2767 フィールズの業績について考察してみた

2767 フィールズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1988年6月、愛知県に本社を置く株式会社東洋商事として設立され、遊技機販売と製鉄原料販売を開始。流通の枠にとどまらず、良質なIPを活用した遊技機の商品化等、遊技機のゲーム性・エンタテインメント性の向上にも取り組んだ。2001年10月、商号をフィールズ株式会社に変更すると共に本社を東京都に移し、遊技機の販売に特化した。2003年3月にJASDAQ市場へ上場し、2015年4月に東証一部へ市場を変更した。

株主構成

有価証券報告書によると、2020年9月末時点の大株主は、同社代表取締役会長兼社長の山本英俊氏が筆頭株主で27.4%、次いで弟の山本剛史氏11.1%、有限会社ミント4.9%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)2.4%。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役会長兼社長を除く社内取締役4名のうちプロパー社員とみられるのは1名。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の山本英俊氏は1955年10月生まれ。愛知県出身で、1988年6月に同社の前身である株式会社東洋商事を設立し代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

「パチンコ・パチスロ事業」の単一セグメント。『単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超える』として製品及びサービスごとの情報は開示しておらず、『本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超える』として、地域ごとの情報も開示していない。

事業モデル

パチンコ・パチスロ事業では、良質なIP(Intellectual Property:知的財産)の商品化権を獲得、もしくはグループで創出したIPを基に遊戯機の商品企画を行い、提携先メーカーに開発・製造を委託する。そして、商品化された遊技機を総販売元として独占的にパチンコホールに販売している。
提携先メーカーは、セガサミーグループ、SANKYOグループ、京楽産業グループ、第一商会グループ、カプコングループ、株式会社ユニバーサルエンターテインメントグループ等。一方、主な販売先は、株式会社マルハン、株式会社ガイヤ、株式会社ダイナム等。

競合他社

同社の説明によると、国内の遊技機流通商社は500~600社。ただ、同社のように全国展開している流通商社は他にない。遊技機メーカー各社も販売部門を有するため、競合するケースはあるが、多数のブランドや機種をラインナップしていることに加え、地理的な制約もあり、流通商社を必要としている。

連結の範囲

グループは、同社の他、連結子会社15社、持分法適用関連会社4社。主な連結子会社は、遊技機の開発・委託製造を行う新日テクノロジー株式会社、遊技機の企画・開発を行う株式会社BOOOM、遊技機用ソフトウエアの企画・開発を行う株式会社マイクロキャビン、遊技機のメンテナンス等を行うフィールズジュニア株式会社、映画・テレビ番組の企画・制作及びキャラクター商品の企画・製作・販売を行う株式会社円谷プロダクション、CGの企画・制作等を行う株式会社デジタル・フロンティア

強み・弱み

遊技機流通商社の中で、同社は数少ない全国展開企業であり、このネットワークとマンパワーを背景とする販売力と情報力、更には、IPの獲得力・創出力、多くの有力メーカーとのアライアンス、を強みとして挙げることができる。
一方、国内のパチンコ・パチスロ市場は成熟しており、市場の拡大は期待しにくい。また、遊技機業界の法的規制や自主規制、更には景気動向等によるパチンコホールの設備投資の影響を受け、業績の振幅が大きいことも弱みである。

KPI

2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるホールの営業自粛やメーカーの部材調達等の遅延等を受けて、期初の想定を大幅に下回る販売台数にとどまる見込みだが、こうした特殊要因がなければ、パチンコ・パチスロの販売台数はパチンコホールの設備投資動向を反映しており、同社の業績モーメンタムの判断材料となり得る。
・パチンコ・パチスロの販売台数

業績

2017年3月期から2019年3月期の3期連続で赤字を計上したが、経営基盤の整備・強化が奏功し2020年3月に黒字を回復した。経営再生は軌道に乗るかに思われたがコロナウイルスの影響から2021年3月期についても、期初に公表した1,200百万円の利益から2,200百万円の損失に修正済みである。経営再生もあり営業CFと投資CFは安定しない。2020年3月期の自己資本比率は52.6%であった。