4388 エーアイの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2003年4月株式会社エーアイとして東京都に設立。2007年4月自由文音声合成エンジン「AITalk®」シリーズのライセンス提供を開始。音声合成に関する様々なサービスを開発し、2015年に音声合成サービスを「AICloud」としてリニューアル。2018年6月東証マザーズへ上場

株主構成

2020年9月末時点の保有比率に変更報告書を加味すると、大株主は取締役副社長の廣飯伸一氏17.5%、代表取締役社長の吉田大介氏12.7%、同氏及び同氏の親族の資産管理会社である合同会社吉田事務所11.4%、取引先企業の株式会社ソルクシーズ4.9%、吉田大志氏2.98%、TIS株式会社1.9%である。そのほかに、国内外の信託銀行の信託口で併せて4.1%保有している。

取締役会

取締役は5名(社内2名、社外3名)、社外3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。副社長の廣飯伸一氏はソフトウェア開発等の企業を数社経て、2004年6月より同社取締役に就任し、2019年6月より現職へ就任。社外取締役の栗原学氏は公認会計士の有資格者で、株式会社ジャストシステムなどを経て2019年に当社の社外取締役に就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の吉田大介氏は1952年3月生まれ。同志社大学を卒業後、株式会社大真空に入社。その後、株式会社東洋ハイテック、TIS株式会社、NTTアドバンストテクノロジー株式会社、株式会社国際電気通信基礎技術研究所を経て、2003年4月に同社を設立

報告セグメント

「音声合成事業」の単一セグメントだが、「法人向け製品」、「法人向けサービス」、「コンシューマー向け製品」の特性に応じた3つの区分に分けている。2021年3月期第3四半期の売上高566百万円の構成は「法人向け製品」が317百万円で56.0%、「法人向けサービス」が167百万円で29.6%、「法人向け製品」が81百万円で14.4%を占める。

事業モデル

「音声合成事業」では、音声合成エンジンに関する研究開発から製品開発、販売、サポートまでを提供している。音声対話や、道路交通情報、e-Learning教材、交通機関の車内案内、電話自動応答など幅広く利用される人間の声音を人工的に作り出す音声合成専業メーカーとして、機械音ではなく人間の肉声に近い自然な音声を実現する。高品質音声合成エンジン「AITalk®」を中心に、法人向けのパッケージ販売やライセンス提供が売上高の50~60%、クラウドサービスを中心とする法人向けサービスが25~30%、コンシューマー向け製品が10~20%を占めている。スタートアップからドコモやソフトバンクなどの大手企業まで、幅広い業界で500社以上の導入実績をもつ。
IoTやロボットの普及などに伴い、人工知能を用いた音声対話ソリューションや音声翻訳ソリューションなどの利用が拡大していることや、一般消費者が動画配信などに音声合成を利用する機会が増え、音声合成技術の需要は増加していくと同社は見込む。

競合他社

「AITalk®」の主な競合先は、7741HOYA(直近決算期売上高5765億円)、東芝デジタルソリューションズ株式会社が挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

少ない収録音声で高品質な音声合成を実現できることから、豊富な話者の提供と声優やナレーター、キャラクターなどの音声辞書の安価な提供を実現していることが強み。一方で、競合他社の大手企業が事業展開を加速した場合、同社の業績に影響を及ぼすことが懸念される。

KPI

会社公表による「AITalk®」の導入・販売実績は下記の通り。
①導入実績数 2020年3月期 1,200社
②防災行政無線での導入自治体数 2020年3月期 648市区町村
③オリジナル音声辞書作成実績数 2020年3月期 370名
④法人向けパッケージソフト累積販売数 2020年3月期 1,300ライセンス
⑤コンシューマー向けパッケージソフト累積販売数 2020年3月期 6万ライセンス以上

2021年3月期 第2四半期決算説明資料

業績

売上高・利益ともに安定的な成長を継続しており、2016年3月期から2020年3月期までの4年間で売上高は1.8倍、経常利益は3.0倍となった。音声合成技術の需要増加を背景に、「AITalk®」の導入・販売が伸びている。自己資本比率は8割強を維持。5期の営業CF総額659百万円に対し投資CFの拠出額は4期間で総額110百万円と少なく、直近期はプラス。従業員数も32名から40名への増員に抑えられている。