3674 オークファンの業績について考察してみた

3674 オークファンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年9月個人事業によりオークション売買事業を開始。2001年4月オークション統計ページの運営を開始。2004年4月前身である株式会社デファクトスタンダード設立。2007年6月同社よりメディア事業を新設分割し、インターネットメディア「オークファン」の運営を事業目的として、東京都に株式会社オークファンを設立。純広告サービスおよびネット広告サービスを開始。2013年4月東証マザーズ上場。上場後は株式会社NETSEA(DeNAよりマーケットプレイス事業を承継)など合計4社を傘下に取得し、業績を拡大。なお、株式会社デファクトスタンダードは2016年8月に東証マザーズに上場し、その後東証一部に市場変更を果たしている(2020年1月にはTOBにより上場廃止)。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、創業者で代表取締役社長の武永修一氏で保有比率は39.79%。ついで武永氏の資産管理会社であるS173株式会社が9.20%と続く。その他は5%未満の保有で、信託銀行等の信託口や証券会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役は3名(1名常勤、2名社外)、監査役会設置会社である。取締役の一人である海老根智仁氏は株式会社オプトで代表取締役社長CEOや取締役会長まで務め、2018年12月よりオークファンの取締役に就任している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の武永修一氏は1978年5月生まれ。京都大学在学中にネットオークション事業をスタートさせる。その後2004年4月株式会社デファクトスタンダードを設立。2007年6月同社を設立、代表取締役社長に就任。起業のきっかけは、在学中にお金を工面しようと自分が所持するパソコンをリサイクルショップに持ち込んだところ4万円と査定され、納得がいかずネットでオークションに出したところ16万円で売れたことがきっかけとなっている。

報告セグメント

「在庫価値ソリューション事業」、「商品流通プラットフォーム事業」、「インキュベーション事業」の3報告セグメントに大別され、2021年9月期第1四半期の売上高2,963百万円の構成比は在庫価値ソリューション事業14.8%、商品流通プラットフォーム事業41.5%、インキュベーション事業43.7%である。全社費用等の調整前でセグメント利益はインキュベーション事業で87.7%を占めた。

事業モデル

在庫価値ソリューション事業は、ネットショッピング・オークションの相場、統計価格比較サイト『aucfan.com』や、BtoBの卸プラットフォーム『NETSEA』、EC一括運営効率化ツール『タテンポガイド』、寄付型ショッピングサイト『Otameshi』などを運営し、廃棄ロス問題の解決へ向けた取り組みを事業とする。これらサイトでの有料会員からの課金収入が主たる収益源。2020年9月末時点で、約700億件を超える商品情報や価格情報などのデータを蓄積し、無料会員数は91万人、有料会員数は4万人を超える。
商品流通プラットフォーム事業は、創業来の売買データとAI技術により商品の時価を可視化し、企業在庫の価格と販路を最適化する予測モデルを構築している。『NETSEA』で大手メーカーや卸と中小規模の小売店や卸をマッチングさせ、新たな販路の提供を行う。また、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行うクローズドなオークションサイト『バリューBtoBモール』の運営の他、『Otameshi』ではSDGsの概念に賛同する企業から、食品。飲料・日用品などの提供をうけ個人へ販売する。主たる収益源は有料課金収入、流通手数料や商品販売収入。
インキュベーション事業は中長期的に競合優位性を構築・維持するための知見とネットワークを得ることを目的に、国内外のベンチャー企業等へ事業投資活動やコンサルティング業務を行う。投資先としてAI(人工知能)、データ、フィンテック、シェアリングエコノミー等のテクノロジー領域を挙げている。

同社HP TOP>事業情報

競合他社

各オークションサイトでの出品状況などを同社と同じ規模で比較できるサイトを運営する企業は見当たらない。BtoCだけでなくBtoBの卸モールも展開し、総合的に廃棄ロス問題の解決に取り組む企業も他に見当たらない

連結の範囲

株式会社SynaBiz、株式会社スマートソーシング、株式会社オークファンインキュベート、株式会社ネットプライスの4社が連結子会社に該当する。株式会社SynaBizはBtoBの卸売・仕入プラットフォーム「NETSEA」の運営、アセットリクイテーション事業を営む。

強み・弱み

世界各国に商品を流通させるネットワーク、700億件を超える商品売買データを有する点は強み。AIを用いて、商品相場情報と販路を提供できるのは2次流通の市場における豊富な実績と優位性によるものである。2020年9月期は業績を牽引したが、インキュベーション事業の事業としての安定化は課題である。

KPI

①ビジネス利用アカウント数  2021年1月 1,392,769アカウント
②オークファン課金会員数 2020年9月期末 41,685人(前期比▲2,138人、2期連続減少)
NETSEAにおける流通・販売額 2021年3月度 9.1億円(過去最高更新

2021年9月期 第1四半期決算説明資料

業績

2016年9月期から2020年9月期までの5期間で、売上高は2.9倍、営業利益は2.6倍に成長。2021年9月期第1四半期は、売上高2,963百万円(前年同期比+88.4%)、営業利益1,224百万円、四半期純利益918百万円と、前年同期比で大幅な増収増益であった。新型コロナウィルスによる影響が軽減されてきたことや、ネットによる商品売買の増加が背景にある。営業CFは営業投資有価証券への支出によりマイナスとなった2019年9月期を除きプラスで推移。投資CFは恒常的にマイナスである。自己資本比率も60%台を維持し、財務面でも大きな懸念はない。