1431 Lib Workの業績について考察してみた

1431 Lib Workの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q4 2022.06 5,154 484 9.39%
FY2023.Q1 2022.09 2,187 -264 -12.07%
FY2023.Q2 2022.12 4,337 348 8.02%
FY2023.Q3 2023.03 2,745 -23 -0.84%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.03 920 39 4.24%
FY2017.Q4 2017.06 1,366 151 11.05%
FY2018.Q1 2017.09 789 -26 -3.3%
FY2018.Q2 2017.12 1,632 192 11.76%
FY2018.Q3 2018.03 1,159 44 3.8%
FY2018.Q4 2018.06 1,524 124 8.14%
FY2019.Q1 2018.09 1,149 10 0.87%
FY2019.Q2 2018.12 2,037 270 13.25%
FY2019.Q3 2019.03 1,318 24 1.82%
FY2019.Q4 2019.06 2,093 228 10.89%
FY2020.Q1 2019.09 1,703 39 2.29%
FY2020.Q2 2019.12 2,141 250 11.68%
FY2020.Q3 2020.03 962 -68 -7.07%
FY2020.Q4 2020.06 1,230 -77 -6.26%
FY2021.Q1 2020.09 1,011 -195 -19.29%
FY2021.Q2 2020.12 3,534 446 12.62%
FY2021.Q3 2021.03 1,311 -151 -11.52%
FY2021.Q4 2021.06 3,548 386 10.88%
FY2022.Q1 2021.09 1,955 -222 -11.36%
FY2022.Q2 2021.12 4,569 511 11.18%
FY2022.Q3 2022.03 2,083 -107 -5.14%
FY2022.Q4 2022.06 5,154 484 9.39%
FY2023.Q1 2022.09 2,187 -264 -12.07%
FY2023.Q2 2022.12 4,337 348 8.02%
FY2023.Q3 2023.03 2,745 -23 -0.84%

沿革

1974年3月に瀬口工務店を創業し、1997年8月に有限会社瀬口工務店へと法人化。2000年6月に株式会社瀬口工務店に改組。2001年4月にインターネット展示場を開設し、2001年7月に住宅モニター制度を創設。2004年11月に株式会社エスケーホームに商号変更。2018年4月に株式会社Lib Workに商号変更。2019年6月に東証マザーズに上場。本社は熊本県。九州が地盤の注文住宅メーカー

株主構成

有価証券報告書よると2021年12月末時点の筆頭株主は代表取締役社長の瀬口力氏の資産管理会社である株式会社CSホールディングスで35.79% 、次いで同氏が12.04%、常務取締役の瀬口悦子氏が10.57%、その他は保有割合5%未満で創業家一族とみられる瀬口瑞恵氏、Lib Work従業員持株会、個人投資家の井手尾環氏、BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG、個人投資家の藤樫勇気氏と続く。その他には国内金融機関や個人投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、監査役3名 (全員社外)、監査役会設置会社である。取締役の石橋荘平氏は株式会社福岡銀行を経て、2021年9月に同社の取締役に就任した。その他2名の社内取締役はプロパーとみられ、常務取締役の瀬口悦子氏は営業部長、取締役の大山重敬氏は建設部長を兼任する。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の瀬口力氏は1973年12月生まれ。熊本大学大学院法学研究科に在学中の1997年8月に同社に入社し、取締役に就任。2004年11月に住宅メーカーへと事業をシフトし、1999年2月に現職に就任した。

報告セグメント

「戸建住宅事業」の単一セグメントである。ブランドごとでは、「Lib Work事業」、「sketch事業」、「アイフォート事業」、「無印良品の家」、「タクエーホーム事業」の5つに区分される。2021年6月期の売上高は9,404百万円で、経常利益は582百万円。経常利益率は1桁中盤から後半を推移する。

