7745 エー・アンド・デイの業績について考察してみた

7745 エー・アンド・デイの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1977年5月、タケダ理研工業株式会社(6857アドバンテスト)の技術者がスピンアウトし、電子計測器の製造・販売を目的に株式会社エー・アンド・デイ設立。1982年6月研精工業株式会社を連結子会社化、電子天秤事業に進出する。1982年6月の米国に販売拠点の現地子会社を設立して以降、豪州、韓国、英国、中国、ロシア、ドイツ、ベトナム、カナダへ積極展開。1990年4月に医療機器開発子会社の株式会社エー・アンド・デイ・システムを設立する。2003年4月東証ジャスダック上場、2005年2月に東証二部、2006年3月に東証一部へ変更。2018年6月半導体検査装置メーカーの7748ホロンを連結子会社化した。産業、医療用の計量・計測機器メーカー

株主構成

有価証券報告書によると2021年月3末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合6.61%。次いで、エー・アンド・デイ従業員持株会とメリルリンチ証券の顧客口座が各々5.53%ずつ、ステートストリート銀行の顧客口座が5.20%で続き、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、地銀、海外ファンド、同社執行役員が並ぶ。尚、5%ルール報告書によるとフィデリティ投信傘下のFMR LLCが9.31%保有している模様。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は10名(社内7名、社外3名)、監査役は3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち代表取締役を含む3名は現6857アドバンテスト出身。その他は埼玉りそな銀行、GE、7748ホロン出身者等で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役執行役員社長の森島泰信氏は1947年9月生まれ。名古屋工業大学卒業後、1970年4月タケダ理研工業株式会社(現6857アドバンテスト)入社。1977年5月同社入社し、1988年7月に取締役就任。2016年6月より代表取締役を務める

報告セグメント

「計測・計量機器事業」と「医療・健康機器事業」をそれぞれ「日本」、「米州」、「欧州」、「アジア・オセアニア」に分けた報告セグメントとなっている。2022年3月期第1四半期の事業別業績は下記の通り。地域別では計測・計量機器事業の売上のうち日本が7割、アジア・オセアニアが15%程度を占める。医療・健康機器事業は米州4割強、欧州3割強を占めている。

2022年3月期第1四半期決算説明資料

事業モデル

様々なものの値を測る電子計測機器の開発・製造・販売を行う。計測・計量機器事業では下図の通り計量機器の売上割合が高く、主な製品として比較的軽量な物の重さを高精度に計測しデジタル表示する電子天びん、一般用から防水、防塵、防爆仕様で1トンを超える計量も可能な製品まで揃える電子台秤や音や振動、厚みや強度といった計測をおこなう機器などがある。医療・健康機器事業では病院用、家庭用デジタル血圧計や病院等施設向けの身長体重計、ベッドスケールなどを取り扱う。また2020年6月にタニタ株式会社と業務提携、タニタ株式会社の業務用自動身長計付き体組成計、同社の業務用血圧計と両社がそれぞれ強みを持つ製品を互いにOEM供給する。

2022年3月期第1四半期決算説明資料

国内のほか、米国、オーストラリア、イギリス、韓国、中国、ロシア、インド、ドイツ、ベトナムカナダに製造、販売拠点を持つ。
売上高は下期に偏重する傾向にあったが、偏重度合いは徐々に解消してきている。
コロナ禍において需要の低迷、設備投資を見送る動きがみられたが、2021年3月期の下半期からは受注が回復基調となっている。医療・健康機器は非接触型体温計を中心に健康機器事業の売上が伸びている。

競合他社

環境計測器・工業用計測器メーカーの6848東亜ディーケーケー(2021年3月期売上高15,988百万円)や、医療機器事業では血圧計で高いグローバルシェアを持つ6645オムロン(同655,529百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社22社で構成される。アメリカ、ロシアの販売子会社の売上高は連結売上高の10%以上を占める。

強み・弱み

重さや音といったアナログ量をデジタル数値に変換する技術をコアとして、「はかる」ことに特化し多品種の製品を持つことが強み。一方で海外売上比率が2021年3月期で56.9%に達しているため為替リスクを持つ。同社製品は計量法など各国の規制対象化に置かれており、今後規制の厳格化などがあれば同社業績に影響を与えると考えられる。

KPI

①受注高(2022年3月期計測・計量機器事業12,271百万円、前期比77.5%、医療・健康機器事業14,732百万円、同174.5%)
②受注残高(2022年3月期計測・計量機器事業5,706百万円、前期比104.9%、医療・健康機器事業14,732百万円、同204.1%)
③為替レート(米ドル、ルーブル等)

業績

2021年3月期はコロナ禍の影響から設備投資見送りの動きが一部見られ前期比▲1.6%の減収となったものの、長期的には増収基調。営業利益は2016年3月期に円安の影響で海外生産品の原価が上がり利益率が低下した落ち込んだが、以降は増益基調で2021年3月期の営業利益率は9.0%。フリーCFは2016年3月期以降プラス続く。設備投資のための借入金等もあり、自己資本比率は30%台を推移