4714 リソー教育の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1981年学習塾運営会社として株式会社日本教育公社を東京都に設立。理想教育研究所という呼称で教室を展開。1998年10月株式会社リソー教育へ商号変更。個別指導塾『TOMAS』を運営。教室の8割が首都圏。日本証券業協会への店頭登録から、2001年3月東証二部上場、2002年6月東証一部へ変更。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末日時点の大株主は、取締役会長の岩佐実次氏が筆頭株主で21.5%、次いで日本マスタートラスト投信の信託口で9.5%、学校法人駿河台学園6.9%、日本カストディ銀行の信託口6.6%、日本道路興運株式会社6.3%、このほかにも国内外の信託銀行の信託口が並び機関投資家の保有が多い

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役4名 (社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。創業者で会長の岩佐氏を除き、代表権を持たない社内取締役は副社長の久米氏だけで、同氏は協和銀行入行後にみずほ証券とドイツ証券を経て、2017年5月に同社へ入社

代表取締役の経歴

代表取締役副会長の天坊真彦氏は1964年11月生まれ。1995年3月に同社へ入社。その後、2015年5月に専務取締役、2015年10月に代表取締役社長を経て、2019年7月現職へ就任。
代表取締役社長の平野滋紀氏は1971年8月生まれ。2001年3月に同社へ入社。その後、2015年5月に同社の常務取締役を経て、2019年7月現職へ就任。
代表取締役専務の上田真也氏は1956年12月生まれ。1996年1月に同社へ入社し、2015年5月取締役就任を経て2016年5月現職へ就任。
なお、同社の創業者で取締役会長の岩佐実次氏は、1949年5月生まれで1985年に同社の前身企業を設立以来、代表取締役を務めてきたが、2015年10月から代表権はない

報告セグメント

同社事業は、「学習塾事業」、「家庭教師派遣教育事業」、「幼児教育事業」、「学校内個別指導事業」、「人格情操合宿教育事業」の5報告セグメントに大別され、いずれにも該当しないものを「その他」としている。直近2020年11月期第3四半期の売上高26,704百万円の構成比は学習塾事業が9,461百万円で52.8%、幼児教育事業が3,718百万円20.7%、家庭教師派遣教育事業が3,372百万円18.8%、学校内個別指導事業が5.1% 923百万円、人格情操合宿教育事業が426百万円2.3%を占める。セグメント利益は、コロナ禍の影響を受けて赤字化しているセグメントが3つあり、前年同期比の実績も踏まえると伸芽会の利益率の高さと事業の安定性が突出していることが伺える。

事業モデル

学習塾事業は進学塾『TOMAS』を首都圏の駅前中心に約90校運営する。完全1対1の進学個別指導を小学生から高校生までを対象に提供し、『メディックTOMAS』の名で医学部受験の個別指導も展開する。
家庭教師派遣教育事業は『名門会』の名で、100%プロ社会人講師による家庭教師サービスを全国区で展開し、在籍教師数は5,000名以上。全国に33拠点の教室を有し、学習環境は自宅・教室の2つの選択肢を提供する。
幼児教育事業は『伸芽会』と『伸芽’Sクラブ』の2つのブランドを有し、名門幼稚園・名門小学校受験対策塾でトップクラスの実績を持つ。『伸芽’Sクラブ』は受験対応型の長時間英才託児教室。
学校内個別指導事業は『スクールTOMAS』の名で私立/公立の小・中・高校などの学校法人向けに、学内での個別学習支援サービスを提供する。低学力層には放課後を活用した個別指導を、学習進度の速い生徒には難関校合格対策を提供。
人格情操合宿教育事業は、キッズから小学生や中学生向けに宿泊&日帰りのツアーで体験型学習プログラムを提供する。
この他、社会人にも対応するマンツーマン英会話『インターTOMAS』なども運営し、幼児から社会人にいたるまで、幅広い層に教育サービスを提供。2020年9月にはヒューリック株式会社コナミスポーツ株式会社との業務提携を発表。首都圏主要駅に教育特化ビルの建設や、児童用スポーツ教室の開校を予定し、幼児教育の囲い込みによる業界再編成を目指す。
各事業でコロナ対応策としてオンライン授業の提供などを開始し体制構築を進めている。

競合他社

ベネッセグループの4745東京個別指導学院(2020年2月期売上高21,261百万円)、都内地盤で小中学生向け塾「ena」を展開する9769学究社(2020年3月期売上高10,920百万円)、全国展開型の個別学習指導塾では4668明光ネットワークジャパン(2020年8月期売上高18,218百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は国内6社、海外1社。学習塾以外の事業を事業毎に管掌しているとみられる4社に加え、駿台予備校との業務提携により超難関大学に特化した個別指導塾を運営する株式会社駿台TOMAS、学校内個別指導事業のためのフィリピン子会社TOMAS ENGLISH TRAINING CEMTER ,INC.、株式会社リソーウェルフェアの7社である。

強み・弱み

主力の個別指導塾『TOMAS』では、生徒の学力や性格に応じて教科ごとに講師を選び、独自のカリキュラムを作成。全室白板付きの個室で徹底したマンツーマン指導を実現している点が強み。幼稚園・小学校受験に対応した『伸芽’Sクラブ』では年間2万人が受験する公開模試の実施や、過去問題集等の小学校受験向け教材発行部数1位を誇るなど、小学校受験のパイオニアとしての地位は強固。少子化に伴う国内市場の縮小は懸念点としてげられる。

KPI

2020年度はコロナ禍の影響を受けているが、各事業における生徒数の推移がKPIとなりうる。
①個別指導塾「TOMAS」:2020年11月時点で前期比102.4%
②幼児教育塾「伸芽’Sクラブ」:2020年11月時点で前期比97.4%
③家庭教師サービス「名門会」:2020年11月時点で前期比109.9%

業績

売上高は安定的な成長を継続しており、2010年6月期から2020年2月期までの約10年間で1.6倍となった。営業CFは安定してプラス、投資CFは営業CFの3割程度の金額でマイナス、財務CFは恒常的にマイナスである。