6947 図研の業績について考察してみた

6947 図研の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.03 10,313 1,406 13.63%
FY2024.Q1 2023.06 8,441 775 9.18%
FY2024.Q2 2023.09 9,438 1,221 12.94%
FY2024.Q3 2023.12 9,301 1,153 12.4%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 7,214 1,203 16.68%
FY2018.Q1 2017.06 4,849 32 0.66%
FY2018.Q2 2017.09 5,609 457 8.15%
FY2018.Q3 2017.12 5,720 284 4.97%
FY2018.Q4 2018.03 7,404 1,252 16.91%
FY2019.Q1 2018.06 5,640 297 5.27%
FY2019.Q2 2018.09 6,837 1,002 14.66%
FY2019.Q3 2018.12 6,422 599 9.33%
FY2019.Q4 2019.03 7,888 1,152 14.6%
FY2020.Q1 2019.06 6,082 329 5.41%
FY2020.Q2 2019.09 7,623 1,449 19.01%
FY2020.Q3 2019.12 6,901 452 6.55%
FY2020.Q4 2020.03 8,690 1,161 13.36%
FY2021.Q1 2020.06 5,928 114 1.92%
FY2021.Q2 2020.09 7,143 852 11.93%
FY2021.Q3 2020.12 6,724 507 7.54%
FY2021.Q4 2021.03 9,024 1,418 15.71%
FY2022.Q1 2021.06 7,014 569 8.11%
FY2022.Q2 2021.09 7,967 1,282 16.09%
FY2022.Q3 2021.12 7,409 611 8.25%
FY2022.Q4 2022.03 9,112 1,442 15.83%
FY2023.Q1 2022.06 7,703 856 11.11%
FY2023.Q2 2022.09 8,400 1,036 12.33%
FY2023.Q3 2022.12 8,657 1,130 13.05%
FY2023.Q4 2023.03 10,313 1,406 13.63%
FY2024.Q1 2023.06 8,441 775 9.18%
FY2024.Q2 2023.09 9,438 1,221 12.94%
FY2024.Q3 2023.12 9,301 1,153 12.4%

沿革

1976年12月株式会社図形処理技術研究所を横浜市に設立。1985年6月商号を株式会社図研に変更。1983年米国に現地法人を設立して以降、90年代に欧州、韓国、シンガポール、中国へ展開し、1994年6月に英国レーカル・リダックグループを買収するなど、海外展開を積極的に進めてきた。1987年6月株式を日本証券業協会に店頭売買銘柄として登録。1991年10月東証二部、1994年9月東証一部に変更。2014年12月東証一部上場の東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(現ビジネスエンジニアリング株式会社)との間で資本業務提携を行い、株式を取得。2015年2月東洋ビジネスエンジニアリング株式会社(現ビジネスエンジニアリング株式会社)との合弁会社、株式会社ダイバーシンクを設立。製造業に強いエンジニアリングのソフトウェアベンダーで、プリント基板CAD・CAMの国内最大手

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、代表取締役会長の金子真人氏が18.58%、同氏の資産管理会社である金子真人ホールディングス株式会社が13.93%を保有。次いで、株式会社日本カストディ信託銀行が7.80%を保有するほか、日本生命保険相互会社、JP MORGAN CHASE BANK、GOLDMAN, SACHS & CO.REGなどが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は10名(社内8名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役6名はいずれもプロパー。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の金子真人氏は1945年3月生まれ。早稲田大学を卒業後、1976年12月に株式会社図形処理技術研究所(現同社)を設立。競走馬の馬主であるほか、ハワイの会員制ゴルフ場のオーナーなどを務める実業家としても有名。
代表取締役社長の勝部迅也氏は1942年10月生まれ。関西大学を卒業後、高千穂交易株式会社へ入社。1982年1月に同社へ入社し、1999年4月には専務取締役(最高執行責任者)へ就任。2020年4月に現職へ就任。

報告セグメント

「日本」、「欧州」、「米国」、「アジア」の4報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高7,014百万円の構成比は、日本69.3%、欧州18.3%、米国7.4%、アジア5.0%、である。セグメント利益は、日本475百万円、欧州▲34百万円、米国24百万円、アジア109百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は569百万円であった。
ソリューション別販売動向をみると、保守に該当するとみられるクライアントサービスが約4割を占め、安定的なストックビジネスモデルを構築していることがうかがえる。

中期経営計画資料 chuki_keiei_keikaku_shinchoku_202107

事業モデル

エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を中心に設計から製造までのプロセスにかかわるソリューションの研究開発・製造・販売及びこれらに附帯するクライアントサービス等の事業を営む。売上高の構造として、
具体的には、「日本」、「欧州」、「米国」、「アジア」において、ソフトウェアの研究開発や製造・販売・コンサルティング、サポートサービス、ミドルウェア製品の研究開発、ネットワーク関連製品の販売、人材派遣を含む技術支援などを行っている。主要な製品・サービスは、「エレクトロニクス設計(EDA)」、「自動車電装・ワイヤハーネス設計」、「電気制御・ケーブル設計」、「設計データ管理(PDM・PLM)」の4分野で展開している。エレクトロニクス設計では、電気/電子システムの設計製造を自動化・最適化するためのCADやCAM、電子回路・基盤の設計などのツール、システムを提供。自動車電装・ワイヤハーネス設計では、CASEに対応すじる自動車開発で中核となるE/Eシステム設計環境やワイヤーハーネス設計ツールを提供する。電気制御・ケーブル設計では、産業機器開発の作業効率化や高品質化のための配線設計支援を可能にするシステムやツールを提供。設計データ管理(PDM・PLM)では、E/E設計の成果物管理や、製品データマネジメントシステム製品を提供する。
新型コロナウイルス感染症の収束には、なお時間を要することが懸念され、先行き不透明な状況は続いていくものと思われる。その一方で、AIの進化や通信の高速化などにより、世界のモノづくりを取り巻く環境が劇的に変化していく中で、同社グループのソフトウェア技術を活用して取り組むべき事業領域は、今後も拡大していくことが見込まれている。

競合他社

CADシステムの販売などを行う7595アルゴグラフィックス(直近決算期売上高434億円)、電子系CADソフトの開発などを行う3841ジーダット(直近決算期売上高億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社23社(非連結子会社1社を含む)により構成され、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を中心に設計から製造までのプロセスにかかわるソリューションの研究開発・製造・販売及びこれらに附帯するクライアントサービス等の事業を営んでいる。

中期経営計画資料 chuki_keiei_keikaku_shinchoku_202107

強み・弱み

プリント基板設計用CADシステムでは、国内外で高いシェアを持つ点が強み。同社事業は製造業への依存度が高く、製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が継続した場合、業績に影響が及ぶ可能性がある。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①製品分野別受注残高
②地域別受注残高
③ソリューション別販売実績
④製品分野別販売実績
⑤海外地域別販売状況
⑥工作機械受注統計

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は22,199百万円から28,819百万円、経常利益は1,571百万円から3,153百万円と順調に推移。主要顧客企業のIT投資への積極的な動きが継続しており、順調に売上を伸ばしている。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は66.8%。

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