3323 レカムの業績について考察してみた

3323 レカムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1994年9月通信機器やOA機器の販売・保守を目的として東京都で株式会社レカムジャパンとして設立、NTT製通信機器の販売を開始。1995年5月営業フランチャイズの加盟店募集を開始し、2000年4月デジタル複合機(MFP)の定額保守サービス『RET’S COPY』を開始。2003年10月中国・遼寧省に大連レカム通信信息服務有限公司を設立。2004年5月大証ヘラクレスへ上場、2013年7月東証JASDAQへ変更。中国・遼寧省で大連レカム通信設備有限公司の新設や、国内での他企業の買収などを進める。2008年から2013年まで持株会社制の導入や廃止を経て現在のレカム株式会社へ。2017年7月のベトナムを皮切りに、マレーシア、ミャンマー、台湾などへ積極的に展開。ビジネスホンやデジタル複合機等の情報通信機器のリース販売と設置工事や保守に加えてBPOなどの事業を行う

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は代表取締役社長兼グループCEO伊藤秀博氏で6.15%を保有。他は5%未満の保有で、取引先の2763株式会社エフティグループが2.46%、日本証券金融株式会社(8511)が1.11%を保有し、その他に一般個人とみられる名前が複数並ぶ。機関投資家と見られる保有は楽天証券0.64%の他ない

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、社内1名と社外2名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表取締役を除く社内取締役3名は、いずれも他社からの中途入社でそれぞれ多様な経歴を持ち年齢や入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼グループCEOの伊藤秀博氏は1962年11月生まれ。東京都出身。1985年4月新日本工販株式会社入社。1991年4月に株式会社アイシーエスを設立(1997年に同社へ吸収合併)。2006年10月レカムグループCEOに就任。

報告セグメント

「ITソリューション事業」、「エネルギー事業」、「BPR事業」、「海外法人事業」の4報告セグメントに大別され、2020年9月期決算の売上高8,739百万円の構成比はITソリューション事業46.6%、エネルギー事業27.0%、BPR事業7.1%、海外法人事業19.3%である(調整額118百万円の調整前)

事業モデル

ITソリューション事業はビジネスホン、デジタル複合機、サーバーやその他OA機器等の情報通信機器を中心に直営店、フランチャイズ加盟店、代理店のチャネルで販売。フランチャイズ契約は加盟店を16店舗(2020年9月末日時点)抱え、1年ごととの自動更新契約でロイヤリティの一定料率をロイヤリティとして徴収する。主要顧客はNTTファイナンスとオリックスだが、両者への販売比率は10%未満で、約6万件の顧客データベースを有す。
エネルギーソリューション事業はLED照明、エアコン、太陽光発電システム等を販売。
BPR事業は同社グループ内の管理業務、およびグループ外の顧客からの受託管理業務を主にミャンマーや中国の大連や長春で実施。対象業務はデータ入力業務、人事・総務・経理などの間接部門業務、購買・調達など業務など幅広く対応可能。中小企業向けには、ロボっトやAIを活用した自動化や、業務の見える化をパッケージでも提供する。
海外法人事業はLED照明、業務用エアコン、情報通信機器等を中国、インド、およびASEAN地域で販売する。
2020年9月期は、BPR事業を除いて、コロナ禍による営業活動の制約や、受注の減少を受け減収減益となったが、パナマ共和国のメーカーが製造販売するウイルス除菌装置・空気浄化装置「ReSPR(レスパ)」の国内およびASEANでの販売を加速させ回復を図る。
今後の方針として、海外法人事業に経営リソースを集中する一方、BPR事業の営業を強化するとともに、ITソリューション事業においては定額保守サービスの取り組みやサブスクリプションモデルの確立を図り、ストック収入を拡大予定。

競合他社

中小企業向けに電話機やOA機器、LED照明を販売する2763エフティグループ(2020年3月期売上高45,887百万円)や、中小企業向けの通信機器販売、ネットワーク接続を行う8275フォーバル(2020年3月期売上高49,731百万円)がある。同社は、これらの競合他社と比較し、海外子会社による海外市場への事業展開を積極的に進めて差別化を図っているとみられる。なお、同社は、エフティグループから、海外子会社の譲渡を受け、それらを連結子会社としている。

連結の範囲

連結子会社は、日本国内7社と海外16社の合計23社で構成される。海外子会社は中国の4社、ミャンマー、タイ、フィリピンの各2社、台湾、ベトナム、マレーシア、インド、インドネシアの各1社である。

強み・弱み

アジアに複数の海外子会社を有し、成長性の高いアジア各国で販売実績を有することや、BPOの受託拠点を確立していることが強み。一方、テレワークの進展やペーパーレス化により、好調となる商材がある一方で、主力のビジネスホンや複合機などのOA機器の需要そのものが中長期的に減少する懸念は残る。

KPI

国内事業は各セグメント別の売上高と利益の動向がポイント。海外事業はマルチチャネル化を図っており、次のようなものがKPIとなり得る。
.ウイルス除菌装置「ReSPR(レスパー)」のT-mallでの販売状況

2021年9
月期第1四半期決算説明資料

業績

2016年9月期から2019年9月期までは増収増益を続けていたが、2020年9月期はコロナ禍の影響もあり減収、経常利益は赤字化。最終損益は、有価証券売却益の計上などにより、前年同期比2.8%増の327百万円と3期連続で最高益となった。営業CFはわずかにプラスか、営業債権の増加を背景にマイナスの期もある。投資CFはM&Aが続いた2018年9月期と2019年9月期に大型の支出があったほかは、営業CFの範囲に収まる程度のマイナス。自己資本比率は52.6%である。