1833 奥村組の業績について考察してみた

1833 奥村組の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

創業者である奥村太平氏が、1907年2月に奈良県にて土木建築請負業を開始したことが同社の起源。1938年3月に、株式会社に組織変更。1962年9月、大証二部へ上場し、1963年8月には大証及び東証一部に変更。1966年6月、本店を大阪市阿倍野区へ移転。トンネル施工技術や免震技術を得意とするゼネコンとして発展してきた。大阪のシンボルタワーである通天閣の施工を担当したことでも知られる。現在は土木事業の他、建築・不動産・再生可能エネルギー事業なども手掛けている。

株主構成

2021年9月末時点の保有比率に直近の大量保有報告書を加味すると、大株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が12.7%、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピーが11.9%、NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUSTが5.9%とみられる。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は12名(社内8名、社外4名)で、うち監査等委員が4名(全員社外)。監査等委員会設置会社である。社内取締役はいずれもプロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の奥村太加典氏は1962年3月生まれ。中央大学理工学部を卒業後、1986年4月に同社入社。その後1994年5月に関西支社次長となり、1994年6月には取締役に就任。1995年12月の東京支社営業部長などを経て、2001年4月に常務取締役となった。2001年12月より現職である代表取締役社長に就任した
代表取締役常務執行役員管理本部長の田中敦史氏は1959年6月生まれ。1982年4月に同社入社。2014年6月、取締役執行役員。2017年4月に取締役常務執行役員となった他、現職である管理本部長にも就任。2017年6月には、現職である代表取締役常務執行役員となった

報告セグメント

「土木事業」、「建築事業」、「投資開発事業」の3報告セグメントに大別される。2022年3月期第2四半期の売上高は112,310百万円であり、その構成比は土木事業39.0%、建築事業55.1%、投資開発事業2.2%となっている。セグメント別の利益は、土木事業4,066百万円、建築事業1,497百万円、投資開発事業969百万円であった。

2021年9月期 決算説明会資料

事業モデル

「土木事業」では、トンネルやダムなどのインフラ建設を担う。同社のルーツでもある土木事業においては、特にトンネル工事を得意としており、新幹線や高速道路などで多数の実績を持つ。
「建築事業」では、マンションや商業施設などの建築・設計を数多く手掛けている。優れた免震技術を持っており、関西圏を中心に多くの物件に携わる。また「投資開発事業」では、子会社を通じて不動産業を営む他、バイオマス発電にも取り組む。

競合他社

同社と同じく、関西を地盤とするゼネコンとしては1811錢高組(2021年3月期売上高105,792百万円)や、1852淺沼組(2021年3月期売上高138,934百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社12社、関連会社6社から構成される。主要な連結子会社としては、土木事業・建築事業を担う奥村機械製作株式会社や、投資開発事業で不動産業を営む太平不動産株式会社の他、同じく投資開発事業でバイオマス発電を手掛ける石狩バイオエナジー合同会社がある。

強み・弱み

優れたトンネル施工技術や免震技術を有しており、多数の施工実績を持つ点が強み。一方、景気動向などによる公共事業や設備投資の減少が、同社の業績に悪影響を及ぼす点はリスクとなり得る。

KPI

ゼネコンのため、売上総利益率の推移が主要なKPIである。加えて、各セグメント事の売上高の推移も主要指標となる。業績は下期偏重となりやすい点を考慮し、通期の実績として2021年3月期の実績は以下のとおり。
①売上総利益率の推移
②土木事業売上高104,698百万円(前期比+4.5%)
③建築事業売上高105,106百万円(前期比▲10.0%)
④投資開発事業売上高5,138百万円(前期比+6.5%)

2021年3月期 決算説明会資料

業績

2017年3月期から2021年3月期まで過去5期分の経営状況をみると、売上高は220,000百万円前後で推移している。経常利益もおおむね15,000百万円前後で推移しており、2021年3月期の営業黒字は、前期比1,496百万円増の14,779百万円となった。営業CFは、売上債権の増加や法人税などの支払いで資金減少となった2020年3月期を除けばプラス推移。投資CFはマイナス傾向。財務CFもマイナス傾向であったが、2021年3月期はバイオマス発電事業での借入増加に伴いプラスに転じた。2022年3月期第2四半期の自己資本比率は51.6%であった。

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