6877 OBARA GROUPの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1958年12月東京都にて小原金属工業株式会社を設立、抵抗溶接用電極の製造販売を開始する。1971年5月米国スピードファムとともに高速平面研削機製造を目的としたスピードファム株式会社設立。これを皮切りに積極的な海外展開を続けてきた。1988年8月小原株式会社(定款上はOBARA株式会社)に商号変更。株式は1998年6月に店頭登録銘柄として株式公開、2006年8月に東証一部に上場。2011年10月にOBARA GROUP株式会社に商号変更し、持株会社の同社と事業会社のOBARA株式会社に分社した。現在は溶接機器と平面研磨装置関連の事業を展開する、自動車向け抵抗溶接機器大手

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、創業家の資産管理会社とみられる有限会社馬込興産で保有割合22.72%。代表取締役の小原康嗣氏15.77%、日本マスタートラスト銀行の信託口6.12%、日本カストディ銀行の信託口が別口で5.64%、3.49%と続き、以下は5%未満でJPモルガンチェース銀行、三菱UFJ銀行、創業家親族とみられる個人1名などが名を連ねる。尚、変更報告書によるとシュローダー・インベストメント・マネジメントの保有割合が9.45%、野村証券と共同保有者が8.61%、ティー・ロウ・プライス・ジャパンが6.09%であると報告されている。また、2020年12月22日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10%以上20%未満である。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役の小林憲史氏は1962年生まれ、新卒で子会社のスピードファムへ入社したと見られ実質プロパー。同じく山下光久氏は1953年生まれ、31歳当時同社へ入社し2013年より取締役へ就任している。

代表取締役の経歴

取締役社長(代表取締役)の小原康嗣氏は1968年5月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1991年4月東海銀行(現在の三菱UFJ銀行)入行。1994年1月同社入社し、2000年8月子会社のスピードファム株式会社取締役に就任。その後、同社および子会社の要職を歴任後、2011年10月より現職を務める。なお、創業者である小原博氏から、春名邦芳氏、持田律三氏を挟み3代ぶりの創業家社長とみられる。

報告セグメント

「溶接機器関連事業」および「平面研磨装置関連事業」の2報告セグメントに大別される。2021年9月期第2四半期累計期間の売上高20,866百万円の構成比は、溶接機器関連事業58.2%、平面研磨装置関連事業41.8%。営業利益もほぼ同様の割合だった。2020年9月期上半期の地域別販売状況は、調整前の合計額を分母に、日本が43.2%で、アジア・パシフィック地域46.5%とこの2地域で太宗を占め、米州6.9%、その他3.4%と続く。

事業モデル

溶接機器関連事業はOBARA株式会社中心に世界各地の連結子会社にて製造、販売を行う。主要販売先は自動車業界で自動車ボディー向けの溶接機器が主軸。各国現地ニーズ対応の製品開発を強化し、国内外自動車メーカーの設備増強やモデルチェンジに伴う設備更新に併せ提案を行っている。平面研磨装置関連事業はスピードファム株式会社中心に世界へ展開主要取引先はエレクトロニクス業界で、シリコンウェーハなどの材料基盤の研磨装置等を製造、販売している。装置販売が事業の主軸だが、部品・消耗品(研磨剤など)の販売も行っており当事業売上の4割弱を占める

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競合他社

抵抗溶接機でグローバルなシェアを擁する先として、アーク溶接機器国内首位の6622ダイヘン(同145,144百万円)、日本アビオニクス(非上場)などが挙げられる。研磨機では、電子部品材料の研磨機が主軸の6131浜井産業(2021年3月期売上高5,771百万円)、などが挙げられる。

連結の範囲

持株会社である同社と連結子会社28社で構成され、主要な子会社として溶接機器関連事業を展開するOBARA株式会社、OBARA(NANJING) MACHINERY & ELECTRIC CO., LTD.、平面研磨装置関連事業を展開するスピードファム株式会社、株式会社プレテックなどが挙げられる。

強み・弱み

創業から半世紀以上にわたり培ってきた技術力が同社の強み。また消耗品販売も手がけ、設備更新後も一定の売上が見込める。併せて半導体メモリー等の需要が高水準で推移しており、平面研磨装置についても当面高い需要が見込める。一方で、溶接機器関連事業は主に自動車関連企業へ、平面研磨装置関連事業はエレクトロニクス関連企業に納入しているため、各業界の設備投資動向、また溶接機器関連事業の主要材料である銅価格の変動などが同社業績に影響を与える。

KPI

①受注高・受注残高
②販売先業界設備投資動向
③銅価格
④為替(米ドル等)

2021年9月期 中間決算説明会資料

業績

2016年9月期から2019年9月期の連結売上高は概ね50,000百万円前後、経常利益は10,000百万円前後で増益傾向にあった。しかし2020年9月期はコロナ禍の影響で溶接機器関連事業の主要取引先業界である自動車業界に慎重な設備投資姿勢がみられ、減収減益となった。尚2021年9月期に入り、アジア・パシフィック地域の受注に改善がみられている。自己資本比率は上昇傾向で70%弱。投資を営業CFの範囲内に収め、フリーCFは毎期プラス。