4428 シノプスの業績について考察してみた

4428 シノプスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.12 505 119 23.56%
FY2024.Q1 2024.03 386 8 2.07%
FY2024.Q2 2024.06 439 15 3.42%
FY2024.Q3 2024.09 450 41 9.11%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2018.Q4 2018.12 277 89 32.13%
FY2019.Q1 2019.03 180 -15 -8.33%
FY2019.Q2 2019.06 180 4 2.22%
FY2019.Q3 2019.09 315 105 33.33%
FY2019.Q4 2019.12 406 207 50.99%
FY2020.Q1 2020.03 154 -69 -44.81%
FY2020.Q2 2020.06 188 -32 -17.02%
FY2020.Q3 2020.09 150 -59 -39.33%
FY2020.Q4 2020.12 417 182 43.65%
FY2021.Q1 2021.03 204 -41 -20.1%
FY2021.Q2 2021.06 241 -12 -4.98%
FY2021.Q3 2021.09 322 79 24.53%
FY2021.Q4 2021.12 434 116 26.73%
FY2022.Q1 2022.03 321 48 14.95%
FY2022.Q2 2022.06 324 14 4.32%
FY2022.Q3 2022.09 324 18 5.56%
FY2022.Q4 2022.12 486 144 29.63%
FY2023.Q1 2023.03 330 1 0.3%
FY2023.Q2 2023.06 497 136 27.36%
FY2023.Q3 2023.09 396 14 3.54%
FY2023.Q4 2023.12 505 119 23.56%
FY2024.Q1 2024.03 386 8 2.07%
FY2024.Q2 2024.06 439 15 3.42%
FY2024.Q3 2024.09 450 41 9.11%

沿革

1987年10月大阪府にて株式会社リンク設立。物流最適化システムの販売を中心に事業展開し、2006年3月には現在主力である小売業向け自動発注システム「sinops-R4」を販売開始。2018年12月東証マザーズ上場。2019年4月株式会社シノプスに商号変更。小売業向け需要予測型自動発注システムを開発・販売する

同社HP TOP>IR>個人投資家の皆様へ

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の南谷洋志氏の資産管理会社、合同会社南谷ホールディングスで保有割合34.26%。南谷氏の親族である南谷純氏・南谷のどか氏・加藤めぐみ氏が各7.65%で続き、以降は保有割合5%未満で海外金融機関、国内生保、南谷洋志氏とその親族の南谷清江氏、パートナー企業の情報技術開発株式会社、株式会社日本アクセスが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、うち監査等委員は3名(社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員が中途入社。

代表取締役の経歴

代表取締役の南谷洋志氏は1954年10月生まれ。関西大学を卒業後、1978年4月現ダイトロン株式会社に入社。須磨電子産業株式会社への転職を経て、1987年10月同社を設立。以降、代表取締役を務める

報告セグメント

sinops事業の単一セグメント。売上高(2021年12月期売上高1,201百万円)はパッケージ(2021年12月期売上高の20.4%、前年度比+7.8%)、導入支援(同27.4%、+130.0%)、サポート(同25.7%、+12.1%)、クラウド(26.5%、+20.8%)に大別される。また2020年12月期実績では売上高の65%が食品スーパーマーケット向けだった。

事業モデル

在庫を最適化する流通業向けAIサービス「sinops(シノプス)」シリーズを提供する。売上高400億円以上の百貨店を除く小売業が同社の主要ターゲットで、2021年12月期は同領域でおよそ15.2%のシェアを持つ。上場する企業では、8273イズミ、8217オークワ、2742ハローズ等で同社製品が採用されている。特に本社所在地周辺の四国、近畿で高シェア。関東圏を含む東日本エリアでのシェア拡大に向け営業リソースを集中している。同シリーズの提供方法はクラウドとパッケージ販売の2種があり、同社はクラウド中心のビジネスモデルへ転換を図っている。販売形態は同社がエンドユーザーに直接販売する方法と、販売パートナーによる販売する方法で展開する。パッケージおよびクラウドにかかる売上高のほか、初期費用としての導入支援や導入後のサポートが同社の収益源となる。

2021年12月期通期決算説明資料

同社を取り巻く環境は、コロナ禍が予断を許さない状況にあるが、社会全体のDX推進機運の高まりによるIT投資や社会課題としての食品ロス削減運動の対応の動きは今後も継続するものと考えられる。

競合他社

需要予測型の自動発注クラウドを展開する3784ヴィンクス(2021年12月期売上高29,867百万円)や受注・発注を一元管理できるクラウド受発注システムを展開する3031ラクーンホールディングス(2021年4月期売上高4,364百万円)などが競合となりえる。

連結の範囲

同社は子会社を持たない。

強み・弱み

豊富な導入実績、自動発注が困難といわれていた日配品カテゴリで自動発注を実現した点、幅広いカテゴリの商品に対応している点、発注時間・欠品率・値引き、廃棄ロス率・在庫金額の在庫管理にかかる4つのKPIを可視化できる点、また保守サービスにより永続的な収益を期待できるストック型ビジネスである点が同社の強み。一方で、スーパーマーケット向けへの売上割合が高い点、一部販売パートナーに売上高を依存している点などの是正が課題となる。

KPI

同社の掲げるKPIは、下図の通り。同社はクラウドサービスの販売に注力している。

2021年12月期通期決算説明資料

業績

確認可能な2016年12月以降の業績を見ると、売上高は738百万円から2021年12月期は1,201百万円に成長。その間2020年12月期は、パッケージ販売からクラウドサービスへの移行期(クラウドサービスの有償契約への切替えが翌年度になった)にあたり、前期比▲16.0%の減益となった。営業利益率は2019年12月期に27.8%に達するも、2020年12月期は先述の売上高減少および従業員の増加から2.4%に低下、2021年12月期は売上回復するも11.8%となった。フリーCFは先述の通り有償契約への切替えが翌年度となった2019年12月期に売上債権が増加しマイナスとなったが、他の期はプラス。 2021年12月期の自己資本比率は72.1%。有利子負債はゼロ。

関連ありそうな記事