4668 明光ネットワークジャパンの業績について考察してみた

4668 明光ネットワークジャパンの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

明光ネットワークジャパンの事業概要

沿革

1984年「サンライト株式会社」として創業し、1986年「株式会社明光ネットワークジャパン」へ商号変更。創業時より全学年対象の個別指導型学習塾の全国FC展開をしている。1997年4月ジャスダック市場に店頭登録、2003年2月に東京証券取引所第二部に上場、翌年8月には東京証券取引所第一部に変更。2009年東京医進学院の子会社化を封切に、早稲田アカデミーとの業務提携による難関校受験専門個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」や、「明光サッカースクール」の展開など、多角化の路線を進めている。

株主構成

2020年8月31日時点の大株主を見ると、筆頭株主は公益財団法人明光教育研究所7.9% 、次いで取締役会長の渡邉弘毅7.1%、前代表取締役副会長の奥井世志子3.16%とその関連会社とみられる明光株式会社3.9%、早稲田アカデミー1.3%、国内外の信託銀行の信託口で全10.6%と並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会構成

同社の取締役は6名(社内4名、独立役員の社外2名。)、監査役2名 (社外2名、内1名は常勤監査役、2020年11月前任者の急逝により法定員数を1名欠員状態)であり、監査役会設置会社である。専務の岡本光太郎氏はグロースポイントのパートナーでもあるとみられる。小宮山氏は現MAXISエデュケーションの代表取締役社長だったが、18年に同社グループ入りを機に執行役員へ就任し現在に至る。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の山下一仁氏は1959年12月生まれ、2007年3月同社へ入社(当時47歳)後、グループ化した子会社の代表取締役社長を務めるなど新規事業を管掌してきた。2018年より同社の代表取締役社長に就任している。

報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル

同社のセグメントは、明光義塾直営事業、明光義塾フランチャイズ事業、日本語学校事業の3つと、それ以外の教育関連事業をまとめたその他の合計4つに区分される。2020年8月期の売上高構成比は明光義塾直営事業が売上高10,297百万円で57%、FC事業は4,349百万円で24%、日本語学校事業は1,156百万円で6%、その他は2,414百万円で13%。尚、同期の営業利益214百万円の源泉は明光義塾フランチャイズ事業の1,428百万円で、30%を超えるセグメント利益率により、全社費用や赤字転落したその他の事業損失をまかなっている。

競合他社

学習塾業界の個別指導塾では同社はシェアトップ企業。競合では「東京個別指導学院」、「TOMAS」、「森塾」、やその他にも集団指導塾が併営するブランドが存在する。学習機会のICT化でスタートアップの参入も相次ぐ。

連結の範囲

2020年8月期本決算では、連結子会社7社、持分法適用関連会社1社、が報告されている。

事業モデル

明光義塾直営事業は、同社や、MAXISエデュケーション、ケイライン、ケイ・エム・ジーコーポレーション、One linkなどの子会社で教室を展開している。2020年8月本決算時点では全国1,862教室(同社直営244、連結子会社3社177社、FC1,441教室)を有する。尚、2020年12月に九州でのエリアフランチャイズ契約が終了し九州・沖縄・山口は外れている。
明光義塾フランチャイズ事業は、FC教室の開設・経営指導や機材・教材等の販売を提供しロイヤルティ収入や契約金、備品・教材売上などが収入源である。
日本語学校事業は、子会社の早稲田EDUや国際人材開発(JCLI)で運営する2校で、中国・ベトナムからの留学生1000人前後へ、幅広い日本語講座を提供する。
その他は、長時間預かり型学習塾「キッズ」事業や子供対象サッカースクール事業、高学力層向けの個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」や医系大学受験専門予備校事業などを展開する。

強みや弱み

個別指導塾として広く認知された「明光義塾」ブランドが同社最大の強みである。一方で学齢期人口は減少する中、学習塾市場はすでに飽和状態であり、他社との競争優位性を出しにくい点は弱みといえるだろう。

KPI

教室数そのものの増減と、教室毎の採算が同社業績の主要な指標となる。
①直営教室数421(前期比+24)、同社直営教室平均生徒数63名(同▲4.5名)
②FC教室数1,441(前期比▲99)とロイヤルティ収入2,727百万円(同▲11.1%)、生徒数78,991名(同▲9.6%)、1教室平均生徒数52.8名(同▲1.6名)
③日本語学校生徒数 954名(前期比▲828名)
④その他 早稲田アカデミー個別進学館生徒数4,126名(前期比+1,006名)
⑤その他 「キッズ」スクール数34校(+9校)、生徒数1,399名(前期比+255名)

懸念点

2017年度の大幅な学習指導要領の改訂を受け、学齢期の児童の学習環境は変革期が到来している。コロナ対応やGIGAスクール構想対応でのICT化など、激しい変化の中、スタートアップ企業等とサービス競争していくと見られる点は同社のリスクである。

業績の進捗

2020年8月期本決算は、売上高18,218百万円(前期比▲8.8%)、営業利益214百万円(同▲87.9%)、当期利益▲2,232百万円(同▲70.1%)と、大幅な減収減益である。コロナ禍の状況を踏まえ、事業計画を見直し、連結子会社5社ののれん減損2,296百万円や、ベンチャー投資先の評価損468百万円の特別損失計上が大幅最終赤字の要因である。2021年8月期は、売上高18,300百万円(前期比+0.4%)、営業利益264百万円(同+22.9%)、当期利益270百万円(黒字化)と、次年度の会社計画では、売上は維持し入国制限による日本語学校事業の減益分をのれん償却の減少や明光塾直営・FC事業の増益でカバーし増益を確保する見込みである