6961 エンプラスの業績について考察してみた

6961 エンプラスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1962年2月東京都にて第一精工株式会社として、プラスチックねじ及びリベットの製造販売、金型及び精密機構部品の製造及び加工を目的に設立。1975年にはシンガポールに現地法人を設立しており、その後米国、韓国、英国、マレーシア、タイ、中国と海外へ展開。1981年1月エンプラス株式会社を形式上の存続会社として合併。1984年9月東証二部上場。1990年4月株式会社エンプラスに商号変更。2000年3月東証一部に変更プラスチックギヤに代表される、精密プラスチック加工のトップメーカー

同社HPトップ

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の横田大輔氏で保有割合15.58%。次いで、同社創業者の横田誠氏が10.45%、埼玉りそな銀行が6.85%、みずほ銀行が6.78%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.64%と続き、以降は保有割合5%未満で公益財団法人エンプラス横田教育振興財団、国内信託銀行信託口、個人名、海外銀行が名を連ねる。尚、5%ルール報告書によると、みずほ銀行とその共同保有者の持分が5.57%であると報告されている。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、うち監査等委員は4名 (社内1名、社外3名)、監査等委員会設置会社である。代表を含めた社内取締役3名は30歳前後での入社で、中途入社も考えられるが入社前の経歴は開示がない。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の横田大輔氏は1967年11月生まれ。明治大学卒業後、1993年4月に同社入社。米国現地法人の代表や自動車機器事業部長等を務めた後、2003年6月に取締役就任。2006年4月常務取締役に就任した後、2008年4月より現職を務める

報告セグメント

2022年3月期第1四半期よりセグメント区分を変更。Energy Saving Solution事業、Semiconductor事業、Digital Communication事業、Life Science事業の4報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期売上高8,233百万円の構成比は、各34.8%、44.4%、13.9%、7.0%だった。営業利益は872百万円で、各312百万円、544百万円、390百万円、▲374百万円。Energy Saving Solution事業とSemiconductor事業が二本柱である。

事業モデル

Energy Saving Solution事業は、自動車やプリンター、家電製品などに組込まれる高性能ギヤを取り扱う。自動車用は世界的な半導体不足による生産調整が懸念材料だが、需要は底堅く推移、プリンター用部品はオフィス需要の回復は鈍いが、テレワークの普及により家庭用に一定の需要がみられている。
Semiconductor事業はICテスト用ソケットやバーンインソケットを取り扱う。半導体の性能確認のために欠かせない部品となる。自動車や次世代高速通信普及に伴うモバイルやパソコンなどの分野で需要が増加している。
Digital Communication事業は、光通信関連の光学デバイスやLED用拡散レンズを取り扱う。ローエンドは競争激化により売上減少しているものの、次世代高速通信用途の需要の高まりからハイエンドやミドルエンド製品の販売は好調に推移している。
Life Science事業は、遺伝子検査用製品を取り扱う。新規分野への先行投資や開発費用が嵩んだが、検査需要増から赤字幅縮小傾向
2021年3月期の地域ごとの売上高は日本20.0%、米国20.6%、中国15.0%、台湾10.2%、シンガポール10.5%、その他アジア16.9%、欧州5.5%、残りがその他となっている。海外製造拠点は米国、マレーシア、タイ、中国、インドネシア、シンガポール、英国、ベトナムに持つ。

競合他社

工業用プラスチック成形品等を製造する4242タカギセイコー(2021年3月期売上高37,144百万円)や、7886ヤマト・インダストリー(同12,966百万円)、商社だが自動車向け軸に自社生産に傾注する9913日邦産業(同39,985百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社24社および持分法適用会社2社で構成される。国内の製造・販売を担うQMS株式会社や株式会社エンプラス半導体機器のほか、世界各地に製造・販売拠点を持つ。

強み・弱み

微細加工技術に定評があり、精密プラスチック加工において高いシェアを有すること、海外生産網が整備され各地の顧客に製品提供する体制が整備されていることなどが強み。一方で海外売上高比率が80%に達するため、カントリーリスクや為替リスクを持つほか、幅は縮小するものの赤字が継続するLife Science事業の減損リスクなどが挙げられる。

KPI

①受注状況(2021年3月期受注高29,755百万円:前年同期比95.8%、受注残高3,333百万円:同110.5%)
②自動車市場動向(同社は2022年3月期について2019年度の水準まで回復を想定)
③半導体市場動向(同社は2022年3月期について5~10%の成長を想定)
④為替動向(米ドルほか)

業績

売上高、営業利益ともにスマホ需要の拡大からサーバー市況が好調だった2014年3月期をピークに低下基調。2021年3月期はコロナ禍の影響から減収減益だが、先述の通りハイエンド、ミドルエンドの光学デバイスの販売が好調で全体の営業利益率にも改善がみられる。フリーCFは統括施設開設に伴う土地を取得した2017年3月期以外は近年プラス。自己資本比率は80%以上を維持。有利子負債は4期ゼロだったが、2021年3月期15億円の短期借入を実施。