4388 エーアイの業績について考察してみた

4388 エーアイの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2003年4月株式会社エーアイとして東京都に設立。2007年4月自由文音声合成エンジン「AITalk®」シリーズのライセンス提供を開始。音声合成に関する様々なサービスを開発し、2015年に音声合成サービスを「AICloud」としてリニューアル。2018年6月東証マザーズへ上場。現在は東証グロース。音声合成エンジンの開発や販売を行う。

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の大株主は、代表取締役社長の廣飯伸一氏が17.43%、取締役会長の吉田大介氏が12.72%、同氏及び同氏の親族の資産管理会社である合同会社吉田事務所が11.39%を保有。そのほかに、取引先企業の株式会社ソルクシーズ、吉田大志氏、TIS株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、うち社外3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。取締役会長の吉田大介氏は株式会社大真空やTIS株式会社などの出身者、取締役の大谷大和氏は株式会社東芝の出身者。なお、取締役会長の吉田大介氏は株式会社国際電気通信基礎技術研究所の出身で、音声合成技術と出会い当社を設立した創業者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の廣飯伸一氏は1964年6月生まれ。東北大学大学院を修了後、株式会社リクルートに入社。その後、べスコムシステムズ株式会社の代表取締役などを経て、2004年6月より同社取締役に就任し、2022年6月より現職へ就任。

報告セグメント

「音声合成事業」の単一セグメントだが、「法人向け製品」、「法人向けサービス」、「コンシューマー向け製品」の特性に応じた3つの区分に分けている。2023年3月期第1四半期の売上高161百万円の構成比は、「法人向け製品」が69百万円で42.8%、「法人向けサービス」が46百万円で28.6%、「法人向け製品」が46百万円で28.6%を占める。なお、営業利益は▲9百万円であった。

事業モデル

「音声合成事業」では、音声合成エンジンに関する研究開発から製品開発、販売、サポートまでを提供する。音声対話や、道路交通情報、e-Learning教材、交通機関の車内案内、電話自動応答など幅広く利用される人間の声音を人工的に作り出す音声合成専業メーカーとして、機械音ではなく人間の肉声に近い自然な音声を実現する。高品質音声合成エンジン「AITalk®」を中心に、法人向けのパッケージ販売やライセンス提供が売上高の40~60%、クラウドサービスを中心とする法人向けサービスが20~30%、コンシューマー向け製品が20~30%を占めている。スタートアップからドコモやソフトバンクなどの大手企業まで、幅広い業界で2,000社以上の導入実績をもつ。
音声合成市場においては、ウィズコロナの下、会社や学校ではテレワーク、在宅学習の取り組みが定着してきており、eラーニング資料・動画におけるナレーション作成といった法人向け製品の需要拡大が見込まれる。また、コンシューマー向け製品では国内外での需要拡大も見込まれ、さらにはAI分野、eラーニング分野など利用機会が増加傾向にあることから、今後ますます音声技術の業界が重要な役割を担っていくものと同社は想定している。

競合他社

「AITalk®」の主な競合先は、7741HOYA(2022年3月期売上高6,614億円)、東芝デジタルソリューションズ株式会社が挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

少ない収録音声で高品質な音声合成を実現できることから、豊富な話者の提供と声優やナレーター、キャラクターなどの音声辞書の安価な提供を実現していることが強み。一方で、競合他社の大手企業が事業展開を加速した場合、同社の業績に影響を及ぼすことが懸念される。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     導入実績数
②     防災行政無線での導入自治体数
③     オリジナル音声辞書作成実績数
④     法人向けパッケージソフト累積販売数
⑤     コンシューマー向けパッケージソフト累積販売数

2022年3月期 決算説明会資料

業績

2018年3月期から2021年3月期までの期をみると、売上高は591百万円から887百万円、経常利益は147百万円から288百万円と右肩上がりの成長となったが、2022年3月期はコロナ禍の影響もあり減収減益となった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2023年3月期第1四半期の自己資本比率は94.0%。

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