期から2020年9月期まで、売上高・営業利益は高い成長率で推移、5期間で売上高は1.3倍、営業利益は2.8倍へ拡大。営業CFは2018年9月期と2019年9月期が売掛債権の増加を理由にマイナスであったが、足元ではプラスに転じている。投資CFは恒常的にマイナスだが、5期通算の営業CF約60億円に対して投資CFは16億円、投資事業を展開していることを鑑みると金額は大きくはない。自己資本比率は50%前後で推移。