8226 理経の業績について考察してみた

8226 理経の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1957年6月東京都にて理経産業株式会社を設立。1971年6月株式会社理経へ商号変更。1975年6月理経コンピューター株式会社を設立し、その後1986年4月同社に合併。1988年12月東証二部へ上場。1973年10月米国(2014年清算)、1974年7月香港、1995年4月シンガポール(2013年清算)、2001年8月(2005年清算)へ現地法人を設立、現在残っているのは香港と2017年10月に株式を100%取得した株式会社エアロパートナーズの米国子会社の2拠点。2017年12月株式会社ネットウエルシステムの株式を取得し、100%子会社とする。システムソリューション・IT機器などの輸入販売を行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の大株主は、同社の元取締役である石川理香氏が9.59%を保有するほか、5%未満の保有で株式会社三菱UFJ銀行、明治安田生命保険相互会社、楽天証券株式会社、松井証券株式会社、株式会社SBI証券、野村證券株式会社、理経従業員持株会、J. P. Morgan Securities plcなどが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役5名のうち2名は約24歳での入社でプロパーと見られるが他3名は30歳前後での入社、前職の経歴は不明。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の猪坂哲氏は1954年7月生まれ。芝浦工業大学卒業。1987年12月同社へ入社。大学官公庁営業部長などを経て、2009年6月取締役へ就任。2016年4月に現職へ就任し、事業統括本部長と経営企画室長を兼任している。

報告セグメント

「システムソリューション」、「ネットワークソリューション」、「電子部品及び機器」の3報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高2,837百万円の構成比は、システムソリューション19.8%、ネットワークソリューション5.4%、電子部品及び機器74.8%である。セグメント利益は、システムソリューション▲85百万円、ネットワークソリューション▲77百万円、電子部品及び機器128百万円であり、連結の営業利益は▲33百万円と赤字であった。利益面では第3四半期まで赤字の期が多く、第4四半期に利益が偏重し、通期で黒字化する傾向がある。

事業モデル

国内外のメーカーと販売代理店契約を締結し、次のようなシステムを販売している。
システムソリューションは、教育機関向けITインフラ・事務系システム、製造業向け3次元機械CADソフトウェア、民間企業向け情報セキュリティソリューション、統合型ネットマーケティングソフトウエア、VR/ARコンテンツ、IoTシステムなどを販売している。
ネットワークソリューションは、衛星通信及び放送用伝送システム、地方自治体向けの各種防災情報伝達システム、高速長距離無線LANシステム、ネットワークアクセスシステム、ファイル送受信システムなどを販売している。
電子部品及び機器は、マイクロ波部品、材料・接着剤、防衛・災害救護用機材、航空機及び航空機部品の販売・リース・カスタマーサポート、その他各種電子部品及び機器などを提供している。
主な販売代理店契約は、IBM社製品を取り扱う「株式会社イグアス」、防衛用機材を取り扱う「ARMTEC COUNTERMEASURES CO.」、3次元機械CADソフトウェアを取り扱う「PTCジャパン株式会社」、サーバー、ストレージ、ネットワークシステム、無線LAN等を取り扱う「日本ヒューレット・パッカード合同会社」、データ集録・GPIB製品、モジュール式計測・制御ハードウエアを取り扱う「日本ナショナルインスツルメンツ株式会社」である

2021年3月期 報告書

同社グループを取り巻く環境は、ますます顕著になっているクラウドサービスへの移行によるITインフラ構築の減少、放送のインターネット化の拡大による新たな競合の出現、コロナ禍の不透明な状況による製造業の投資抑制など、厳しい状況が続くと予想される。

競合他社

ネットワーク、ソリューション、ファシリティの3つを柱とする7505扶桑電通(直近決算期売上高403億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社4社により構成され、IT及びエレクトロニクス業界において日本、米国並びにアジアの技術的発展と各国の業界の動向、特色に着目し、これらの各国間での商品の輸出入販売を主要業務としている。

強み・弱み

「最適なソリューションを提供する優れた調達力」、「お客様の期待に応える課題解決力」、「提案から保守まで。安心の技術力」を強みとしている。子会社のエアロパートナーズで防衛省向けの取引実績があることや、システムソリューション事業やネットワークソリューション事業でも中央省庁向けビジネスや自治体向けの納入実績を持つことも、海外メーカーからの仕入れや販売において強みになると考えらえる。一方で、政策や公共予算が同社に与える影響が懸念されるほか、大型案件の失注も業績リスクとなる。中期経営計画でAI、IoT、5G通信、VR/ARといった新たな注力事業分野を掲げているが、同社事業は注力分野の選定とメーカーの選定の目利きが要となる。主力仕入先である海外メーカー側において、製品製造のスケジュール遅延、製品の瑕疵などが発生した場合に、業績への影響が懸念される。

KPI

事業範囲も広く、取扱製品も多く分散しているため、直接的なKPIは想定しづらい。次のようなものが考えられる。
①受注実績
②販売状況
③為替レート

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は6,505百万円から10,139百万円、経常利益は68百万円から226百万円となっている。売上高は順調に伸びているが、経常利益は期によって差が大きい。営業CFは2018年3月期以降プラス、投資CFは直近期のみマイナス。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は50.9%。

理経グループ中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)について