3782 ディー・ディー・エスの業績について考察してみた

3782 ディー・ディー・エスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q4 2021.12 264 -67 -25.38%
FY2022.Q1 2022.03 199 -41 -20.6%
FY2022.Q2 2022.06 320 -23 -7.19%
FY2022.Q3 2022.09 190 -80 -42.11%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 307 47 15.31%
FY2017.Q2 2017.06 120 -118 -98.33%
FY2017.Q3 2017.09 199 -88 -44.22%
FY2017.Q4 2017.12 164 -74 -45.12%
FY2018.Q1 2018.03 147 -112 -76.19%
FY2018.Q2 2018.06 158 -94 -59.49%
FY2018.Q3 2018.09 214 -71 -33.18%
FY2018.Q4 2018.12 696 338 48.56%
FY2019.Q1 2019.03 214 -56 -26.17%
FY2019.Q2 2019.06 365 65 17.81%
FY2019.Q3 2019.09 236 -101 -42.8%
FY2019.Q4 2019.12 349 -72 -20.63%
FY2020.Q1 2020.03 192 -79 -41.15%
FY2020.Q2 2020.06 382 6 1.57%
FY2020.Q3 2020.09 252 -85 -33.73%
FY2020.Q4 2020.12 300 7 2.33%
FY2021.Q1 2021.03 292 -119 -40.75%
FY2021.Q2 2021.06 258 -68 -26.36%
FY2021.Q3 2021.09 347 -8 -2.31%
FY2021.Q4 2021.12 264 -67 -25.38%
FY2022.Q1 2022.03 199 -41 -20.6%
FY2022.Q2 2022.06 320 -23 -7.19%
FY2022.Q3 2022.09 190 -80 -42.11%

沿革

1995年9月組込み系ソフトウェア受託開発をおもな事業とし、愛知県に有限会社ディー・ディー・エスを設立。1998年1月に株式会社へと組織変更をおこなう。2000年9月指紋認証ソリューション「UB-safe」の販売を開始。2005年11月東証マザーズへ上場。2007年4月にはマイクロソフト株式会社のゴールドパートナーに認定。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場に移行。2022年9月不適切会計を要因として特設注意市場銘柄に指定される。2022年10月認証ソリューション累計出荷が150万ライセンスを突破した。独自技術に強みを持つ指紋認証ソフト・機器の開発会社

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末日時点で保有割合が5%を超える株主は存在しない。筆頭株主は廣田証券株式会社で保有割合1.96%。以下、国内外証券会社や個人などが並ぶ。外国人保有比率は10%未満

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員が中途入社であるが、4902コニカミノルタ出身の柚木氏、9698クレオで代表取締役を務めた林氏は沿革に記載の不適切会計の絡みにより2022年11月をもって退任することとなった。創業者で代表取締役会長を務めていた三吉野氏は2022年8月に退任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の久保統義氏は1964年10月生まれ。愛知工業大学工学部を卒業後、株式会社キラ・コーポレーションに入社。その後、株式会社ジャストシステム、シマンテック株式会社、トレンドマイクロ株式会社、シスコシステムズ株式会社など数々のIT系企業を経て2010年12月より同社取締役を務める。2019年3月、代表取締役社長に就任

報告セグメント

「バイオメトリクス事業」の単一セグメント。セグメント内は「バイオ事業」「マガタマ・FIDO事業」「センサー事業」に細分化され、2021年はバイオ事業が全体売上の95%を占める

事業モデル

「バイオ事業」は指紋認証を中心に生体認証やICカード認証など、複数の認証方式を組み合わせた多要素認証をハード面とソフト面から提供する。主な販売先は公官庁や自治体。昨今は公共性の高い企業も増加している。尚、同社は生産設備を持たない。生産は日本、台湾ならびに中国のEMSに委託している。
「マガタマ・FIDO事業」ではオンライン認証技術を活用したセキュリティ製品の開発を手がける。FIDO(Fast IDentity Online)とは「ID、パスワードに依存しない新しいオンライン認証」の通信規格。FIDO規格の標準化団体の中核をなす米国のNNL社と国内唯一のディストリビューター契約を結び、NNL社製ミドルウェアの国内販売およびカスタマイズ販売等を行う。2018年頃より、売りきり型の販売モデルからサービス課金型、ライセンス型の収益モデルへと移行している。
「センサー事業」では汗孔と隆線を使った認証アルゴリズムに関する特許申請を海外含め14件行い全て権利化がされている。そうした技術を背景にスマートフォン等向けの指紋認証技術のライセンス提供を行うが、受注の遅延やセンサーの増産遅れなどにより、2021年度においては売上計上できていない
2021年12月期のおもな得意先は、販売実績の24.2%を占めるダイワボウ情報システム株式会社のほか、SB C&S株式会社(9434ソフトバンクの子会社)、4768大塚商会や日立グループ
生体認証市場は官民による需要増から拡大基調。総務省が自治体の情報セキュリティ対策を進めており、各府省からのガイドラインで二要素認証について言及されていることが理由として挙げられる。同ガイドラインを受けて民間企業での需要も増加の見込み。さらにメタバースやeスポーツなど仮想空間と現実空間を融合させる環境において、本人認証を求めるニーズが高まっている。

事業計画及び成長可能性に関する事項ご説明資料

競合他社

下図の通り指紋認証市場の同社が64.2%とトップシェアを持つ。指紋認証デバイスを手がける企業はほかにラトックシステム株式会社、中央電子株式会社、株式会社モフィリアなど存在するが、すべて非上場。上場会社での競合は見当たらない。電子認証では3788GMOグローバルサイン・ホールディングス(2021年12月期売上高14,046百万円)などの企業が挙げられる。
1980年初頭より大手企業や大学発ベンチャー企業などが指紋認証市場に参入したものの現在ではほとんどが撤退。しかし近年、市場の急拡大から参入を検討する企業が増えており、競争が激化する可能性がある。

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連結の範囲

海外に連結子会社を2社持っていたが、2022年9月海外事業からの撤退を決議し、連結子会社のDDS Korea, Inc.は解散することとなった。 同社が55%の株式を保有するシンガポールのMICROMETRICS TECHNOLOGIES PTE.LTD. についても関係解消に向け調整している。

強み・弱み

創業以来、大学との共同研究をおこなっており、技術的な競争力の高さが強みといえる。これまで東京大学、名古屋工業大学、中部大学の各校と連携しており、中部大学との研究開発は現在も継続している。海外も含めた特許取得数37件にも裏付けされた技術力を背景に指紋認証市場で10年連続のシェア1位を誇る。
製品の競争力は高いものの、商談や受注の遅れにより期初予想業績からの下振れが多い従業員59名と小規模な組織であるため、商談への対応力が課題と考えられる。

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KPI

KPIとして同社は細分化された事業毎に下記を挙げている。
①バイオ事業:出荷ライセンス数(累計数)(2022年10月150万ライセンス突破)
②マガタマ・FIDO事業:サービサー数(2021年12月期末:4社)
③センサー事業:契約メーカー数(同上:0社)

業績

2018年12月期以降売上高は1,100百万円前後で推移。直近3期(2018年12月期~2021年12月期)が赤字、それ以前も赤字の期が多い。営業CF、投資CF、フリーCF全てマイナスの期が多い。有利子負債はゼロで自己資本比率は70%台で推移。2020年12月期には増資を実施している。

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