事業モデル

主力のLib Work事業では、マイホームに関する複数のポータルサイトを通して、低コストで高付加価値の住まいを提供する。ポータルサイトは、土地検索サイトや平屋サイト、施工事例サイト、建築家向けのマッチングサイトなどをカテゴリ別に幅広く運営する。ニーズごとにポータルサイトを整備することで、同社の名前を知らない顧客でも自身のニーズを基に同社のサイトにたどり着くシステムを設計する。また、実際の住まいの販売ではコンセプトごとに商品開発を行っており、共通の間取りと外観であればどの商品でも同一の価格で販売する。
Sketch事業では、トレンド感のあるデザインを採用した住まいを手頃な価格帯で提供する。ファッションブランドの「niko and…」とコラボした「ink」が代表的な商品であり、ショッピングモール内に実際のモデルハウスを展示する。
アイフォート事業では、都市向けにコンパクトな建売住宅「アイフォート」を提供する。標準化した間取りやプランを採用することでコストカットを行い、家賃と同様の支払いで購入できる点が特徴である。
無印良品の家では、「無印良品」とコラボした「無印良品の家」を提供し、ライフスタイルの変化に応じて自由に間取りを変更できるスタイルを採用する。壁を支えとしない建設構造により、吹き抜けを基調としたのびのびとした住居空間と、耐震性やバリアフリー性に富んだ長期優良住宅認定制度に対応している点が特徴。
タクエーホーム事業では、連結子会社のタクエーホーム株式会社を通して神奈川県を地盤に戸建てや建売住宅の販売を行う。土地の仕入れ力や不動産の仕入れから販売までの回転率に強みを持つ。
今後は現在九州を中心に16店舗展開する営業拠点を、2023年6月期までに35店舗まで増やし、関東圏と福岡圏の出店強化を進める。また、現在コラボしている「無印良品」や「niko and…」に加えて、新たに「Afternoon Tea House」とのコラボ商品を開発。異業種コラボによる新規顧客層の獲得を狙う。

競合他社

規格型注文住宅を提供する1413ヒノキヤグループ (2020年12月期売上高114,365百万円)、低コストの注文住宅を取り扱う1419タマホーム (2021年5月期同218,092百万円)、近畿圏や関東圏を地盤に戸建て住宅を販売する1420サンヨーホームズ (2021年3月期同53,487百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社1社と非連結子会社1社を有する。連結子会社には、神奈川県内を中心に戸建て住宅を販売するタクエーホーム株式会社がある。

強み・弱み

強みとしてWeb上での高い集客力が挙げられる。同社のWeb集客数は2020年6月期では前期比+50%の増加であったが、2021年6月期には前期比+69%まで増加。ニーズごとにポータルサイトの棲み分けを強化し、同社を知らない新規顧客の取り込みを実現する。2020年7月に開設した自社のYouTubeチャンネルでは、2021年6月末時点で2.5万人の登録者数を誇る等、Web上での多角的な集客を推進する。
懸念点としては、外注先を適時に確保できないリスクや木材価格の高騰によるコスト増が挙げられる。

KPI

KPIには①ROEと②戸建粗利率、③店舗数、④Web集客数、⑤You Tubeチャンネル登録者が挙げられる
①ROE:13%(2021年6月期)
②戸建粗利率:30%(同)
③店舗数:16店舗(同)
④Web集客数:前期比+69%(同)
⑤You Tubeチャンネル登録者:2.5万人(同)

2021年6月期 決算説明資料

業績

売上高は2017年6月期から2019年6月期にかけては、地盤である熊本県での熊本地震の影響から耐震性の高い住宅の販売強化や人口増加エリアでの出店強化を打ち出し、+75.2%に増加。2020年6月期にかけては、新型コロナ流行による販売の減少や着工の遅延、各種不動産業務の制限が影響し、▲8.5%に減少。タクエーホーム株式会社を連結子会社化した2021年6月期は、都市部から地方への移住者の取り込みやWeb上での新規顧客の集客に注力した結果、前期比+55.8%に増加した。経常利益は2017年6月期から2019年6月期にかけて2.7倍に増加したが、2020年6月期にかけて▲66.0%に減益。2021年6月期は、前期比で約3倍に回復した。フリーCFは2018年6月期以降、マイナスを継続。2021年6月期は有形固定資産の取得や子会社株式の取得により、投資CFの支出が嵩んだ。自己資本比率は50%台後半を推移する

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