6659 メディアリンクスの業績について考察してみた

6659 メディアリンクスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1993年4月映像設計受託業を目的として北海道にて株式会社メディア・リンクスを設立。同年6月に本店所在地を神奈川県に移転。2006年3月ジャスダックに上場。2017年6月株式会社メディアリンクスに商号変更。2005年4月に欧米での販売を目的として米国デラウェア州に子会社を設立。その後2011年6月にはオーストラリアにおける販売を目的とした子会社設立、2015年には欧州中東アフリカ地域の販売網を統括する拠点として英国に子会社を設立している。主に放送用ネットワークのインフラを形成するための機器・システムを開発・販売するファブレスメーカー

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、株式会社エイチイーエス(代表取締役は同社創業者の林英一と考えられる)で16.21%を保有。第2位は日本証券金融株式会社5.08%、西村裕二2.64%と続く。外国人株式保有比率の情報はない。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(すべて社外)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち、取締役CMOのジョン・デイル氏は2005年11月に米国子会社MEDIA LINKS,INC.に入社し、2012年3月に同社のPresidentに就任。その後同社の取締役副社長や代表取締役を歴任。2020年4月より現職。取締役管理本部長の長谷川渉氏は1982年4月に住友電気工業株式会社に入社。その後シスコシステムズや日本オラクル、ワコム、キトーなどを経て2016年2月に同社入社。2016年6月より現職。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の菅原司氏は1977年10月生まれ。1998年函館工業高等専門学校卒。同年4月同社入社。同社設計開発本部長などを経て2020年4月より現職。

報告セグメント

映像通信機器メーカーとしての事業のみであり、セグメント別に事業を分類していない。個別の開示はないが、日本や中国を含めたアジア市場、オーストラリア市場、EMEA市場、北米市場に分けて事業を管掌しているもよう。期によって比率変動は大きいが、海外売上高の構成比は総じて高く、半分以上を占める。

2021年3月期第2四半期 決算説明会 決算説明資料

事業モデル

テレビ放送における高品位映像素材のIP通信を実現するための機器およびシステムなどを開発・販売する。放送事業者の拠点間、あるいは拠点内部の部署間をIPで結ぶネットワークを実現する。同社製品はサッカーのワールドカップやオリンピックのような世界中の人々が注目するスポーツイベントの映像伝送装置や、欧州や米国などを代表するトップ企業の重要な放送用基幹インフラを形成する機器として採用されている。
また、機器単独の販売だけではなく、ソフトウエア、設置工事、保守サービスなどを組み合わせたシステム構築事業も展開。主として機器やシステムを通信事業者またはテレビ放送局に対して販売している。ファブレス形態で、製造委託先は3社以上との提携を基本としている
同社製品は効率性の高いIP通信の技術をベースに、映像が途切れることのない性能を実現しており、放送事業者のインフラ機器として絶対の信頼性と安定性を有す。映像機器の開発と同時に通信の要素技術も蓄積してきた。
IPは、放送が要求する高い安定性、信頼性に応えられなかったため、通信ネットワークでの利用に限られてきたが、同社の独自のIP技術による製品開発と、技術面のリードで先進国の一部で放送事業ノインフラとしての採用が進み、今後は拡大期に入ることを同社は見込む。

2021年3月期第2四半期 決算説明会 決算説明資料

競合他社

競合となる企業はない。

連結の範囲

連結子会社は2社。アメリカ法人およびオーストラリア法人の2社を販売子会社として連結子会社としている。

強み・弱み

同社の強みは、技術の優位性であり無瞬断切替機能、帯域保証、ビデオルータでの完全ノンブロッキングなどがあげられる。同社の代表製品であるマルチメディアIP伝送装置MD8000は、放送用ネットワークインフラ装置メーカーとして業界内での確固たる認知度を獲得している。
一方で、収入が顧客の需給動向に大きく左右されるため、継続的に安定した案件獲得が必要となる(サブスクリプションモデルではない)点は弱み。同様に、同社グループの売上高において、海外の大口顧客向けの販売に依存していることや、主力製品IP伝送装置MD8000シリーズへの依存度が高いこともあげられる。

KPI

恒常的に赤字になりがちの企業で、その一因として研究開発費をに見合う売上を回収できていないことがあげられるため、下記をKPIとする。売上変動による四半期ごとの数値変動も大きいため、本決算時の数値を参照する。
・売上総利益率 2020年3月期 56.8%(前期比▲1.3%)
・研究開発費 2020年3月期 661百万円(前期比▲7百万円)

2021年3月期第2四半期 決算説明会 決算説明資料

業績

2016年3月期から2020年3月期までの5年間の経営状況を見ると、売上高は下落トレンドで推移している。また経常利益も5年間のうち、3年で赤字となっており、2020年3月期は経常損失552百万円を計上している。2021年度第3四半期では、前年同期比で減収減益かつ若干の赤字幅拡大で推移している。
自己資本比率は2016年3月期の65%から2020年3月期は41.7%に低下している。比率としては財務体力の懸念は低いと考えられるが、低下傾向となっている。
営業CFも過去5年においては直近4期においてマイナスの水準となっている。投資CFは過去5年において特筆すべき傾向はうかがえない。