3815 メディア工房の業績について考察してみた

3815 メディア工房の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1997年10月前身企業である有限会社フラミンゴ設立。有限会社フラミンゴの出資口数を現代表取締役の長沢氏が譲り受け、1998年4月有限会社メディア工房に商号変更した後、2000年4月に株式会社に組織変更。2006年9月東証マザーズに上場。スマートフォンへの有料アプリの提供や、ソーシャルゲーム制作(撤退決定済)、韓国や中国でのコンテンツ配信などに事業を拡大。占いを主力とするスマホ・PC向けコンテンツ配信やWebサイト運営などを行っている。

2021年8月期中間決算説明会資料

株主構成

有価証券報告書によると2021年2月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役およぶその親族の資産管理会社である株式会社エヌカルテットで保有割合48.21%。代表取締役の長沢一男氏が19.71%で続き、親族とみられる2名を加えると、長沢一族の持分は70.54%にのぼる。その他保有割合5%未満でネット系証券会社3社、個人3名が名を連ねる。外国人保有割合は10%未満。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表以外の社内取締役はプロパー入社が1名のほか、野村證券、1928積水ハウス、6702富士通を経て入社。また社内取締役5名中3名は長沢家。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の長沢一男氏は1953年2月生まれ。学歴は不明。1977年4月日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)入行。同行にて部長職等を務めた後、2000年12月同社代表取締役に就任。2010年3月より代表取締役社長を務める

報告セグメント

「占いコンテンツ事業」、「One to One事業」、「メディア事業」、「XR事業」の4報告セグメントおよびその他に大別される。2021年8月期第2四半期売上高895,366百万円の内訳は、占いコンテンツ事業54.9%、One to One事業38.1%、メディア事業6.4%、XR事業0.2%、その他0.4%だった。営業利益の全社費用調整前151百万円の内訳は、占いコンテンツで180百万円、One to One事業36百万円、メディア事業1百万円計上、XR事業とその他は赤字だった。

2021年8月期中間決算説明会資料

事業モデル

占いコンテンツ事業は、同社および連結子会社が通信事業者やApple、Googleなどプラットフォーム向けにコンテンツ配信を行う。また自社占い総合サイト「大占館」を運営し、他社に依存しない収益モデルの構築を目指している。
One to One事業は、電話やLINEによる占い、お悩み鑑定などを提供している。電話占いサイト「リエル」などを通じ、占い師とユーザーの双方向のやり取りが特徴の1対1のサービスを提供する。サービスによりユーザーから直接、もしくはプラットフォーム事業者を介し料金を収受し、売上高に連動した一定料率の金額をロイヤリティーとして占い師に支払う
メディア事業は主に女性をターゲットとした、身近な内容をコラムとして発信するサイトを運営。企業から収受する広告掲載料が収益の柱だが、一部課金コンテンツによりユーザーからも収益を得ているXR事業はVR/AR/MRの技術を利用したソフトウェアやそれら技術を利用したコンテンツの提供を行っている。
その他はヘルスケアを中心とした国内外ECサービス、医療ツーリズムをはじめとするインバウンド関連事業を展開する。
2020年8月期の全セグメントを通じた相手先別販売実績は、LINE株式会社が26.5%、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモが16.9%、KDDI株式会社が10.9%だった。
占いコンテンツは、主にスマートフォン、PCを介して提供されるため、コロナ禍の影響は小さい。近年はスマートフォン、SNSの普及によりコミュニケーション手段が多様化する中、チャット、SNS、音声通話サービスなどを通じた占いサービスの需要が拡大している。

競合他社

モバイル端末向け占いコンテンツ配信を行う3770ザッパラス(2020年4月期売上高3,789百万円)、女性向け含む各種コンテンツ配信を行う9438エムティーアイ(2020年9月期売上高26,082百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社および連結子会社6社によりグループが構成され、主要な子会社として、占いコンテンツ事業を行う株式会社ギフトカムジャパンが挙げられる。尚、グループの1社、中国に拠点をおく連結子会社については解散、清算手続きを開始することが決議されている。

強み・弱み

占いコンテンツに長年携わってきたことによる制作力、著名占い師のキャスティング力が強み。一方で当該占い師の評判が販売面に大きな影響を与えると考えられ、当該占い師の人気低下やイメージダウンにつながる事象が発生した際には同社業績にも影響を与える可能性がある。

KPI

①占い市場規模
②自社サイト会員数、アクティブユーザー数

業績

2016年8月期から2020年8月期の直近5期をみると、売上高はおおよそ2,000百万円前後で推移。ただし2020年8月期は占い事業やゲーム事業の不振、コロナ禍による新規事業収益化の遅れ、減価償却負担から前年同期比▲7.5%の減収で1,798百万円だった。尚2020年8月期にゲームの自社開発から撤退している。営業利益はコンテンツの配信時期、人気度に応じて安定せず、2017年8月期および2020年8月期は赤字。営業CFプラス維持もソフトウェア投資等によりフリーCFは安定しない。自己資本比率は50%台から2020年8月期は36.8%と低下基調。